“袖にされた男たち”が逆襲を始めた。オリックス・山本和作内野手(26)は、サヨナラ打やプロ初本塁打で一躍注目のヒーローとなった。そのほかソフトバンク・福元淳史(29)、楽天・仲沢広基(26)両内野手もそれぞれ勝利に貢献。3人に共通するのは、昨季まで巨人に在籍しながら1軍出場がなく、トレードでチャンスをつかんだという点だ。 (宮脇広久)
交流戦は“恩返し”の絶好機。「山本と福元は打撃では巨人の2軍で飛び抜けた存在だった」と証言するのは、昨季まで2軍監督を務めていた川相昌弘1軍ヘッドコーチ(48)である。
山本は9日のソフトバンク戦(ほっと神戸)で、9回2死満塁からサヨナラ打。昨秋「夢でお前がサヨナラを打つのを見た」と予言していたオリックス・森脇浩司監督(52)も、実は一昨季は巨人の2軍内野守備走塁コーチで、当時から素質に目をつけていた恩師なのだ。
さらに19日の横浜DeNA戦(京セラ)では、プロ初本塁打が決勝弾。一躍、遊撃手としてスタメンの常連となった。
2008年の育成ドラフト3位で、大経大から巨人入り。11年に支配下登録されたが、左ひざ骨折で育成枠に逆戻りする屈辱を味わった。昨年再び支配下登録されたが、結局1軍には上がれず、昨オフに東野峻投手(26)とともに2対2のトレードでオリックスへ移籍した。
福元は15日の広島戦(マツダ)で、1軍昇格即「2番・二塁」でスタメン起用されプロ初安打。17日の阪神戦(甲子園)では、初打点を含む2安打1打点の活躍でお立ち台に上がった。
こちらも08年の育成ドラフト4位で、NOMOベースボールクラブから巨人入り。11年に支配下登録されたが1軍昇格なし。昨季途中のトレードでソフトバンクに移籍し、代走でようやく1軍初出場を果たした。
仲沢も出場機会こそ少ないが、プロ初安打を放つなど今季3打数2安打。08年ドラフト6位で国際武道大から巨人入りし、昨オフに金刃憲人投手(29)と一緒に2対2のトレードで楽天に移籍した。トレードに際し「悔しい思いはなかった。チームが変わる不安はあったが、チャンスをものにしたい気持ちの方が強かった」という仲沢は、言葉通りに花を咲かせようとしている。
くしくも3人は同期入団。いまや「対戦後は一緒に食事をします」(仲沢)という間柄だ。
仲沢は同年ドラフト最下位の6位で、山本と福元は育成枠。仲沢は巨人時代に1軍ベンチ入りまでは果たしたが、試合出場はなく他の2人は昇格さえない。
いずれもチャンスが得られなかった背景には、契約金の高いドラフト上位選手が優先されがちな実情もある。巨人の育成枠出身者には山口鉄也投手(29)、松本哲也外野手(28)ら成功例もあるが、並大抵ではないのだ。
川相ヘッドは「選手にとって、1軍の試合に出てお金を稼げるようになることが第一」とトレードを歓迎する。中日時代には、落合博満前監督(59)による鉄平外野手(30)=現楽天=の放出を目の当たりにした。この際、落合氏が「中日にいてもポジションが埋まっていてチャンスがない。あいつの野球人生を考えれば出してやった方がいい」と話したことが、記憶に残っているという。
山本を獲得した、オリックスの瀬戸山隆三球団本部長補佐(元ロッテ球団社長)も「以前は“放出した選手が他球団で活躍したらメンツがつぶれる”と飼い殺しにすることも多かった。今は球界活性化のため、積極的に環境を変えてあげた方がいい」との考えだ。
“逆バージョン”もある。巨人で売り出し中の立岡宗一郎内野手(23)は、08年ドラフト2位でソフトバンク入り。1軍は代走での1試合のみで、昨季途中から巨人に移籍した。15日のロッテ戦(東京ドーム)でプロ初安打するなど、今季5試合で先発出場。28日からの古巣との初対戦に意気込んでいる。
いずれも年俸は600万円以下で、サラリーマンが応援したくなる男たちだ。「活躍はうれしいし、対戦は楽しみ」という川相ヘッドだが、くれぐれも出さなきゃよかった…なんて後悔しなければいいが?!
昨年暮れの衆院選に絡む“新党騒動”でミソをつけた嘉田由紀子・滋賀県知事の求心力低下が止まらない。選挙での惨敗がこたえたのか、今年度予算編成では看板の「卒原発」は“封印”。四面楚歌の中で対立する自民党にすり寄り、「道路」「河川」といったコンクリ・インフラの整備で増額を決めた。環境派・リベラルの旗手ともてはやされたかつての存在感はなく、今年夏の参院選、来年夏の知事選が迫る中、進退に関する憶測も飛び交う。
嘉田氏は昨年の衆院選の直前、小沢一郎氏(現・生活の党代表)と共闘して日本未来の党を旗揚げし、代表に就いた。このことで県議会や支持者から激しい反発を受け、「絶大」とされた県内基盤が大きく揺らいだ。県議会からは、国政政党代表と知事職の兼務解消を求める決議を突きつけられ、今年1月4日、結党から約40日で代表辞任表明に追い込まれた。
一連の新党騒動が県政に落とした影は大きく、今年度の当初予算編成をめぐり、県議会で過半数を占める自民会派が態度を硬化。嘉田氏は対立を避け、河川整備や道路改修、交番や駐在所の建て替えなど自民が求める項目を次々と増額した。
こうして苦労してこぎつけた予算編成だが、評判はいまひとつだ。編成当時の佐野高典・県議会議長は「紋切り型で嘉田カラーが出ていない。新党立ち上げで予算編成に早くから携わっていなかったからか、何がしたいのかわからない」と指摘。支持者からも「嘉田氏の持ち味である環境面でのアピールが少ない。持論の『卒原発』はどうなったのか」と失望の声が聞かれた。
予算案を審議した県議会で嘉田氏は低姿勢を貫き、政治姿勢を問う質問には県政重視の姿勢を強調するなど、事態の打開を模索している。
分党し、政治団体となった未来の党。嘉田氏はその政策アドバイザーを務めるが、「未来には知事として現場の声を届けたい。その上で団体内で議論を尽くし政策を決定してもらうと考えている」とし、距離を置く意向を示している。
ある政党関係者は「新党騒動の影響はまだしばらく尾を引きそうだ。嘉田氏のイメージが悪化して県民人気が大きく低下しており、厳しい県政運営は続くだろう」とみる。
嘉田氏は今年4月、支援母体だった地域政党「対話でつなごう滋賀の会」(対話の会)の相談役も外された。対話の会としては、新党騒動をめぐる混乱の責任をとった形だ。
同会には小沢氏の政治手法を嫌う“小沢アレルギー”があり、未来結成以降、退会者が続出していた。このため衆院選で自主投票を決めるなど、未来と距離を置いたが、衆院選後も会員から厳しい声が相次いだため、ついに「親離れ」を決意した。
対話の会の清水鉄次代表は「県民のための地域政党でありたいと、原点に返ることにした。われわれも生き残るためには独自性が必要ではないかと思った」と述べる。
一方、嘉田氏は「(相談役としては)実質は何もやっていない。自分としては、国政に対してはより独立的に動けるようになる。本来の姿に戻ったと思う」と話した。これが何を意味するのか。
嘉田氏の国政再進出を取り沙汰する声は今も多い。衆院選に未来から出馬し、落選した元衆院議員は「嘉田氏はまた動き出すのでは」と、参院選出馬の可能性を指摘する。嘉田氏は衆院選後にインターネット交流サイト「フェイスブック」を始めたが、このこともインターネット選挙解禁に向けた動きとみる向きがある。
当の嘉田氏は2月、報道陣とのやり取りの中で参院選出馬を否定し、来夏までの知事の任期をまっとうする考えを強調した。しかし、昨年の衆院選での唐突な新党結成-国政参加という前例があるだけに、関係者は気をもむ。
3期目の知事選への態度も明確にしておらず、周辺からは「新党騒動以降、嘉田氏は県政への意欲が以前より薄らいでいるようにみえる」との声も出ている。
自民党関係者は「いまは県内地盤を固め直すのが先決との判断があるのだろう。しかし、参院選前の動きには注視する必要がある」といい、求心力が落ちたとはいえ、その動向からは目が離せないところだ。(藤原直樹)
7月22日の「土用の丑の日」に向け、うなぎの価格が今年も高騰しそうなことが29日、水産庁の調査で分かった。
養殖のための稚魚(シラスウナギ)の仕入れ量が昨年より約25%減少し、稚魚の価格が急上昇。外食産業やスーパーの店頭に並ぶうなぎの価格に反映されるのは確実だ。
水産庁によると稚魚の漁期が終わる4月末で、国産と輸入分を合わせた稚魚の仕入れ量は昨年の計約16トンに対し、今年は約12トンにとどまった。
稚魚の平均取引価格は06年には1キロ当たり26万6000円だったが、
昨年は約8倍の214万8000円。
水産庁の担当者は「今年は高いところでは300万円を超えている」と説明している。
夏バテ防止の代表のメニュー、うなぎが恋しい季節がやってきた。5月28日にいち早く期間限定で「うな丼」を発売するのは、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングスだ。
すき家といえば、定番の牛丼に加えて「おろしポン酢牛丼」や「高菜明太マヨ牛丼」などトッピングの具材を駆使したり、期間限定で「カレー南蛮牛丼」「やきそば牛丼」といった主食メニュー同士の組み合わせで客単価のアップを狙ったりと、度重なる牛丼の“値下げ戦争”でも企業体力を落とさない商品戦略を探ってきた。
うな丼も例外ではない。うなぎの養殖に使う稚魚(シラスウナギ)の不漁で蒲焼きの価格が国内外で高騰を続ける中、中国産を使って昨年と同じ価格「並盛り780円」で提供するという。もちろん、うなぎと牛丼が両方味わえる「うな牛」(並盛り880円)での差別化も忘れないあたり、すき家のお家芸は健在といえる。
ところが、今年のうな丼発売には特別な意気込みが感じられると話すのは、外食産業に詳しいジャーナリストの中村芳平氏だ。
「これまで牛丼の値下げ戦争に積極的に加わってこなかったライバルの『吉野家』が4月に並盛り280円に値下げして、すき家、『松屋』ともに大手3社の価格が横並びになりました。
ゼンショーの小川(賢太郎)社長は吉野家の値下げについて『影響はまったくない。周回遅れで値下げしてもインパクトはない』と吐き捨てましたが、内心は顧客を奪われるのではないかと少し焦っているはずです。うな丼の発売を早めたのも、固定ファンを囲い込もうとしている表れです」
吉野家ホールディングスの安部修仁会長は、今回の値下げについて「最後の勝負」と語ったとされるが、それだけ牛丼チェーンを取り巻く環境は以前にも増して不安要素が多い。牛丼3社の2013年3月期の連結経常利益は揃って減益。前期の既存店売上高に至っては、すき家は約8%と、3社の中でもっとも減らしてしまった。
では、うな丼の先行発売が売り上げ減に歯止めをかける突破口となるのか。
「当然、吉野家も例年うな丼を発売しているので、近々発表はしてくるでしょう。昨年の吉野家のうな丼価格はすき家より130円安い650円。でも、うな丼については価格勝負にはならないでしょう。どちらも中国産を使っているので、より高品質のうなぎを調達しなければ消費者が抱く食の安全が揺らいでしまいますからね」(前出・中村氏)
すき家のうな丼紹介には次のようなことが書かれてある。
<安全にこだわるすき家のうなぎは、中国の人里離れた山奥のきれいな水で養殖し、水源や飼料、残留薬物の検査まで、日本と中国で計11回の品質検査を経た他に類を見ない安全なうなぎです>
一方の吉野家も専属契約した中国・江蘇省の養殖地で、池の水質やエサの種類にも目を配ってきた「自慢のうなぎ」を例年提供している。つまり、両社とも「品質や価格は下げずに利幅をがっちり取って儲けるメニュー」(外食コンサルタント)というわけだ。
それでも、やっぱり気になる牛丼チェーンによる「うな丼戦争」の行方。前出の中村氏は発売のタイミングより、限定期間の後半が勝負だと指摘する。
「いくら冷凍で輸入するとはいえ、うなぎは生物なので夏の期間内に売り切ってしまいたいはず。問題はうなぎが食べたくなる暑い日が少なく、売れ残ってしまった場合にどうするか。値下げして牛丼と同じように叩き合いになるのは避けたいところでしょう。
そこで、ゼンショーは『なか卯』をはじめ、多くの外食業態を持っていますし、昨年は食品スーパーのマルヤを買収しているので、余ったうなぎを卸すこともできる。在庫管理がしやすい点で『すき家』のほうが有利かもしれませんね」
うなぎ同様にスタミナ勝負に入った牛丼チェーン。円安による原材料高騰の懸念もある中、どこまで低価格路線を貫くことができるのだろうか。
個人投資家はロクに仕事も手につかなかったんじゃないか。市場は前日の大暴落に続き、24日も値幅が1000円を超える乱高下。1万4000円を割り込む場面もあったものの、結局、前日比128円高で落ち着いた。「投機筋が仕掛けた」といわれているが、これで分かったことがある。東証は素人が太刀打ちできる市場ではなくなったということだ。
<後場の大暴落のワケ>
大暴落は2日続けて後場に起こった。23日は午後に入って一気に1000円以上急落。24日も午前の上昇相場が一変、午後に500円を超える下げ幅となった。
一因と指摘されるのは“魔の昼休み”だ。11時半から12時半までの商い休みが後場の急落を誘発しているという。
「海外のヘッジファンドは、この時間帯に重なるシンガポールや香港市場の先物を動かし、後場の東京相場を仕掛ける。昼休み中に先物が落ちれば、後場は売られる展開になります」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)
欧米の市場にランチ休憩はない。東証も廃止すべきだとの意見は多いが、「東証は労組が強く、難しい」(同)という。これじゃあ、個人投資家はなす術がない。
<超高速取引のズルさ>
1000円を超える乱高下の背景には、1秒間に何回も取引を繰り返せる「超高速取引」の存在もある。瞬間の値動きで利ざやを稼ぐ自動売買システムで、株価の下落局面では、売り注文が売り注文を呼ぶ“危険なシロモノ”と化す。
株式アナリストの櫻井英明氏によると、「超高速取引を使えるのは機関投資家か外国人だけ。個人投資家は使えない」という。個人は大暴落に慌てて売ろうとしても、先に売られてしまうのだ。何のためにこんなシステムを導入したのか。
「海外のヘッジファンドや機関投資家を儲けさせるためです。超高速取引は世界の主要市場では当たり前になっていますが、日本での導入は3年前。このシステムがなければ外国人投資家が離れてしまうと焦った東証が決断した。その結果、中小証券の経営は成り立たなくなり、バタバタ倒産。多くのデイトレーダーが駆逐されました」(市場関係者)
個人はどうしようもない。
<ヘッジファンドの手口>
3B 3130527 大暴落した23日は出来高・売買代金とも過去最高を更新した。気になるのは、あの局面で買って儲けた連中がいることだ。慌てて狼狽(ろうばい)売りした個人投資家の陰で、プロはシタタカだったことを知るべきだ。
「売った人の買い戻しも多いのでしょうが、国内の証券ディーラーが便乗した可能性が高い。彼らは一晩を越えて“玉”を持てない。だから信用取引で高値で売り、安値で買う。プロは1粒で2度おいしい思いをしたのです」(櫻井英明氏)
前出の小林佳樹氏はこう指摘する。
「海外のヘッジファンドもボロ儲けしたと思います。『ロングショート』などと呼ばれるやり方で、売りと買い両方のポジションを取っていたのでしょう」
割高の株は売る一方で、割安な株の買いを仕込む。割安の株が上がってくれば、すぐ売る。そういう手法だ。
数少ない銘柄だけで勝負している個人にはできない芸当だ。つまり、大損こいたのは日本の個人投資家だけ。バクチで勝てるのはプロだけであることを自覚すべきだ。
1ドル=100円をあっさり突破し、その後も進む円安傾向。「明るい兆し」「(金融緩和の)効果を感じる」──大手メディアがアベノミクス礼賛に終始するなか、礫(つぶて)のような一言を発したのがスズキの鈴木修会長(83)だった。自動車業界最長老の発言が意図するものはなにか。
5月9日に開かれた3月期決算発表会。居並ぶ経済部記者を前にして、鈴木会長は声を強めた。「おい、大丈夫かと言いたいくらいの円安ですね──」
名物経営者の箴言が経済界に波紋を広げている。鈴木会長といえば、「30分の会見で3回は記者を沸かせる」(経済部記者)というオサム節で知られる。1981年GMとの提携会見では、スズキはGMに飲み込まれるのではないかとの質問に対して、「GMは鯨、スズキは蚊。鯨に飲み込まれずに高く舞い上がれる」。
2011年、独フォルクスワーゲンとの提携解消会見では、「互いに揚げ足を取るより、にっこり笑って別れるのが一番いい。あまり事実関係を言うと品が下がる」と語り、日本の経営者の矜持を示した。
ただし、鈴木会長の言葉に皆が耳を傾ける理由はユーモアのみにあらず。「勘ピューター」とも評される先見性を誰もが知っているからである。
古くは1979年、ホンダとヤマハ発動機が二輪車競争を激化させることをいち早く察知。自社の二輪車在庫を大幅圧縮し、過当競争を回避した。米サブプライムローンが問題化し始めた2007年にも、事前に1000億円分の在庫を減らし、その後のリーマン・ショックを切り抜けた。では今回、鈴木会長が「おい、大丈夫か」と円安を案ずるにはいかなる背景があるのか。
実は、円安によって、同社の経営状況が悪化しているという話ではない。同社の2013年3月期決算は絶好調。売上高は前年同期比で2.6%増の2兆5783億円。当期純利益は49.2%増の804億円で過去最高益だ。発言には続きがあった。
「この3年間なり5年間の傾向の中で、現地生産を増やすということで設備投資を、タイとかインドネシアでやりましたが、にわかに円安になったから“戻せ、返せ”といっても(編集部注・安倍政権が製造業に国内回帰を呼びかけていること)、そんな簡単に戻るわけではありません。ということと同時に長期的に見れば、現地生産の方向は間違っていないと思っています」
ここ数年、スズキは生産拠点と販売のマーケットを、先進国からインドやインドネシアといった新興国へとシフトしてきた。米国市場からは昨年のうちに四輪は撤退済み。だから、どれだけ円安ドル高が進んでも、インドのルピー、インドネシアのルピアに対しての円相場に変化がなければ、影響はほとんど受けない。
実際、自動車業界が円安ドル高に沸くなか、スズキは為替でマイナス69億円の減益を計上。それでも最高益を叩き出したことはスズキの新興国ビジネスが軌道に乗ったことを如実に示している。鈴木発言の真意を、氏を長く取材してきた経済ジャーナリストの永井隆氏が推察する。
「長年のビジネス経験の勘が働いて、現在の異常なる為替相場に危険信号を発しているのでしょう。やはりリーマン・ショック前の水準(110円台)に戻って5年も6年も定着するとはにわかに信じがたい。目先の為替変動だけで一喜一憂するのは“愚の骨頂”と考えているのでしょう」
為替の変動に業績が左右されるようでは、今後のグローバルマーケットでは立ち行かなくなることを鈴木会長は示唆しているのだ。
自民党本部は二十七日、静岡県知事選(三十日告示、六月十六日投開票)に同党静岡県連が擁立した元多摩大教授広瀬一郎氏(57)の「推薦」を見送り、「支持」としたと発表した。県連推薦となる。安倍内閣の高い支持率を背景に党本部推薦で選挙戦に臨む方針だった県連の戦略に影響を与えそうだ。
石破茂幹事長は会見で「非常に告示日が近接している。党全体として、総裁の名を冠して有権者にお願いをするのは困難との意見があった」と説明。その上で「静岡県連の努力が無にならないよう対応する」と述べ、県連の要請に応じ、党幹部らが可能な限り来県して広瀬氏を支援する意向を示した。
県連の山田誠総務会長は取材に「(党本部が推薦に)否定的だとの意見も聞いていたので、支持を歓迎したい」と評価。「推薦と支持の違いは一般的には分かりにくいが、同等と受け止めたい」と述べた。
広瀬氏と県連は計四回、石破氏に党本部推薦を要請する一方、県内財界トップの有志が広瀬氏の推薦見送りを石破氏に求めていた。党本部は財界の要請や先週末実施した独自の世論調査結果を分析し判断したとみられる。
日本維新の会の静岡県総支部の柏木健幹事長は「自民が支持にとどめたことで、維新が推薦する道理はなくなった。党本部の結論が出なければ、自主投票しかない」と話した。
一方、現職の川勝平太氏(64)の陣営幹部は「予想はしていた」と受け止める。「われわれの応援団も拡大しているが、支援の上滑りが怖い。投票行動に移してもらうよう運動を展開する」と述べた。
気温と湿度が上がってダニが繁殖しやすい季節。屋外には、国内で13人が発症した「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)のウイルスを保有するマダニがいる。だが、外出しなければOKとはいえない。思わぬところに潜む室内のダニで、アレルギーによるショック症状を起こすことがあるからだ。専門医に話を聞いた。
【開封後の粉に繁殖】
一般的に、ぜんそくや鼻炎などアレルギーの原因(アレルゲン)として、ハウスダストはよく知られている。ハウスダストは、室内のカビやダニなどだが、目に見えないそれらはどこに潜むかわからない。近年、開封後のお好み焼きの粉やたこ焼きの粉にダニが繁殖し、知らずに食べた人が、ダニによるアレルギー症状を引き起こしているという。
千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原(こうげん)病内科の中島裕史教授が説明する。
「うま味成分の入った小麦粉は、開封後に条件が整うとダニが繁殖しやすい。米国では、パンケーキの粉にダニが繁殖し、アレルギー症状を引き起こす『パンケーキ症候群』が、1993年に初めて報告されました。国内でも現在までに36例の報告があり、多くは、お好み焼きの粉やたこ焼きの粉に繁殖したダニによるアレルギー症状です」
【熱しても効果なし】
室内のダニが好むのは高温多湿の環境。気温20度~30度、湿度60-80%程度で、カビやホコリ、食品、人間のフケやアカなど、ダニのエサがあると一気に増殖する。
「条件が整えば、10週間で300倍に増えるといわれています。小麦粉やパン粉、砂糖、乾麺、みそ、チーズ、かつお節など、さまざまな食品で繁殖するダニがいるのです。繁殖したダニを含む食材は熱処理しても、アレルゲンを完全に除去することはできません。ダニを増やさないことが大切です」(中島教授)
開封後の食品は、密封して冷蔵庫に入れるなど、ちょっとした工夫でダニ予防が可能。むやみに怖がる必要はないが、これからの季節は食中毒も起こりやすいだけに、食品管理の徹底が必要。
【書籍や段ボールにも】
野山にいるマダニは、肉眼で確認できても、室内のダニは、よほど繁殖しない限り小さくて見えない。ダニのエサ・カビそのものもアレルギーの原因になる。さらに別の生き物の存在も…。
「国立相模原病院の研究では、書籍や段ボール箱などに発生するチャタテムシでも、ぜんそくなどのアレルギー症状を引き起こすと報告されています。気づかないところにアレルゲンは潜むので注意してください」(中島教授)
すでにアレルギー疾患を持つ人は、発症リスクが高い。そうでない人も、見えないアレルゲンを体内に入れ続けることで、アレルギー症状を引き起こしやすくなるそうだ。呼吸困難やおう吐、下痢、低血圧などを伴うアナフィラキシーという重度なアレルギー症状を引き起こすこともある。ショック状態になると命に関わるため油断禁物。
「食品管理だけでなく、室内のこまめな掃除や換気などを心掛けていただきたい。もちろん、身体に不調を感じたら、医療機関を早めに受診することも大切です」と中島教授はアドバイスする。
パソコンを利用する上でインターネット接続など、どの業者の通信サービスを選択したらよいのか悩むことも多い。勧誘業者は玉石混交で強引な手口で契約を勧められることもあり、さまざまなトラブル相談が消費者センターに寄せられている。
家を訪れた業者から「無線LANでネットを利用すると、現在、利用している有線回線の通信スピードが変わらずに利用料金が安くなる」という説明を受けた男性が、新たな業者の通信サービスを契約した。しかし、契約後に現在の回線の方がスピードの速いことが分かり、契約解除すると数万円の解約料を要求されている。
通信サービスにはケーブルテレビなどの有線から無線LANまでさまざまなものがあり、仕組みが複雑で利用者には理解できないことも多い。業者はそこにつけこんで「通信会社を変えれば、利用料金が安くなる」「今なら、工事費は無料」といったお得感を覚えさせるような誘い文句で、契約を勧めてくる。しかし実際には必ずしも現行の回線を変更して通信会社を変えても、安くならないことも多い。
業者から訪問や電話で勧誘された契約であっても、インターネット接続などの通信サービスは電気通信事業法の規制対象なので、8日間以内で無条件に解約できるクーリング・オフは適用されない。従って、契約後すぐに解約したとしても高額な解約金が発生してしまう。
それだけにサービス内容や接続機器のレンタル代金、解約料などがどのくらいになるのか、業者の説明後に渡される書面を事前にしっかりと見たうえで契約する。業者によっては、自主的にクーリング・オフを定めているところもあるので、契約内容を見て、そうした条項がないところの契約を避けた方が無難かもしれない。
また「このままでは、現在使っている固定電話やADSLが使えなくなる」とウソの話をして、不安をあおり、通信サービスを別会社に変更させようとする業者もいる。あまりにもしつこい勧誘や虚偽説明での契約の場合は、契約の取り消しなどの交渉ができる可能性も残されているので、泣き寝入りせずに相談したい。
いずれにしても、説明を受けた即日での契約は避けることが大事である。
■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。詐欺・悪徳商法を数多く潜入取材。洗脳・カルトにも詳しい。9月に新著「おいしい話に、のってみた “問題商法潜入ルポ”」(扶桑社)刊行。
「朝アイスで目覚めが良くなる」-。こんな研究結果を森永乳業と杏林大学医学部の古賀良彦教授が13日、発表した。朝にアイスクリームを食べると、すっきり感やリラックス効果が得られ、脳に対する高い効能があるという。
実験では、アイスを食べた後に被験者の脳波を測定した。覚醒度(すっきり感)を得られる一方で、イライラ感を抑制することでリラックス効果を得られることが分かった。氷と比較した実験でも、アイスクリームの方がリラックス効果などの数値が高かった。
古賀教授は「コーヒーなどに含まれるカフェインの効果は個人差があるが、アイスクリームは全般的に脳への活性効果が得られる」と説明した。
森永では、新たなアイスクリーム需要の喚起を狙う。タレントの眞鍋かをりさんも発表会に出席し、「朝の忙しい時間でも手軽に食べられる」と、人気商品「ピノ」をアピールした。
西武グループは、長野県軽井沢町で運営しているアウトレットモール「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」の増床工事に入った。来年夏にリニューアル開業する。今回の増床で店舗数は約50店増えて約240店となり、国内最大級のアウトレット商業施設になる見通し。
今回の増床に伴う投資額は42億円。2015年3月の北陸新幹線の開業を控え、鉄道による北陸方面からの集客も視野に入れた戦略の一環になる。
新たに出店する50店は有名ブランドなどのファッション関連をはじめ、食品やペット、ホビー(趣味)系など店舗網を充実させる計画。また「3世代で楽しめる商業施設を目指す」(同社)とし、気軽に食事・休憩ができるフードコート(500席)を新設する。
アメリカや欧州、ロシアなどから遅れること3年、今、ノルウェーではすしブームが花を開きつつある。日本人同様、ノルウェー人にとっても魚を食べることは身近だ。しかし、日本と同様、子供の「魚離れ」は深刻化しており、「ノルウェー水産物審議会(NSC)」などは「すし」に目をつけ、いろいろなPRを行うことで魚の消費を上げようと躍起になっている。
ノルウェーのすし事情を見せてくれるというので、ノルウェー首都オスロから飛行機で2時間ほどの港街トロムソのすしレストラン「Ra Sushi & Bar(http://www.raasushi.no/)」を訪ねた。出迎えてくれたのは大阪・ウェスティン内のすし店で修行したというスペイン人シェフ。日本での厳しい修行話を聞きながら、すし飯、ネタの下ごしらえなど、おなじみの作業を見守る。ところが「おなじみ」ではなかったのが、目の前のネタの箱の中身だった。日本では見慣れないマンゴー、イチゴ、揚げたナッツが用意されている。一体何に使うのか、注目していると、クリームチーズとマンゴーをのせ巻き始めた。
「えーっ!」日本ではお目にかかれない巻き寿司に、一緒にいた日本人も大騒ぎだ。どよめきを尻目に、次に準備されたのは揚げたナッツ。裏巻きの上にサーモンが巻かれ、クリームチーズと生のイチゴがトッピングされると、もう驚きを通り越して目が点になってしまう。
この“世にも不思議な”すしをホントに食べるの…?と眺めていると、隣に座っていたノルウェー人女性が解説してくれた。「ノルウェー人は魚を食べるとは言っても、生魚を食べる習慣はないから苦手なの。これはイチゴのつぶつぶの食感と、後に残る甘さが生の食感と独特の臭いを消してくれる」。
なるほど。そこまでして食べたいものなのかと、やや疑問を残しつつ、「これが(この店で)1番人気」と勧められると食べずにはいられない。恐々ほおばってみた。と、これは意外!揚げたナッツのサクサクッとした食感が楽しめて、悪くない。次にサーモンとイチゴの相性のよさに驚いた。すしに使われているサーモンは、NSCの徹底管理下で養殖され、運搬にも厳しい温度設定で空輸するため「生サーモン」で懸念される寄生虫の心配は必要ない。ややこってり感があるサーモンだが、イチゴのつぶつぶ感と酸味で後味もさっぱりとしたものだった。
日本人にウケたと分かったのか、次に「鯨」の刺身と唐揚げが登場した。ノルウェーも日本同様に捕鯨国だが、鯨肉がスーパーで売られることはほとんどない。魚専門の小売で購入することは可能だが、手に入らないこともある。一般的に鯨を食べるのか聞いてみると、「これまで食べたことがない」とノルウェー人女性。ノルウェーに住む日本人にも聞いてみたが、「積極的に食べないし、買わない」という。日本より鯨を食べることが身近ではないようだ。
そんなノルウェーの鯨の味はどうなのだろう。刺身の味、食感はともに肉に近く、ローストビーフを食べているような感じだった。この鯨の肉を使って軍艦巻きとしても提供してくれるという。唐揚げは、日本で食べたことのあるものとは少し違ったが、しょうがとガーリックが効いて日本人好みの味だった。ノルウェー女性に勧めたところ、最初はおそるおそる食べていたが、店を後にするときには「お持ち帰り」用のボックスを持っていた。
「ノルウェーですしはこれからもっと人気になるだろう」とシェフは自信満々で語る。首都オスロ、今回訪れたトロムソなど、ノルウェー各地ですしレストランは増えているという。今後の“珍すし”登場にも期待できそうだ。
競馬の払戻金への課税で、外れ馬券が経費と認められるかどうかが争われた刑事裁判の判決で、大阪地裁(西田真基裁判長)は23日、「必要経費に含まれる」との判断を示した。その上で、2009年までの3年間に5億7千万円を脱税したとして所得税法違反(単純無申告)に問われた大阪市の元会社員の男性(39)に懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。 競馬の払戻金の不申告が刑事裁判に発展するのは異例で、外れ馬券の経費算入についての初の司法判断とみられる。元会社員は無罪を主張していた。 起訴状によると、07~09年、インターネットで28億7千万円分の馬券を購入し、払戻金30億1千万円を得たとしている。
検察側は払戻金から差し引ける経費は「当たり馬券購入費の1億3千万円だけ」と主張。外れ馬券購入費27億4千万円は認めず、所得は28億8千万円と指摘。実際のもうけ1億4千万円の4倍に相当する額を脱税したとした。
弁護側は「予想ソフトを使い馬券を大量に買い、回収率を高めている。外れ馬券も収入を生む原資なので経費に含めるべきだ。課税処分は無効」と反論。本来の課税額は数千万円とみている。
さらに「国はこれまで払戻金にほとんど課税してこなかった。突如、過大な課税をし、理不尽だ」と主張していた。
国税庁は通達で、競馬によるもうけは一時所得と規定。一般的なサラリーマンの場合、もうけが年90万円を超えると申告義務が生じる。元会社員は、無申告加算税を含め約8億1千万円の追徴課税処分を受け、処分の取り消しを求める民事訴訟も起こしている。
人気SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「フェイスブック」で、男のスケベ心につけ込む新手の詐欺が増殖中だ。見知らぬ者同士が「友達」になれる機能を悪用。美女になりすました小悪党がユーザーに「友達になろう」と誘い、個人情報を盗んだり、カネを巻き上げようとしたりする。その巧みな手口とは-。
《○△×さんからFacebookの友達リクエストが届いています》
都内に住む会社員の男性(34)のもとに4月中旬、こんなメールが届いた。
男性は2年前からフェイスブックを利用。オンライン上でつながる友人の書き込みなどをチェックできるように自身のメールアドレスを登録していた。そこに見知らぬ人物から「友達申請」が寄せられたのだ。
「友達申請」とは、フェイスブック独特の機能で、友達になってもらいたい相手に承認されると、互いの書き込みやプロフィルなどが自由に見られるようになる。
メッセージを送ってきた相手に心当たりはなかったが、男性は「女子大生」というその女性の写真を思わず見返した。とびきりの美人だったからだ。
男心をくすぐられ、オファーを承認。するとすぐに《突然の申請だったのに承認ありがとうございます。なんとなく気になってしまいリクエストしてしまいました》と返信があり、若い女性らしい絵文字で《気軽にメールなどできたらいいなと思ってるのでよかったら連絡ください。×××@yahoo.co.jp》とも添えられていた。
あまりに早過ぎる展開に不安を抱いた男性はやりとりを中止した。だが、これ以来、複数の「謎の美女」から「友達申請」が相次ぎ、放置していると《あと3時間以内に返信がないと、私の心が大変なことになっちゃいます》など連絡を強要するメッセージも届くようになったという。
この「謎の美女」は一体、何者なのか。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「多くの場合、メッセージを送っているのは出会い系サイトの詐欺業者。『フェイスブック美人局(つつもたせ)』と呼ばれて最近、話題になっている。プロフィルの写真は中国のサイトなどに落ちている無名のタレントやAV女優などのものが多い。他のSNSと違って、フェイスブックにはメールアドレスや勤務先など個人情報が詰まっており、それをねらっている」と警告する。
「美女」に誘われるままに外部サイトにアクセスすると出会い系サイトに勝手に登録され、「利用代金」などの名目で法外な請求がくる場合が多い。なかには「フェイスブック上の個人情報をたどって、クレジットカード番号などを抜き取ったり、名簿屋に個人情報を売り飛ばす輩もいる」(事情通)というから注意が必要だ。
国民生活センターにも同様の詐欺被害の相談が複数寄せられている。
「今年に入ってから特に目立ち始めた。加入しているSNSに届いたメッセージに指定されたURLにログインしたら、出会い系サイトに会員登録されたという被害例が多い」(同センター相談員)
被害に遭わないために同センターでは「知らない人からの承認申請が来たら扱いによく注意する。関係のないサイトに誘導されてもアクセスしない。個人情報の公開範囲を見直す-などの対策を取る必要がある」(同)と呼びかけている。
世の中そうそううまい話はないということを、肝に銘じておいたほうがよさそうだ
血液型の特徴や占いは科学的根拠が確立していませんが、「なんだか当たっている」と思う人も多いはず。日本は4タイプの血液型がバランスよくいるため(※NPO 血液型研究センター調べ)、”血液型診断”が話題になりやすい傾向にあります。
『gooランキング』の「相性がいいと思う血液型の組み合わせランキング」によると、1位は男性O型×女性A型の組み合わせなんだとか。では、相性の悪い組み合わせ1位はどんな結果だったのでしょうか。
■男性B型×女性AB型は相性が悪い!?
同ランキングの”相性が良い”組み合わせは、
1位 男性O型×女性A型
2位 男性A型×女性O型
3位 男性A型×女性A型
で、上位トップ3はA型とO型がズラリと並ぶ結果に。
一方、最下位の16位は男性B型×女性AB型で、”一番相性が悪い”という結果がでています。