ズバリ!韓国ドラマにツッコミを入れてみる
たくさんの韓国ドラマを見ているからこそ、
あえてツッコミたくなるもの。
たとえば、
主人公カップルの釣り合いのとれない年齢差とか、
後半に入って雑な展開になることとか。
そのあたりを愛情込めて指摘しよう。
〔ツッコミ1〕後半に失速
韓国ドラマは、スピーディーな展開が持ち味。
とにかくエネルギッシュだ。
しかし、
短期間に徹夜続きの撮影で限界もある。
端的な例が、
後半に入ってから失速するドラマが多いということ。
人間関係の描き方が雑になったり、
クライマックスに向けて
無理やりストーリーの帳尻を合わせてきたり。
明らかに、
切羽詰まった撮影状況の影響が出てしまう。
そんなわけで、
後半に急につまらなくドラマもある。
また、
子役のときからずっと主人公の生き方を描くのが
韓国ドラマの定番。
でも、
子役時代はすごく面白いけれど、
クライマックスまでそれが持続しないこともよくある。
時間がないのかエネルギーが続かないのか、
ちょっと雑になる傾向がある。
〔ツッコミ2〕韓国ドラマは始まり重視
クライマックスも、
突発的な終わり方をするものが多い。
最終回をじっくり練ってこれでいこう、
というのではなくて、
『時間切れだからこれでいくしかない』という感じ。
日本では、
『小説は書き出しの1行、エッセイは最後の1行』と言う。
そこが一番大事なところだという意味だ。
韓国ドラマは完全に書き出し重視のタイプ。
これも国民性である。
たとえて言うと
『韓国のドラマは始まりの1シーン、
日本のドラマはクライマックスの1シーン』という感じ。
日本のドラマ好きな人は、
最後の余韻にこだわる。
韓国はむしろ、最初の勢いを大事にする。
〔ツッコミ3〕数で圧倒する制作発表会
韓国ドラマの制作発表会は、
俳優がやたら出てくる。
『こんな人まで制作発表会に呼ばれているの?』
と思うほどで、
壇上に10人くらいズラーッと並ぶのも当たり前。
見ていても壮観。
とにかく、
数で圧倒しようというのが、
韓国ドラマの制作発表会なのだ。
〔ツッコミ4〕脇役が多すぎる
韓国はドラマの本数が多くて長いので、
脇役の出番が多い。
日本のドラマは短いし、
主人公だけに寄ってしまって、
主人公のお父さんやお母さんもあまり出てこない。
どうしても、中年以降の俳優が出てくる割合が少ない。
韓国の場合は、
主人公がいたら、
両親はもちろんのこと、
おじさんとおばさんやその連れ合いまで出てくる。
特に、
かならず問題を起こすおじさんがいて、
主人公たちが翻弄される。
そこまで描くから、中年以降の俳優にも多くの出番がある。
〔ツッコミ5〕悪役に感情移入する
韓国映画を見ると、
救いようがない悪役がいっぱい出てくるが、
テレビに出てくる悪役は、
それぞれみんなが人生の中で抱えているものを感じさせる。
貧困とか不運とか。
そういうものが極まって悪行に走らざるを得なかった事情がわかる。
そうした悪役のほうに感情移入してしまうのも
韓国ドラマらしいと言える。
むしろ、
主役は悪役かもしれない。
〔ツッコミ6〕ヒロインは年上女優
ドラマを作るときに、
男女のヒロインを演じる俳優の年齢バランスを
あまり考えないのが韓国ドラマだ。
ドラマ『会いたい』を例に取ると、
当時のユ・スンホはまだ20歳くらいなのに、
彼はユン・ウネの恋人役をやっている。
年齢はユン・ウネが9歳も上なのに……。
『太陽を抱く月』にしても、
キム・スヒョンとハン・ガインの年齢差が気になった。
韓国ドラマのプロデューサーが言っていたが、
今の韓国ドラマの悩みは
20代なかばで主役を張れる女優が少ないことだそうだ。
30代前半に実力派女優が多いので、
年齢は上だが使わざるを得ないらしい。
そんな事情があって、
20代なかばの男優と30代前半の女優が
恋人を演じることがあまりに多くなっている。
10歳も上のキム・ヒソンがイ・ミンホとカップルを演じたときも驚いた。
姉さんヒロインのなんと多いことか。
日本だと主役男女の年齢差を相当気にすると思う。
特に、
女性が年上の場合はそんなにないはずだ。
文=「ロコレ」編集部