冥加金と永代使用料

屋外にある霊園の場合、
墓所の使用料としての永代使用料と墓石工事代金と管理費等の諸経費が必要になる。

それに対して、納骨堂の場合は、
納骨堂使用料として、冥加金という名目のケースがある。

その意味合いは、ほぼ同じだと推定されるが、
冥加金の本来の意味は、幕府や藩に対する租税であり、寺院に対しては謝礼つまりお布施の意味。

現在、納骨堂では永代納骨が主流である。冥加金という意味不明な項目より、永代使用料の方がわかりやすいのではと考える。


地震対策について考えて見る。
墓地の場合は、上記のように墓所の使用権と墓石工事の二つの混合した契約になる。
墓石工事に関しては、施主が施工業者に依頼いたことになり、その墓石は施主の所有物になる。
通常、自然災害に関しての保証はされないため、地震で墓石が損害を受けた場合、自己負担で補修しなければならない。

納骨堂の場合は、永代使用料または冥加金などその名称は異なるが、納骨堂の使用権を得ているに過ぎない。
そこに使用権者の所有物は存在しない。仏具くらいである。
つまり、地震で建物及び納骨堂が損害を受けても、使用者のものではないため、補修を要することもない。
納骨堂の管理者が補修する義務を負うと考えられる。


「永代」という言葉にも、誤解が生じることがある。
永代＝永久ではないこと
民間に限らず、公営であっても、形あるもの全て永久は存在はしない。
諸行無常。

だが、そこで問題になるのが、
使用者が“永久”に使用できるものであると思い込んでいること。