君が袖振る

はじめまして、紗佑里です。
日常の出来事や感動したことを共有出来たらと思います。

見えないものを伝える

2009-10-13 10:42:15 | Weblog
日本経済新聞10月12日(月)祝付け朝刊の文化欄に
『花毛布』の紹介がありました。
客船の黄金時代に欠かすことの出来ない
客室サービスだったそうです。

写真はお正月に飾られる松竹梅。
私は写真を見るなりそばにあったひざ掛けを引き寄せ折り始めました。
でも、写真手前の松を折った時点で毛布でないと折れないとわかったので
毛布を引っ張り出してきました。

いろいろ帯結びをしていると、大体のひだの取り方が
想像できるので形にはなりましたが
『1枚1分弱の職人芸』
と記事にあるようにはいきませんでした。(当然ですが・・・)

また次の部分を折るときに先に折った部分が
崩れてこないように解説通り
『手先と腕とひじの素早い動き』
が必要なのもよく理解できました。

『毛布も純毛の薄手のものを使い』
とも書いてありましたが、うちの毛布では
竹の部分が写真のようにしっかり立たないので
毛布の素材にも左右されることが確かに感じとれました。

別名
『飾り毛布』
このもてなしの為の毛布を
『寝具用とは別に発注していた』
との一文にも感動しました。

海外にも毛布やバスタオルを使って
花や動物を作りベッドに飾るサービスがあるそうですが
残念なことに姿を消しつつあるようです。

飾り毛布の《技術》と共にこの《もてなし》の精神が
伝承され続けることを
強く望まずにはいられない記事でした。

晋山式(しんざんしき)

2009-10-05 15:41:31 | Weblog
本日2回目の更新です(笑)。

昨日4日(日)は早朝より3名の出張着付けがありました。
大安ですが結婚式ではなさそうです。色無地2人、訪問着1人。

お寺に新しく住職が入られる時のお祝いを『晋山式』というそうです。
この歳になって初めて聞き知りました。
その時に新しいご住職の親代わりになられる方が必要で
着付けに行かせて頂いたお家が親家を引き受けられることになり
今日は杯を酌み交わされる日でした。

この日は親家の女性だけの着付け依頼でしたが
本番の11月1日には親家の男性も親族の方も
紋付袴、留袖を着用され午前8時までに合計9名の着付けを
させて頂く事になり着付け後打ち合わせをさせていただきました。
もちろん応援を頼むことにしました。

その間に次々と親族の方もやって来られ
現住職さんと一緒に新しく住職さんになられるお坊様とそのご家族が
お見えになりました。

当日はこの親家からお寺まで現住職、新住職とみなさんが
歩いて行かれるそうです。
晴れていたらお稚児さんも出られるとのことです。

重要な仕事をいただきました。
当日まで練習を重ね精進する所存でございますっ!!

※写真は現住職さんと新住職さんが親家に入られるところ。
 もうひとりはお父上か?


よく遊び、よく学べ

2009-10-05 11:53:58 | Weblog
3日(土)に午前午後と2クラスの子ども礼法教室があり
助手のひとりとして参加させていただきました。
お稽古前に浴衣を着て園児は簡単な兵児帯を結び
児童は半巾帯、角帯を結びます。

いつも帯結びでみんな苦戦しますが
午前クラスに来ている5年生のタカヒロくんは
サッと浴衣を着て角帯もチャチャッと結んで
正座してみんなが着終わるのをまっています。

『すごいっ!』(紗佑里心の声)

午前クラスの学習内容は『お抹茶』でした。
復習を兼ねた《お箸の使い方》と
新たに《お茶の頂き方》をお稽古しました。

回ってきた器やお皿から懐紙にお菓子を頂く時の
お箸の使い方をひとりずつ指導させて頂きました。
(お菓子には十五夜の月見だんごとお饅頭が出ました。)
子どもたちが忘れたり迷ったりしたときだけ声がけをしました。

タカヒロくんには最後に一言だけでした。
『完璧ですっ!』

『かっこいい~!』(紗佑里心の声)

お抹茶もお出しする私の方が緊張するくらい
背筋を伸ばして少し屈体してとても落ち着いて
受けられました。この時はタカヒロくんから一言。
『ん?ちょっと薄いかなぁ?』
『あっ、わかったぁ?お抹茶初めての子がほとんどだし
 苦いといけないから薄めに作ってくださったの。』
納得してうなずいてくれました。

『めちゃ、大人やん!』(紗佑里心の声)

でも自分の番が終わるとリラックスしたり
お稽古が終わると元気な普通の小学生です。
私はこの『けじめ』がすばらしいと思いました。
  
タカヒロくん、あなたとの今日の出会いは
私にとって大きな収穫でした。




中秋の名月

2009-10-03 09:01:56 | Weblog
本日3日は十五夜、中秋の名月です。
『芋名月』とも言うのは
私達の祖先が農耕民族で月の満ち欠けで生活していて
月を大切にしていたこと、
稲作以前の主食であった芋類の収穫祭の特質を持っていたからだそうです。

また、ひと月遅れで収穫できる豆や栗も大切な主食だったそうで
『豆名月』『栗名月』として十三夜(30日)も
中秋の名月に次いで美しい月とされており『後の月』と言われています。

稲作が始まるとお米で作る団子をお供えして
収穫を感謝したそうです。

両方の月を見られたなら『二夜の月』
片方しか見られなかったら『片見月』・・・

このときこの歳になって初めて気づいたのです。
田畑をやっていた祖母から教えられた月に手を合わせて
『まんまんちゃん、あん!』
という言葉が感謝の意味だとこうことを・・・。

今日は良いお天気になりました。
秋の月は大陸からの空気が乾燥しており
とても美しく見えるのだそうです。

お団子やススキを設えて
久しぶりに『まんまんちゃん、あん!』やってみようと思います(笑)。

※写真は学校の教室のものです。
 秋草は籠に生けると風情がでるそうです。