立てば芍薬座れば牡丹踊る姿は薔薇の花?

古希から喜寿へ向かうGrandmotherが、つれづれなるままにシニアライフをつづります。

キノコ類は放射性セシウムを積極的に吸収する(森敏博士)

2011-03-29 15:05:04 | 日記
このblog記事を読んで思うことは、放射性物質を好んで食べるキノコの特性を活かして、汚染された土壌に「キノコの胞子」をたくさん撒いて、木の子を生やすことで、浄化を促進できるのではないだろうかということである。地震で倒壊した家の廃材をたくさん並べて、そこに菌を植え付けると、一挙両得になろう。どうせ、数年間は、作物を収穫しても食することができない土地の活用法としては良いと思うのだが。。。

野生のキノコや野生動物の放射能汚染に対する危惧
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1007.html

今回の福島原発事故に対して、農地で生産される農産物についての消費者の関心は、当然であるが、今後気をつけなければならないことは、自然生態系の汚染である。


チェルノイブイリ原発事故の時には、フィンランドやノールウエイでのトナカイの肉の濃厚な放射能汚染が報告された。これらの野生動物はキノコなどを食するので、キノコが注目された。特にドイツ人はキノコ狩りが大好きなので、彼らの失望は気の毒だった。世界中の分析の結果、今日では、キノコの類は放射性セシウムを野菜よりも積極的に吸収することがあきらかにされている。


文献によれば、キノコの放射性セシウム濃度と培地の放射性セシウム濃度の比(:TF値)は0.1-1の間である。この値はどの野菜よりも高い値である(先日のWINEPブログを読んでいただきたい)。つまり、ある種のキノコは寄生樹木や土壌の放射性セシウム濃度とほぼ等しい濃度のセシウム含量を有するのである。


これらの研究から言えることは、福島原発の20キロ-30キロメートル圏内にある山林に生息する野生のキノコや雑草を食べる野生動物たちは、人間以上に環境放射能(現在はヨード131,セシウム134,セシウム137が発表されている)を現在進行形で口から摂取しつつあるということである。時間がたてばたつほど、放射能の摂取量が増えるので、すべての野生動物には放射性セシウムが濃縮されつつあると考えなければならない。


秋口の山野のキノコや、仮に野生の熊を射止めても肝臓などは食べない方が良いかも。


(森敏)

付記:参考文献:
三宅定明 ほか。「キノコ及び培地中における放射性セシウム濃度」Radioisotopes 57,753-757(2008)