白秋ながや文庫

日々の徒然。

白秋の坂

2013年10月26日 | インポート

青春の登り坂は傾斜が急だ。

たとえ獣道でも迷い道でも

全力で挑めば答えはついてくる。

輝かしい幸運や時には分厚い壁の挫折も

走り去るカタルシスである。

朱夏の坂は王道が開けてきたり、踊り場に佇んだり

それでも坂の上にある雲は流れながらも

白く輝き待っていてくれる。

白秋の坂は下り坂だ。

何処が頂上の雲だったのか

振り返った自分の影の上に

雲はゆうゆうと流れている。

 雨に打たれ、冷え切った体に

風は容赦なく嘲笑する。

ボロボロに傷ついた心と身体でも

奮い発たせて歩くしかない。

つまずいて転げ落ちれば

屍と化す。

ふいに振り返った雲の隙間に天使の梯子がさしていた。

 

 


こんばんは

2013年10月09日 | インポート
今日は吉凶混合の日でした。吉は敬愛するk原氏とひさびさに電話でお話をした。凶はモラハラの憤りで憤慨と落胆で書きたくも無い。こんな時流行の言葉では100倍返しだ!と言いたい所だが同じ土俵に乗るのはよそうと腹に収めると同時に人生初めて無縁のものとしようと覚悟した。唯一の救いは不機嫌な思いをしたあとに自宅にもどってから知人のI田氏とK原氏とひさびさだったが電話でたわいもない話(凶の愚痴はこぼさず)や近況報告の話題だった。

詩「人生の音階」

2013年10月01日 | インポート

人生の音階
                 

聖 子門


ドレミフアソラシド
土霊実葉空死土
自然の音階が聴こえる

 

 

 

土に霊が吹き込まれ
実がなり、
葉がひろがり
空に向かって
手の平を拡げ
死への時を待つ
土に又帰る
人間だってそうさ
おぎゃー
泣きながら
生まれてきて
死へと向かって歩き始める
一所懸命に生きているつもりが
生かされている
空に向かって手を
精一杯に広げ
やがて
実を残し、
葉を遺す
それを
人はそれぞれの人生と呼ぶ

 

 

いつまでもあると思うな親と金
無いと思うな運と災難

 

 

不確定な人間が
不確定な明日を
知ったかぶりなんて
とんでもないことさ
実も
葉も
花も
やがて落ちて
土に帰る

だから
メジャーコードでも
マイナーコードでもない
自然体で
今を生きて
ゆだねる

土霊実葉空死土
ドレミフアソラシド

それが人生の音階さと思いたい


 

天使の梯子


詩 「こうげがらす」

2013年10月01日 | インポート

こうげがらす   

聖 子門

春は菜の花、揚げひばり

今日は妹のひな祭り

さげもん手毬のうつくしか

夏はワシワシにホンナイとり

ほんなーい。ほんなーい。ほんなーいよ。

夜は花火に蛍狩り

蚊帳に香取の匂いする

秋はおにぎえ、どろつくどん

ヒューヒュードガーンドガーン

露店のカンメラうまかなあ

冬は凧揚げラムネン玉

三柱神社で兄ちゃんと

マルパチ、シカパチたのしかなあ

コウゲガラスが遠くでないている

かえりたかあ。ほんなこつ、かえりたかあ

 

 

 


詩「水の幻郷~柳川」

2013年09月06日 | インポート

  水の幻郷~柳川
                   聖 子門

 

   ビルの谷間、けぜわしく送る日々
 ひと時を忘れ、乗り込む下りの汽車
 

 つかの間の盆帰り
 

 二つ川の照り返しに水のかほり

 三柱神社をトボトボ歩けば、わしわしの蝉時雨

 ドイから空を見上げれば降りそそぐ星屑
 

 つかのまの盆帰り
 

 提灯を片手に盆参り
 

 蚊帳の外に回る灯篭

 ゆらりゆらり
 

 夜店が並ぶ盆祭り
 

 ふらりふらり
 

 僕の周りに流れる

 懐かしい里訛り
 

 よかやっかんも、そうかんも
 

 ああ時の川下り
 水の幻郷柳川