鮮やかな魚たちが泳ぐ街。
煉瓦造りの建物はところどころ苔が生え、花々が彩を添える。木々は風の代わりに波に揺れ、僕らが見上げる空に本当の太陽はない。
静かに呼吸をするように人々は日々をやり過ごし、地上のことなど関心のない顔で毎日同じ息を吐く。その泡が虚しいと嘆いて昇っていく。
確かにここは静かで淀みなく、淡々と今だけを眺めていればいい。
でもなにも起こらない。
もう長い年月を僕らは屍のようにこの揺らぎの中に身を潜め、笑うことすらなくなった。
魚たちが行き交うのを、木々が揺れるのを、花々が流れゆくのを、一体どれくらい、ただの傍観者としてやり過ごして来たのだろう。
この街はいつから時を止めたのか。どうして僕たちがここに住むのか。その歴史さえ探しようのない街が、ただ黙りこくって頑なにこの場所に座り込んでいる。
それなら僕らは、そろそろいいんじゃないかと思うんだ。抑揚のない世界に留まり続けるのは、もういいんじゃないかって。
僕は光の方へ泳いで行って地上に上がり、本物の太陽を見てみたい。
風に吹かれ、花が地表に散るのを見てみたい。
僕が歩くその道に、歓喜の足跡を残したい。
煉瓦造りの建物はところどころ苔が生え、花々が彩を添える。木々は風の代わりに波に揺れ、僕らが見上げる空に本当の太陽はない。
静かに呼吸をするように人々は日々をやり過ごし、地上のことなど関心のない顔で毎日同じ息を吐く。その泡が虚しいと嘆いて昇っていく。
確かにここは静かで淀みなく、淡々と今だけを眺めていればいい。
でもなにも起こらない。
もう長い年月を僕らは屍のようにこの揺らぎの中に身を潜め、笑うことすらなくなった。
魚たちが行き交うのを、木々が揺れるのを、花々が流れゆくのを、一体どれくらい、ただの傍観者としてやり過ごして来たのだろう。
この街はいつから時を止めたのか。どうして僕たちがここに住むのか。その歴史さえ探しようのない街が、ただ黙りこくって頑なにこの場所に座り込んでいる。
それなら僕らは、そろそろいいんじゃないかと思うんだ。抑揚のない世界に留まり続けるのは、もういいんじゃないかって。
僕は光の方へ泳いで行って地上に上がり、本物の太陽を見てみたい。
風に吹かれ、花が地表に散るのを見てみたい。
僕が歩くその道に、歓喜の足跡を残したい。