「和解マンの ”まえぶれ” 」
集合場所に駆け寄る「斎元」と田川は、20名~30名程の、
今 集い始めた人たちの中に、共通して流れる意識があるように感じた。
ー 和解マンって、どんなん?? -
集合場所の「京阪モール・シャッター前」のバインダーを持った
スーツの男は、集い来る人々の人数を何度も数えては
携帯電話で誰かとやり取りをしている。
「なあ、よしお、ここに集まって来てる人たちって、
おまえみたいに、 ”和解マン” ってキーワードが
どうしても気になって来て見たってパターンが多いんとちがうかなぁ?」
「うん、あそこの3人組みの女の子達も、そんな話ししてるみたいやわ」
高校生くらいから、20代、30代、40代、集う人の年代はバラバラだったが、
意識のどこかに ”和解マン” というキーワードを焦点にしている
人が、少なからずパラパラといる様に思えた。
確かに、「時給1600円」を焦点に集う人の方が大多数だろう。
しかし、 ”和解マン” が云々という ”ひそひそ話し” が、
そこかしこから聞こえて来る事も確かだ。
人だかりの中心にいるスーツの男に歩み寄った「斎元」と田川は、
「電話しました、斎元です。」 「田川です。」と、
自分達が来た事を告げると、スーツの男はバインダーをボールペンで指差し、
「ええ~、さいもと、さいもと、あ!斎元さんと、田川さん、ですね。
お疲れさまです。」と、バインダーの名簿にマルを付けた。
「現場の責任者が来るまで、まだ時間がありますから、
もうしばらく、この近くで待っていて下さい。」
と言った。スーツの胸には「ヒューマン・ワークス誰々」のネームプレート。
少し離れてたばこに火をつけて「あれは、ヒューマンの役員やな・・・」
と「斎元」。
「現場責任者ってのが ”和解マン” ??かな?」
田川もたばこに火をつけた。
「斎元」たちがたばこをふかしている反対側の駐輪場で、
「ガシャン!ガシャン!」という物音。 それは自転車が横転する音だが、
通りの騒音のうちの一つにしか聞こえない程、ここは賑やかだ。
「おいおい、も~やめてや・・チンピラさん!」
迷惑そうに「斎元」。
「さっきのタトゥーのおっちゃんやな、リュックの・・・」
田川が思い出したように「リュックの”中身”・・出てきたかな?」
と「斎元」とは違う所に意識が向く様子。
「ここからやったら遠くてわからんな、リュックの中身・・」
とリュックもチンピラもどうでもいい「斎元」。
「とりあえず、何んも悪させんと、帰ってくれたらいいねん!とりあえずな!」
「 ”騒ぎ” を起こしてくれても おもろいかも!」
「いや!いらん いらん!!」
「そら」は「カイ・ヘビ・Hiたかお」を見送った後、うとうとしていて、
何んの気なしにふっと目覚めて、思い出した。
「あ!おれ、シャワーしてない・・」
と ぱさぱさの髪をかきあげて、その手をにおって見る。
「・・・・・くさくはない、でも、はいろかぁ、な」
言いながら「なないろ特設」の、浴槽のないシャワー室の鏡の前。
「んっ??? ”お” ”れ” んん???」
鏡に映った「そら」の、寝起きで赤い ”かた” のついた頬に、
大きな黒いマジックの文字で ”おれ” と書かれてある。
しばらく考えて、頭に浮かんでくる言葉を打ち消すように、
「いやいや・・ ”おれ” は ”おれ” やろ??
なんで、 ”おれ” に ”おれ” って書いてあるんや??
”おれ” は ”おれ” って分かってるから、 ”おれ” なんて書かんでも、
だいじょうぶやろ・・・・な、なんでや??しかも、めっちゃ でかい字!!」
一瞬、ハッとして、「あっ!!ネコ!!ネコやな!!ネコにやられてる!!」
舌打ちしながら腕に目を落とすと、
「ああっ!! ”手” もやられてるで!! ”も行く” ・・・・・??
”も行く” ??って何や? ”おれ・も行く” や!!つなげとるで!これ!」
鏡の前で、ぼそぼそと語る「そら」の足元で「ゆきりん」がクスクス笑っている。
「あはは!!そらくん!それ、そらくんが自分で書いたんだよ!!
”おてて”に書いた字が「おれ」だけ”お顔”に付いちゃったのね~!!」
「ええ?? ”おれ” が ”おれ” に??」
「そうそう!カイさん達と一緒に行くって、忘れないようにって!!」
「あっ!ああっ!!!」
1分後、 「なないろ」の廃材置き場で、「そら・ゆきりん・ぽち」の
出動の気配に満ちた、スクーターのエンジン音が響いていた。
私の妹の旦那は大の風呂嫌い。
何日も風呂に入らなくて平気な人です。
ここへ(私の両親の家)にも何度も夜中にやってきて、
何度勧めてもなかなか風呂に入ろうとせず、
夜中の2時過ぎに風呂にやっと!入ってくれるひとでした。
一応、「お客」を迎えている私たちは、この方が風呂に入って床につくまで、寝ることすら出来ず、甥っ子の子育て中、大変迷惑していました。とてもとても疲れて・・・。
新婚の妹夫婦がアパートで暮らしていたとき、あまりに風呂に入らない夫だからと、寝ている時にマジックでいたずら書きをしたそうです。
恥ずかしくて仕事へ行けないでしょ?
だから風呂にようやく入ったのだとか…・。
笑い話ですよね。
そらくんの場合は、忘れないように書いたんだよね。
頑張ってるね!
和解マンって、どんな人なんだろう。
大変興味をそそられます。
でも、子供とお風呂に入るのが至福の瞬間の僕も、最近は出勤時間が早朝で帰りがけっこう遅くなるパターンが多く、「寝坊」を避けるため、取りあえず「寝る」。で、起きれたら、朝に「お風呂」、みたいな感じが多く、結局入れずにお仕事
何日も・・・はさすがに気持ち悪いですね
頑張っても3日
そうそう、そらくんはHiたかおくんのアドバイスで「手」に「おれも行く」って書いといたんですね。それがうとうとしている間に「おれ」という字だけが顔についていた、という、ちょっと可愛げのあるエピソードでした
もともとの原稿はいくつもの話しがだだ~っとつながっているんで、書いている僕は分かっているんだけど、それを分割してUPした一個の話しだけを読むと、分かりにくい、ですね
今、こそっと、手直しを入れました(笑)
ー和解マンー
どんな人なのか? だいたい「人」なのか、何んなのか??という所で楽しんでもらえれば、という和解マンです(笑)。
ちょっと、ミステリアスな感じにできれば、と思っています
最近、僕の時間的な問題で、なかなかそちらに伺えていない中でのコメント、本当に痛み入ります。
”めっちゃ”ありがとうございます!!
気になってお邪魔できてもコメ置いて帰るゆとりが
ありがとうございます