お墓と供養の新時代

北海道札幌において、お墓納骨堂を中心とした終活全般について綴っております。

孤独死~世代女性に静かに波紋 元タレント・飯島愛さんの死

2009年02月27日 | Weblog
世代女性に静かに波紋 元タレント・飯島愛さんの死

2009年2月25日(水)18:00
 元タレントの飯島愛さん(享年36)が亡くなってから2カ月。その死は、30~40代の働く独身女性に衝撃を与え、今も静かに波紋を広げている。一体、飯島さんの何に自らを重ね合わせたのだろうか。【山寺香】

 ◇「この先も独身で、もし仕事もやめることになったら」「あなたの寂しさ、いたいほどわかります」

 ◇「愛」という孤独に共感

 飯島さんがネット上で公開していたブログ「ポルノ・ホスピタル」。昨年のクリスマスイブに遺体となって見つかって以降も、死を悼む書き込みが続き5万件近くに上る。

 「あなたの寂しさいたいほど、分かります」

 「愛さんのように友人がたくさんいて優しい人が孤独と呼ばれるのだったら、私は一体どうなるのだろう」

 ハンドルネーム、内容から判断するとその多くが飯島さんと同世代の女性が書き込んだと見られる。

 東京都内の編集者、中村綾子さん(34)=仮名=は、それまで特に飯島さんに注目していたわけではない。けれども自分でも不思議なほど深いショックを受けた。「どうして死んだの? かわいそうすぎる」。中村さんは飯島さんのブログにアクセスした。そこで飯島さんのこんな一文に目を見張った。

 「時々、急に、寂しくなったりしませんか?」

 「だって寂しくねーか? 一人じゃ生きていけないんだモン」

 中村さんが自分のブログに書いている内容と同じだった。胸を突かれる思いがした。

 都内に住む1級建築士の石原みずきさん(35)=同=も、飯島さんの死にショックを受けた一人だ。飯島さんの服装や髪形などのファッションが好きだった。言いたい放題言っているようで相手に気を使わせないトーク術は、仕事上で参考にもなった。飯島さんは、同年代で等身大の身近な存在だった。

 石原さんは当初、飯島さんは自殺ではないかと考えたという。欲しい物は手に入れたが、パートナーだけは手に入れられず孤独だったのではないかと思えたのだ。

 「飯島さんは美しく性格もよさそう。友達もたくさんいた。普通の女の子でも頑張れば手が届きそうな理想型に感じられた。でも一人だった……。これ以上どう頑張ったら一人を抜け出せるの?」

 石原さんが孤独を意識するようになったのは、30歳を過ぎたころだ。仲の良い女友達と食事をしても、一人暮らしのマンションに帰ると孤独感に襲われるようになった。それは年々強まり、息苦しいほどの恐怖に変わっていった。やっと解放されたのは、1年半ほど前。将来を思い描ける男性に出会った時期と重なる。「もし今も一人だったら、飯島さんの死をこんなに冷静に語れなかったかもしれません」と言う。

 自身の「孤独」を飯島さんの生き方に重ね合わせていたのか。飯島さんともほぼ同世代のエッセイスト、辛酸なめ子さん(34)は飯島さんが05年から亡くなるまで書いてきた「ブログ」をキーワードに飯島さんの「孤独」をこう推し量る。

 「私もブログを開設しています。つながりたい欲求があるからです。誰かが共感してくれたらいいと思っている。コミュニケーションの代わりかもしれません。友達のブログを読むと、会わなくても何となく『元気だな』って分かった気分になってしまい、直接言葉を交わすことはますます少なくなる。よけい人間関係は希薄になってしまっているのでは」

 そして続けた。

 「同世代の女性が飯島さんの死に動揺するのはごく自然なことだと思います。都会で女性が一人で生きていくのは大変なこと。飯島さんの孤独死は、その厳しさを意識させたのではないでしょうか」

 30~40代の独身女性が強い不安や孤独を感じるのはなぜか。女性の心理に詳しい原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子さん(臨床心理士)は「一般的にこの世代の独身女性は容姿の衰えや出産能力の低下を意識せざるをえない」と指摘する。

 女性の社会進出が進み、昔に比べると選択肢は飛躍的に広がったかに見える。一方で、30歳を過ぎれば仕事よりも結婚を期待する親や世間の圧力も変わらず存在する。信田さんは「結婚が女性にとって最大の関門であることは依然として変わらない。選択肢が増えた分、選んだツケは自分で払うことになる」と話す。

 女性たちに衝撃を与えたのが「孤独死」だったようだ。

 名古屋市に住む精神保健福祉分野の相談員、吉川飛鳥さん(29)=同=は仕事柄、結婚後の生活に悩む女性の姿も多く見てきた。それだけに<独身=不幸>とは思わない。しかし、孤独死は人ごととは思えなかった。仕事にはやりがいと誇りを感じているが、このまま独身で働き詰めだったら将来はどうなるのか。以前から漠然とした不安はあったが、30代の飯島さんの死で不安は具体的なイメージを持つようになった。

 「この先も独身で、もし体を壊して仕事を辞めるようなことになったらどうなるか。自分と社会とのつながりが何もなくなってしまうのではないか。職場でどんなに親しくしていても、仕事を辞めたら連絡を取る人はいなくなるのではないか」。そう考えると怖さを感じたという。

 「孤独のチカラ」の著書がある明治大学教授の斎藤孝さん(教育学)は、「飯島さんは芸能界で活躍し交友関係も広かった。その華やかなイメージと、寂しい最期のギャップが衝撃を大きくしたのではないか。普段から孤独な人でなくても、いざという時に頼りになる人間関係が意外に少ない事実を突きつけられたのだろう」と分析する。

 話を聞いた3人の女性は、いつも孤独を口にしているわけではない。それどころか、みんな自信にあふれて見える。一人は「『寂しい』なんて普段は口にしない」と話した。信田さんが指摘するように「飯島さんは『死』をもって女性たちに実存的な問いを投げかけた」ということか。

 「死ぬときは結局一人なんですよ」。斎藤さんはそう口にした。独身か既婚かにかかわらず、もちろん男女の別もなく、誰もが孤独を抱えて生きている。普段なかなか口にできない寂しさを率直に表現した飯島さんに、心を揺さぶられる人も少なくなかったのかもしれない。


孤独死というと、高齢者の独り暮らしというイメージを持つ場合が多いと思う。

明日は、我が身。
孤独は、社会の中にも、家族の中にも、男でも女でも、どんな年齢層にも関係ない。
考えたくないことに、フタをしているに過ぎない。
いつも孤独は、紙一重。

生涯現役だとか、アンチエイジングだとか、
孤独は淋しいだとか、孤独死は淋しいだとか。

人は日々死に向かって生きているに過ぎない。
そう。
人はいつも一人。孤独。
死ぬ時は、常に独り。
誰かを巻き添えにして死ぬわけにはいかない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿