今、結婚をしない人が増えていると言われています。内閣府男女共同参画局が発表している最新のデータによれば、男性の生涯未婚率は20.1%、女性の生涯未婚率は10.6%。つまり、男性は5人に1人、女性は10人に1人が未婚生活を続けている、ということになります。
ちなみに、生涯未婚率を簡単に説明すると、「50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人の割合」ということです。50歳をすぎてからはじめての結婚をする人も増えていることを考えると、現実のデータは少し変わってくるのかもしれませんが……。
いずれにしても、今どきは、「なにがなんでも結婚をしなくてはいけない時代」ではありません。婚活中の男女にも、なかなか恋愛ができないと嘆く前に、まずは、「いつかは結婚しなければいけない」という思い込みを捨てることからはじめてほしいと思っています。
先日、歌手の森進一さん(67歳)に、恋愛報道がありました。お相手は、森さんより28歳年下の39歳の一般女性とのこと。交際期間はすでに2年ともいわれ、ラブラブな関係を築いているようです。
森さんは、1980年に女優の大原麗子さんと結婚したものの4年後の1984年に離婚。1986年に歌手の森昌子さん(56歳)と再婚し、2005年にふたたび離婚。以来、10年間、現在にいたるまで独身生活を続けてきました。久々の恋愛報道にご本人はさぞウキウキしているのかと思いきや、報道ではそれほど浮き足立っているようにも見えず、テンションも抑えた感じの印象でした。今どきの「年の差婚」をする男性陣と少し違って、落ち着いたトーンで穏やかな恋愛事情を語る森さんに、むしろ好感を抱いた人たちも少なくないようです。
森さんいわく、「まさか自分がそんな若い人と付き合うなんて思ってもいませんでした」とのこと。歌手としての森進一さんのキャリアや活躍ぶりをそれほど知らなかったというお相手の女性に対して、「そういうところもかえってよかったんでしょうね」という森さん。ひとりで生活をしている寂しさを埋めてくれる存在なのかもしれません。
森さんは、自身の結婚観に関しても、興味深い発言をしているようです。報道によると、結婚をするのかたずねた記者に対して、それを否定した森さんは「ちゃんとした形をつくってしまうと壊れてしまいますから」「何かに執着してもよくない。彼女とも、今の状態がいちばんいいんです」と続けていたとのこと。結婚や離婚を2回ずつ経験した人ならではの結婚観なのでしょうか。「“潤い”というんですか。私の人生に彩りを与えてくれています。薄暗がりからぼくを表に出してくれた彼女には、感謝しかありません」とも言っているそうです。
たしかに、パートナーには落ち着いた雰囲気や頼りがいを求めている女性は少なくありません。年齢が離れていることにより、思い切って甘えられることに安心感を覚えるという女性の声も聞きます。森さんのように、経済的にも余裕がありそうで、女性をエスコートすることに慣れている男性であれば、年下女性からはモテるのにもうなずけます。
問題は、女性のほうが森さんに対しての愛情がどこまで続くか、ということにかかってくるのではないでしょうか。39歳という年齢であれば、結婚も妊娠もまだまだ諦めてはいないはず。ほかの男性に心を奪われないとも限りません。そうした時、はたして森さんはどのような選択をするのでしょうか。--新しいカップルのゆくえに、今後も注目したいと思います。
■岡野あつこ(おかの・あつこ) 1954年8月5日埼玉県出身。夫婦問題の悩みを解決するカウンセリング事業や、カウンセラーを育成する岡野あつこのライフアップスクールなどを運営する、株式会社カラットクラブ代表取締役。NPO日本家族問題相談連盟理事長。1991年よりカウンセリング事業を開始、2万5000件以上のカウンセリング実績をもつ。現在は、後進の育成にも力を入れており、ライフアップスクールの卒業生は1800人を超えている。夫婦問題解決のプロとしてメディアに出演し、一人でも多くの人に笑顔が戻るよう日々活動中である。離婚相談救急隊(http://www.rikon.biz/)。