決議
決議は会議が属する組織(団体)が、政策や原理、意見を公表したいと思ったときに利用する、書面によって提出される主義案です。
決議の主義案は2つの部分から構成されます。
i) 前文
ii) 決議(句)
前文は、その決議の理由や背景を述べます。決議(句)は、決議本文です。一般に、「(前文)ので、(決議句)ということを決議する」、という形式をとります。「民主主義の文法」では、どんなに長い決議文でも読点は1つとしていますが、日本語ではなじみにくいかもしれません。
決議の審議は、他の主義案と同じように行われ、修正も可能です。
決議の表決は、決議句に対して行い、それが採択された後で、前文をつけるスタイルで行います。これは、審議によって決議句に修正が入った場合、前文の修正も行わなければならないという煩雑さを避けるためです。
復活議案:議題を再度会議に持ち込む議案
復活議案※は、以前に表決によって決定した事項を再考するために用いられる議案です。
議事規則では、一度決定した議案は同一の会議で再度取り上げることはできないとしているため、復活議案は通常の議案とは異なる範疇の議案です。
※復活議案の英語は「Robert’s Rules in Plain English」ではRestorative motionです。Restorativeは回復、復活の意味があります。「Robert’s Rules of Order Newly Revised」では、Renewed motionという用語が多用されています。Renewedには、復活させたという意味があります。日本人にはこちらの方がなじみがいいように思います。
よく用いられる復活議案に次の2つがあります。
i) 廃止
ii) 再審議
(ア)廃止
廃止議案は、以前に採択された決議を取り消したり、廃棄したりするために用いられます。廃止は、議案全体、決議、規約などを削除する効果を持ちます。
以下に、廃止に関する「特別」議事規則を示します。
i) 以前の表決の結果、すでに何らかのアクションがとられているとき、廃止は議事規則違反である。例えば、会議が属している組織(団体)以外の人や団体と契約処理が始まっているときなどは廃止は議事規則違反である。
ii) 支持(セカンド)が必要である
iii) 廃止が提案された会議に先行する会議で、廃止の議案が予告されていた場合は過半数の表決で、予告されていない場合は3分の2の表決で表決を行う
(イ)再審議
再審議議案は、以前に採択された議案を再度審議することを可能にする議案です。再審議の目的は、性急な決定や検討不足の決定を防ぐことにあります。
再審議は、すでに表決された結果に不満を持つ構成員の乱用を防ぐために特別の議事規則があります。以下に再審議の「特別」議事規則を示します。
i) 以前に採択された審議された議案に賛成した構成員だけが提案できる
ii) 再審議の議案が採択された場合、再審議を求められた議案は、再審議の議案が採択された会議と同じ会議で審議されなければならない(時間制約)
iii) 支持(セカンド)を必要とする
iv) 討議可能である
v) 過半数の表決で表決する
vi) 時間制約があるため、再審議の議案及び支持(セカンド)は、他の議案を審議中でも提出できる。ただし、再審議を求められた議案の審議は、審議中の議案が終了するまで審議できない。
vii) 再審議の議案が提案され、支持(セカンド)されると再審議を求められた議案に生じたすべての決定が停止される。これが再審議議案の最も重要な効果である。