付随議案
付随議案は、審議中の問題には直接関係しませんが、審議の手続きに関連している議案です。付随議案は主義案に付随的であり、会議の進行中に偶然にもたらされるものです。付随議案が提案された場合、審議中の審議を継続する前に処理されなければなりません。
付随議案は、提案されている付随議案の間では優先順位がありません。付随議案はすべての主議案に対して提案可能です。付随議案間の優先順位は、それが提案されたときに決定されます。付随議案は、一般に討議不可能であり、修正されることはまずありません。
以下に付随議案の例を示します。
(ア)議事進行に関する疑義
この議案は、議長の議事進行が規則に従っていないと思われるときに提示されます。この議案によって、会議に参加している構成員は、議事進行が規則にかなっていないという警告を受け、議長は、規則を遵守するように求められます。
(イ)異議
異議は、議長の裁定が正しくない、あるいは正当でないと表明するための議案です。この議案は、提案者の他に1名以上の賛同者がいなければならず、したがって、議案は支持(セカンド)が必要です。
異議が議案として成立した場合、議長は自身が施した裁定の適否について表決を求めなければなりません。この表決は、裁定に賛同するか否かを問うものであるとよいでしょう。このように問えば、表決の結果で会議場にいる構成員の過半数が議長の側にいるかどうか直ちにわかります。
以下に意義に関する議事規則を示します。
i) 支持(セカンド)が必要である
ii) 討議可能である。ただし、議長以外の構成員の発言は1回に制限される。議長は、2回発言できる。1回目は、裁定を弁護するため他の構成員に優先して発言でき、2回は討議を終了するために発言する。
iii) 表決は過半数の表決で行う
(ウ)情報要請
この議案は、扱っている(審議している)議案に対してさらなる情報が必要であると考えられる場合に提案されます。
(エ)議事手続きに関する要請
この議案は、議事ルールを問い合わせるために提案されるものです。この議案の提案は、議長に発言を求める必要もありませんし、他の構成員の発言を遮っても構いません。
例えば、次のような質問があります。
「この時点で委員会に紹介するという議案は、規則にかなっていますか?」
「審議中の問題はなんですか?」
(オ)再表決
再表決の議案は、表決の計数法に疑義がある場合に用いられます。再表決の議事が提出された場合、議長は、会議に出席している構成員にはっきりわかる方法で表決をやり直さなければなりません。例えば、声による表決を行った後で再表決の議案が提出された場合は、挙手(小規模会議)、起立(大規模会議)の表決を使って、計測者を構成員の中から指名して、きちんと賛否を計数する必要があります。
再表決の議案の提出は、議長に発言を求める必要も、起立して議案(再表決)を述べる必要もありません。この議案を提出する構成員は着席のまま「再表決」と発言するだけで議案が提出されたと認められます。
(カ)議題分割
議題分割の議案は、審議中の議案や決議が複数の部分で構成されていて、それぞれ分けて審議、表決する方が望ましいと考えられる場合に用いられる議案です。
議題分割の議事規則を以下に示します。
i) 分割する審議中の議題の各部は相互に独立していなければならない
ii) 支持(セカンド)が必要である
iii) 過半数の表決が必要である
(キ)議題審議反対
議題審議反対の議案は、その議題を会議で審議したり表決したりすること自体が会議が属する組織(団体)や個人の尊厳・権利などに危害が及ぼすと考えられる場合に用いられます。
議題審議反対議案の議事規則を以下に示します。
i) 支持(セカンド)を必要としない
ii) 討議も修正も許されない
iii) 3分の2の表決が必要である
iv) 議案の審議が開始される前に提案しなければならない。したがって、審議が始まった後で議案審議反対の議案は提出できない
(ク)議案撤回許可
議案撤回許可の議案は、審議しようとする主議案を提案した構成員が、提案に不備があることに気が付いた時に用いられる議案です。この議案は主議案を提案した構成員のみが提案でき、議案を審議する前に提案します。
通常、この議案は全会一致の表決を用いて表決されます。