セロ弾きのゴーシュ  

    ~思い出はゆりかご~

22年前の本・永沢まこと著【絵を描く、ちょっと人生を変えてみる】

2024-10-19 11:44:18 | 
こんにちは。
先日のペンで描く水彩画教室で先生から紹介された本のご紹介です。
先生の師匠であった永沢まこと氏の【絵を描く、ちょっと人生を変えてみる】という本です。



22年前の本です。
アマゾンにて中古本で購入しました。
中古本でも状態は良く、手元に置いていつも読めることに感謝です。


ペン1本でいきなり描く魅力が伝わってきます。
絵を描くという手段こそ、人間に与えられた感性を解き放つカギだと。


表紙の裏には折りたたまれた素敵な絵も。
すごい本ですよね!
当時1,500円の定価のものを、中古本でしたので900円で手に入れました。
いい買い物をしました~♪


奄美大島でのスケッチ。
力強いペンの線が本当に素敵です。


最後章の『線は時空を超えて』が良かったです。

~以下抜粋~
ニュートンという人は万有引力の法則を見つけた人ですが、これによって近代の宇宙観を切り開いた人でもあります。彼によって、「この宇宙は、タテ、ヨコ、高さの三次元空間と、時間とによって成り立っている」ことが明らかにされました。また、宇宙のどこへ行こうと1メートルは1メートルであり、そこに流れる時間はどこであろうと1時間は1時間と不変であるということも明らかにされました。
ニュートン的な宇宙感が、それ以降、20世紀にいたるまでの科学文明の発展のもとになったのはご存じの通りです。
芸術の分野も、この科学の法則にのっとって発展することになりました。三次元立体である石膏の円錐形やらギリシャ彫刻などを置き、「科学的」に正しい石膏デッサンをおこなうようになったのです。
ところがです。
20世紀に入り、ニュートンの宇宙観は間違っている、ということが「ドッカーン」と証明されることになりました。
まず、ミンコフスキーの四次元宇宙説が現れ、つづいてアインシュタインの相対性理論が登場したのです。
「この宇宙は、三次元に時間軸を加えた四次元空間によって成り立っている。しかも、空間と時間も一定のものではなく、伸びたり、縮んだり、はたまた歪んだりする」ということです。
おまけに、ニュートンが絶対不変であるとした、モノの質と量だって、ほんとは相対的に変化するのだというのです。
三次元だと思っていたこの宇宙は、四次元連続体という「時空」だということになったというわけです。数百年の間、信じられてきた神聖な定義がひっくり返されてしまったのです。私はこのことを知ったとき、「やったぜ」と思いました。ついに「線」の出番がやってきたのだとも思いました。
そして、かねがね「もっともらしいけれど、好きになれない」と思っていた、石膏デッサンによる「光と影」の描き方が、もはや過去の方法論だということがこれで明らかになりそうだからです。
もともとあれは「感性」を無視した「知性」中心の描き方です。「知性」で描く方法は、所詮同じ「知性」が生み出したCGなどの科学的方法に、今後その地位を奪われていくことになるでしょう。
「線」の時代がやってくるとすれば、「知性」によって何世紀ものあいだ閉じ込められていた「感性」の出番がついにやってきたことを意味しています。
なんてったって、「線」は時空を超えて飛んでいくのです。人もロケットも行けないところまで私たちは行くことができるし、生きてたって死んだって関係なく私たちは飛びつづけることができるのです。~以上~
 ◆
永沢まこと氏は2022年1月8日に残念ながら85歳でお亡くなりになりました。
「線」は時空を超えて飛んでいくのです。生きてたって死んだって関係なく私たちは飛びつづけることができるのです。という最後の言葉が胸の響きました。
上手くなりたければ、とにかく何百枚も描くこと!という言葉には胸が痛い!私でした。

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小林聡美さん著【わたしの、本のある日々】は読んでみたい本が沢山増えました~♪

2024-09-09 16:00:04 | 
こんにちは。
小林聡美さん著の【わたしの、本のある日々】をタブレットに取り込んで読みました。


とても読みやすかったです。
小林聡美さんの本に対する視点が楽しくて圧もなく、すぅ~と入ってくるのが心地良かったです。
私がまだ読んだことのない分野の本にも興味を持たせてくれる小林聡美さんの筆力が凄い!
読みたい本が一気に増えました。



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中野信子さん著【科学がつきとめた「運のいい人」】分かり易くて読みやすいです

2024-02-23 16:57:07 | 
こんにちは。
三連休の初日、冬の寒さがぶり返したようなお天気ですね。
こんな日は読書が一番ということで、中野信子さんの【科学がつきとめた「運のいい人」】を一気読みしました。



中野信子さんの本は私にとって、とても分かり易くて読みやすいです。
気が付けば最近、何冊も読んでいます。
検証実験のデータ等を載せてくださるので説得力があります。
今回も納得出来る内容で、日々のモチベーションも上がりました。
”自分のものさし”(価値観や思考)を持つことの重要性を改めて実感し、今の自分を信じてやっていっていいんだと背中を押してもらえました。

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今年最初の本は内田也哉子さんの【BLANK PAGE】

2024-01-29 08:29:33 | 
おはようございます。
新年になって早くも一ヶ月が終わろうとしています。
時が経つのが本当に早いですね。
さて、今年最初に読んだ本は内田也哉子さんの【BLANK PAGE】です。


ご存じの方も多いと思いますが、内田也哉子さんは樹木希林さんと内田裕也さんの一人娘さんです。
私が内田也哉子さんがただ者ではないと認識したのは、ご両親の葬儀の際に喪主である也哉子さんのご挨拶を文面で読んだ時からです。
ありきたりの挨拶ではなく、選び抜かれた洗練された言葉で、ご自身の心情やご両親のことを語られ、こんなに素敵な喪主の挨拶があるのかと感銘を受けました。
私の喪主挨拶とは雲泥の差!(笑)
この間、NHKのあさイチに也哉子さんが出演されていて、この本が紹介されました。
話し方も落ち着いていらして素敵でした。
ファンになっちゃった!(笑)
【BLANK PAGE】はそれぞれに魅力のある方との1対1の対談をもとに、也哉子さんならではの言葉で感性が光る本でした。
生きること、死ぬことについて書かれた本で、私は最近、人がどういう考えで生きているのか、どういう死生観を持っているのか、ということに興味があるのでとても面白かったです。
文章も也哉子さんのように落ち着いていて素敵でした。


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カズオ イシグロさんの【わたしを離さないで】独特の読後感がありました

2023-05-23 10:33:43 | 
こんにちは。
カズオ イシグロさんの【わたしを離さないで】を読みました。
2017年にノーベル文学賞を受賞されたことで、私はそのお名前を知ったしだいです。
これまで、カズオ イシグロさんの本を一度も読んだことがありませんでした。
たまたま何か読みたいなと思っていた矢先、新聞に紹介されていたので早速、電子書籍に取り込んで読みました。


主人公の丁寧な語りで、主人公が育った施設ヘールシャムの話から始まるのですが、読み進むにつれ謎めいたミステリーみたいになっていきます。
介護人や提供者という言葉が出てくるのですが、私にはそれがどういうことか分からないまま物語が進んでいきます。
主人公たちが大人になるにつれ、彼らが臓器を提供するために創られたクローンであることが分かり絶句しました。
臓器を何回か提供したあとは死が待っています。
その運命を受け入れながら使命を全うする主人公たち。
クローンと言えども幼い頃から教育をきちんと受け教養もあり、感情も繊細です。
そうして育った子供たちの運命が重すぎました。
読み終えたあとは、得たいの知れない黒い闇と寂寥感が胸に広がっていました。
こんな感情が湧き上がって、体にいつまでも残る本作品は素晴らしいと思いました。

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