おはようございます。
フォローさせていただいているブロガーさんが紹介されていた本です。
小松由佳さん著の【人間の土地へ】
世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳さん。
この本を読むまで知りませんでしたが、凄い方なのですね!
しかも、私の長女と同い年とは。
登山は別世界で、難しいのかなと思って読み始めたところ、読みやすく、その世界にすぐさま引き込まれました。
第1章は、K2登頂の場面から始まるのですが、自分も一緒に登っているかのような臨場感があります。
生きて帰れる確率が非常に低い厳しい山の中で、自分の判断と感を頼りに標高8200メートルでビバークし、無事下山に成功します。
感動で涙が止まりませんでした。
偉業を成し遂げた小松さんのその後が大いに気になりました。
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第2章からは、その後の小松由佳さんのこと。
中国からユーラシア大陸を旅しながら写真を撮り、シリア沙漠で遊牧民の一家に出合います。
その一家の12男坊ラドワンと恋に落ち、結婚を考えるようになった矢先、シリアの内戦が始まります。
シリアを含む中東の内戦は、同じ地球上で起こっていることとはいえ、よく分からず、見て見ないふりをしていました。
シリアがなぜ内戦に巻き込まれたのか、本書を読むことで私にもやっと少し理解出来ました。
宗教、政治などが複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない状況によって内戦が起き、牧歌的で平和な生活をしていた市民がなぜ、住み慣れた土地を追われ、難民にならなければいけないのか。
難しい問題ですが、小松由佳さんの文章によって、ご自身の体験談とともに非常に分かり易く身近なものに感じながら読み解くことが出来ました。
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人は生まれ育った土地によって、生き方も価値観も違う。
本書を読んで、それがいいか悪いかではなく『そういうこと!』とストンと体の中に落ちた気がしました。
小松由佳さんとシリア人のラドワンさんも、価値観が真逆なわけで、結婚後どうやって折り合いをつけていくんだろうと自分の娘のように心配になりましたが、偉業を成し遂げた人はやはり凄い!
視野も心も広大で強いです。
生きる勇気と力が湧いてくる、素晴らしい本でした。