里の常連さん情報

横田の里の常連さんが綴る里のネタ特集

程よい数字で♪

2016年02月19日 | 冬ネタ

コレステロールが高いのは危険だ、と信じられています。しかし、高くてもさほど心配ないのです。人間の体は約60兆個の細胞から成り立っており、コレステロールは、この細胞の膜やホルモンを作る材料として利用されています。

 とはいえ、もちろん、悪玉と称されるLDLコレステロールが極端に高ければ動脈硬化の原因になります。140mg/dlまでは大丈夫です。

 逆に、80以下と低すぎても、がんの原因となることがあります。卵や肉、少々の油ものなどにあまり目くじらを立てることはありません。

 一方、HDLコレステロールは高いほうがいい。運動やアルコールで上昇し、動脈硬化を防ぐことができることから「善玉」と称されます。逆に、HDLコレステロールが40以下と低いほうがLDLコレステロールが高い人より危険です。要は、HDL・LDLコレステロールとも程よく高めがいいということです。

 コレステロールと密接な関係にあるのが中性脂肪です。血液中に中性脂肪がたくさんある状態は、体のなかでよくないことが次々と起こります。HDLコレステロールも減らします。

 さらにLDLコレステロールを小型化し、超悪玉コレステロールを生みだしてしまいます。超悪玉コレステロールの悪役ぶりは特に注目されています。サイズが非常に小さいため、血管壁の中へ直接入り込みやすく、酸化されやすい(サビつきやすい)。また、血液中の滞在時間も長いのです。

 つまり、中性脂肪は、動脈硬化の進展に直接的というより、善玉コレステロールを減らし、超悪玉コレステロールを増やすことで、結果的に血管に悪影響を及ぼしているのです。

 中性脂肪は、名前から油ものを多く取ると上がると思われている節があります。実は、糖質の過剰摂取が原因です。

 特に、吸収のいい糖質が要注意です。日本人好みの白米、麺、パン、果糖や蔗糖などの取り過ぎが中性脂肪を増やします。そう、脂肪肝や糖尿病と同じなのです。

 ■栗原毅(くりはら・たけし) 医学博士。栗原クリニック東京・日本橋院長。前慶応大学特任教授。「血液サラサラ」という言葉を提唱し、著書やメディア出演などを通じて予防医療の大切さを訴えている。