
(担当S)
■ドゥテルテ氏の過激発言「ええか!麻薬に手を出した奴はホンマに殺すからな!」
[写真]機関銃を構えるドゥテルテ氏
ひき始めの風邪には葛根湯がよく効くらしいです。
と、無駄話はさておき、今回のネタはフィリピンの新大統領に決まったロドリゴ・ドゥテルテ氏についてです。
最近はアジア情勢がにわかにキナ臭くなっているので、ドゥテルテ氏の日本のメディアでの紹介のされ方も、親中派なのか否かなのかについて焦点が集まっていますけど、ちょっと待って下さい。
このドゥテルテ氏を親中派か否かだけに焦点を絞って紹介するのは余りにも不公平です。
氏の本当の魅力は、過去に行った過激すぎる治安回復政策にあるからです。
ドゥテルテ氏が多くのフィリピン国民の支持を集めたのには幾つか理由があると思いますけど、その中でダントツだと思われるのはミンダナオ島で氏が行った治安回復政策にあると思います。
フィリピンのミンダナオ島のダバオ市の市長をドゥテルテ氏は勤めていた事があるのですが、市が市長に就任するまではダバオ市の治安は地に落ちていました。数多くの犯罪が横行していましたが、その多くが麻薬がらみ。ドゥテルテ氏は市長に就任すると早速、治安回復の為に動き始めます。
これが普通の感覚の持ち主が市長になったのなら治安回復を行う場合、警察力の強化とか無難なところから始めるのが普通だと思います。また、こういう治安の悪いところでは下手に治安回復にメスを入れると、現地のマフィアに命を狙われかねません。
だから多くの場合、治安回復を宣言しても、それは有権者に対してのリップサービスに終始し本気で治安回復に乗り出したりしません。
しかしドゥテルテ氏は普通の市長ではありませんでした。普通だったら誰もやりたがらない治安回復政策に本気で取り込み、自らも犯罪者を仕留めました。これが比喩でもなんでもなくて、なんと氏自らがマフィアに対する「暗殺団」を率いて、文字通り犯罪者を葬ったのです。
こんな市長は前代未聞です。リフィピンだけでなく世界の何処を探しても、こんな市長はいないでしょう。
それだけでも、もう既にお腹一杯なのですが、更に「マフィアの幹部を生け捕りした市民には12万ドル(約1,500万円)。殺して連れてきた市民には追加で2万4000ドル(約300万円)を払う」とお触れを出しました。
常軌を逸しているとはこう言う事を言うのでしょ。しかも普通は、こういうお触れを出す場合には、生け捕りにした方が賞金が高くなるのが常識です。
何故なら、犯罪者を殺して連れてくるのは相手のスキさえ突けば比較的、安全に行えますが、生け捕りにする場合は相手と何らかの形で戦わなければいけません。下手したら犯罪者との格闘に負けて命を落とす危険性すらあります。
そういう危険性があるので、普通は犯罪者を生け捕りした場合には高い賞金が支払われるのです。
それがドゥテルテ氏は「犯罪者なんか生かしておく価値がない」と言わんばかりのお触れを出しました。
もう、どっちがマフィアなのか分からなくなってくるドゥテルテ氏の治安回復政策ですが、この過激すぎるとも言える政策が功を奏し、ダバオ市の犯罪発生率は短い間に激減します。しかしこんなに過激な政策では、人権団体が黙っていませんでした。
■神か悪魔か?ドゥテルテ氏の超法規的処置
近代に成立した司法の精神だと、相手が犯罪者だとは言え罪が確定するまでは刑を執行できません。それは冤罪を無くすためには必要な処置なのです。
だから犯罪者に対して殺人指令を出すなど、超法規的だと言えるドゥテルテ氏の治安回復政策には、人権団体からの非難が集中したのは当たり前といえば当たり前の話です。
担当Sの目にもドゥテルテ氏のやっている事は、法の精神なんか微塵もないように映ります。しかし意外な事にドゥテルテ氏は10年間、検察官を務めた経歴があります。
超法規的な治安政策を行っていた市長が、実は法律に一番近い職務に就いていた過去があるのは本当に意外です。
裏を返せば、当時のミンダナオ島の治安はそれくらい酷かったと言うことです。
担当Sはドゥテルテ氏の事や氏の行った政策を、これといって支持もしませんが、かと言って批判もしません。ですが、氏がダバオ市で実施した治安政策の成果が、多くのフィリピン国民に注目され支持されたのは確かなようです。
■気になる中国との関係は?
ドゥテルテ氏は政治的には左派だと言われています。氏の恩師であるジョマ・シソン氏はフィリピン共産党の創設者ですから、左派であることは間違いないと思います。
じゃぁ、ドゥテルテ氏がフィリピンの大統領になったら中国と蜜月の関係になるかと言えば、そうでもないようです。
ここが日本の政治家とは大きく異なっている所で、海外の政治家は左派だからと言って中国のような共産主義の国に対して、安易に尻尾を振るような真似はしません。
以前にドゥテルテ氏がフィリピン国内に中国の海軍基地建設を容認する発言をしましたが、一つ条件を設けました。それは「同じ場所にアメリカ海軍の基地を誘致するので、中国はその目の前に基地を作れ」と言うものです。
そんな事になったら中国としてはたまりません。もしアメリカ海軍の基地の目の前に基地を作れば、相手の動向を伺えるメリットはありますけど、逆に中国側の動きを封じられるデメリットの方が遥かに大きくなって、中国海軍にとっては殆ど何のメリットがありません。
近年、中国は軍拡を続けていますけど、それでも海軍力で中国はアメリカに全く及びません。だから基地を作るのならアメリカの息のかかっていない所に作らないと何の意味もありません。それなのにドゥテルテ氏は、その中国の意図に対してノーを突きつけています。
またドゥテルテ氏は、フィリピンで建設予定の高速鉄道に中国の高速鉄道を採用しようとしていると伝えられてますが、その採用する条件と言うのが一方的に中国に不利なので思わず笑ってしまいます。
その採用条件というのが「高速鉄道の建設費は全て中国持ち。高速鉄道で得た利益も中国には一銭も払わない」と言うものでした。
これには中国でなくても「それ、ウチに何のメリットがありますの?」と言いたくなりますが、ドゥテルテ氏の回答が振るっています。そのドゥテルテ氏の回答と言うのが「何を言っているんだ。中国は海外への高速鉄道の売り込みに一度も成功していないのだから、いい宣伝になるじゃないか」です。
この記事を書いてる段階で、中国はインドネシアに対しては高速鉄道の売り込みに成功しているので、一度も成功していないと言うのは少々、言い過ぎのきらいがありますが、そのインドネシアの高速鉄道もにわかに雲行きが怪しくなっているので、ご和算になってドゥテルテ氏が言った通りになるかもしれません。
親中派と言われているドゥテルテ氏ですが、氏の発言については冷静になって聞く必要がありそうです。
念願叶って、やっと時事ネタを投入することができました!
次回はまたオカルトネタをやりたいと思っています!
担当Sでした!
+++++アプリの宣伝です+++++
ゲームのジャンル的には落ちものゲーム(いわゆる、落ちげー)になります。
他の落ちものゲームと同様、ルールは単純ですが意外にハマります。
興味のある方は下記のリンクからどうぞ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます