帝京高校に勝利した瞬間、石神井の応援席は歓喜に包まれた。
ロングスリーポイントシュートが勝負を決めるような劇的幕切れでは無い。相手がミスをして自壊した。
ちょっと後味が悪い勝利・・正に辛勝
決勝進出は喜ばしいが、この勝利をどのように評価するか整理するのに時間がかかった。
東京都高校男子バスケ新人戦支部大会準決勝
(6回戦)
2024年11月10日会場立教池袋高校
帝京高校は常に東京都の高校で常にBest8を狙える実力を維持しているチーム。
今大会の帝京高校のチームは総じてサイズは無いが鍛えられた脚力とスタミナはスタート、ベンチのメンバーに遜色が無く、メンバーチェンジを繰返し
伝統の強度あるオールコートプレスを試合冒頭から絶え間なく仕掛け、その強度で相手オフェンスの芽を摘む。
石神井は強度あるディフェンスを躱しリバウンド戦を制し早いトランジションとインサイド戦を仕掛けられるかがポイントとなる。
1Q
石神井20:27帝京
石神井プレス気味のマンツーマンディフェンスも優秀な帝京ガード陣に躱され機能しない。帝京ペネトレイト、ミドルシュートで加点。石神井No.5のドライブイン、No.10のインサイドで対抗する。石神井サイズの利点生かしリバンンド奪取するもボールキャリーでミスが続きターンオーバーでポゼシィンを失う。巧みにボールに絡まれ速攻に移れない。石神井劣勢の第1Q
2Q
石神井42:42帝京
(22:15)
石神井インサイドの攻防で優位にたつもターンオーバーは多い。
No.10ポストプレーフォローアップと活躍。
帝京ディフェンスの強度をあげるもリバウンド、インサイドの劣勢が次第に明らかになる。
3Q
石神井66:60帝京
(24:18)
石神井センターNo.10のインサイドプレー帝京ガード、フォワード陣もドライブイン、ミドルレンジで正確なシュート、プレスディフェンスで対抗。石神井ターンオーバーから速攻でしかけられ1点差。帝京急迫するもチームファウルトラブル。残り1分16秒石神井No.4ドライブイン
石神井61:58帝京
帝京3回連続ファウル
石神井フリースロー5本決め石神井66:58帝京
終了間際帝京1本返す。石神井66:60帝京
4Q
石神井88:84帝京
(22:24)
スタートスコアーは
石神井66:帝京60
石神井No.13フローアップシュート
No.10インサイド、ポストプレー連発
残り8分72:64
序盤は石神井ペース
帝京No.6ワンオンワンで対抗。
残り5分30秒76:72
石神井、帝京の追い上げに攻めが消極的になりパスミス、シュートミスが続く。
帝京No.6自在のペネトレイト、石神井止められない。
残り1分50秒80:82逆転される。
石神井、帝京No.6のドライブを封じ再逆転84:82
残り42秒帝京追いつく84:84
石神井速攻をアウトバウンズさせチャンス潰す。勢いは帝京か。
残り17秒
石神井84:84帝京
帝京タイムアウト。
タイムアウト明けスローインここで信じられないことが起きる。
スローインのボールを石神井No.7が空中でカット、そのままノーマークドリブルシュート。帝京痛恨のスローインミス。帝京今試合通して初めてのイジーミス。
帝京ベンチ指示でチーム最長身No.5をレシーバーに指名したがパッサーとのタイミングが合わずミスになった。最終盤、少い残り時間。勝負のラストオフェンス。緊張をもたらす様々な要素。ここでミスが出るのか。
石神井86:84帝京
残り11秒
帝京逆転のスリーポイントシュートを狙うも外れ、リバンンドは石神井。ターンオーバーを狙った帝京がファウル。
残り1.7秒
フリースロー2本石神井No.4キャプテンが冷静に決め試合終了。
石神井88:84帝京
Best16、8を狙うチームの第一条件はターンオーバーやイジーミスの少なさだと思う。
日常の練習や試合で叩き込まれているだろう帝京高校が最終局面、勝利のチャンス目前でミスをした。高校生だからミスはあるよねということではない何かの力が働いたと思ったのは大袈裟か。
かなり身贔屓で一方的な評価だが、石神井の一貫したひた向きな攻守に渡る圧力が帝京のイージーミスを生んだと考える。
瞬間瞬間のボール扱い、身体の寄せ方、身のこなし、プレーの読み等他の強豪校と同じく帝京も優れている、比べ石神井は拙たなさを感じさせる部分もある。厳しい練習やこれ迄のバスケキャリアがそうさせるのか帝京選手の自信満々の表情と落ち着きの所作、一方石神井選手はそのような選手は少なく、多くは余裕無さげだが懸命の表情。
しかし、帝京高校も少なからずプレシャーを感じ何時もと違う緊張がチーム内にあったのであろう。ボールを追いかけ回す表情はいつか懸命な眼差しに変化しているようだった。
見映えの良いロングシュートや華麗なドライブではなく、チームの唯一の強みのインサイドを攻め続けた。
偶然ミスを誘発したのではない。絶え間ない愚直の圧力が巧者の心に伝わり焦りを生んでいたのだろう。自信の壁に罅(ひび)が入り、齟齬が生まれた。どちらのチームでもあり得た心の動き。
石神井チームの出来は先週までと変わらないが、自分達のチームに確信が生まれ精神的に一歩踏み出した感がある今日の勝利となった。
ひとりでも多くの選手が自信に満ちた表情で意思ある眼差しに変貌しときにこのチームは更に強くなると思う。このような高いレベルの試合を何度も多くの選手に経験して欲しい。
年明けの本大会。更に多様のレベルの試合が始まる。
まだ新人戦支部大会。
新人戦本大会、関東大会、インターハイ予選と公式戦は続く。
変貌を遂げるチャンスはある。
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