Set me free!!!

storytellerです。本当に短い物語を書いたり、思い出話や日常の諸々について綴ります。

面影

2024-09-30 15:56:56 | 物語

所用で出かけた先で、喫茶店に入った。

ふと隣の席を見ると、男性が一人コーヒーを飲んでいる。

その横顔にかつての恋人の面影を重ねて、鼓動が高鳴った。

 

彼もコーヒーが大好きで、一日に何杯も飲んでいた。

「そんなに飲んだら胃が悪くなるわよ」というわたしの声に耳を貸さず。

彼の影響でコーヒーを飲むようになったわたしのほうが、胃の調子を悪くした。

 

わたしの心変わりで彼に別れを告げたのも、こんな雰囲気の喫茶店だった。

彼は、わたしの言葉が理解できないかのように、驚いた顔で黙っていた。

別れ際、「今までありがとう」と言ってわたしの手を握った彼の、悲しそうな顔が忘れられない。

あの喫茶店で、わたしはコーヒーではなく、普段飲むことのない紅茶を注文したのだった。

それ以来、わたしは紅茶党になった。

 

遠いむかしの恋の思い出。

気が付くと、隣の席には誰もいなかった。

男性が喫茶店を出たことに気づかなかったほど、

わたしはもの想いに耽っていたのだった。



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1 コメント

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Unknown (xxkaminosizukuxx)
2024-09-30 18:06:16
ぐあああああああああああああ(/Д\)
土下座しても引き止めるでしょうにー💦
私ならそうします

いろいろあった事でしょうが、思い出話しに私はこころ打たれました
(:3_ヽ)_
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