潜っていく。潜っていく。
沈んでるんじゃない。自分でどんどん潜っていくんだ。
白いのか青いのか、見えそうで見えない濁ったところを、目指す方へ迷わず進む。このまま曲がらず真っ直ぐに行けば、澄んだ場所にたどり着くはずだと、あの子は言った。
「濁っているものに染まらないよう、真っ直ぐにね」
ぼくは彼女を見てうなづいた。「絶対とか、自信ないけど」
「濁った中に、粒みたいに光っているものを見失わなければ大丈夫。少しくらい染まっても、少しくらい違っても、それはいいの」
彼女はぼくの背中に手を添えやさしく押し出した。
沈んでるんじゃない。自分でどんどん潜っていくんだ。
白いのか青いのか、見えそうで見えない濁ったところを、目指す方へ迷わず進む。このまま曲がらず真っ直ぐに行けば、澄んだ場所にたどり着くはずだと、あの子は言った。
「濁っているものに染まらないよう、真っ直ぐにね」
ぼくは彼女を見てうなづいた。「絶対とか、自信ないけど」
「濁った中に、粒みたいに光っているものを見失わなければ大丈夫。少しくらい染まっても、少しくらい違っても、それはいいの」
彼女はぼくの背中に手を添えやさしく押し出した。
先の見えない濁りの中で、ぼくはずっと言い聞かせてる。ぼくにはぼくしかいないから。
でもふっと、意識に隙間が出来て、濁色の中にどっぷり沈みそうになる。もうすっかり諦めて最後の最後にはこの濁りの中に身を任せてしまおうかと、目を閉じそうになった。
すると、見えない先で何かが光った。
朦朧とした眼前の白濁を突き抜けて、あの光が真っ直ぐにぼくを見つめていることに、そのとき気づいた。
ここだよって語りかけてくる。あの無垢な光を喜ばせたい。
だからなんとか気を確かに取り直して、ぼくは今日も自分の内側の奥へと潜っていくんだ。
あの光を目指して。
ここだよって語りかけてくる。あの無垢な光を喜ばせたい。
だからなんとか気を確かに取り直して、ぼくは今日も自分の内側の奥へと潜っていくんだ。
あの光を目指して。