所用で出かけた先で、喫茶店に入った。
ふと隣の席を見ると、男性が一人コーヒーを飲んでいる。
その横顔にかつての恋人の面影を重ねて、鼓動が高鳴った。
彼もコーヒーが大好きで、一日に何杯も飲んでいた。
「そんなに飲んだら胃が悪くなるわよ」というわたしの声に耳を貸さず。
彼の影響でコーヒーを飲むようになったわたしのほうが、胃の調子を悪くした。
わたしの心変わりで彼に別れを告げたのも、こんな雰囲気の喫茶店だった。
彼は、わたしの言葉が理解できないかのように、驚いた顔で黙っていた。
別れ際、「今までありがとう」と言ってわたしの手を握った彼の、悲しそうな顔が忘れられない。
あの喫茶店で、わたしはコーヒーではなく、普段飲むことのない紅茶を注文したのだった。
それ以来、わたしは紅茶党になった。
遠いむかしの恋の思い出。
気が付くと、隣の席には誰もいなかった。
男性が喫茶店を出たことに気づかなかったほど、
わたしはもの想いに耽っていたのだった。
土下座しても引き止めるでしょうにー💦
私ならそうします
いろいろあった事でしょうが、思い出話しに私はこころ打たれました
(:3_ヽ)_