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(担当S)
※本記事は2016/12/27に投稿した記事に、修正を加えて再投稿したものです。
某テレ朝の人気番組「劇的ビフォーアフター」が何だかよく分からない諸事情により打ち切りになったようですが、この番組には失敗したリフォーム事案と言うのが結構あったみたいです。
それで打ち切りになったがどうかは分かりませんが、世界には更に凄すぎるビフォーアフターの失敗事例と言うのがあるようです。
そこで今回は世界の大失敗ビフォーアフター事例を、担当Sの独断と偏見で選んで紹介していきたいと思います。
■「犯人は誰やぁ!?責任者でてこぉ~い!」世界のぶっ飛び大失敗ビフォーアフター事例 最終回(5回シリーズ)
●猿になったキリスト(スペイン)
この珍事はスペイン北東部のミセリコルディア教会に描かれている痛みが激しかったフレスコ画「この人を見よ(原題:Ecce Homo)」を、地元でアマチュア画家をやっているお婆ちゃん、セシリア・ヒメネスさん(当時81歳)が何の許可もなく勝手に修復作業を行い、元の絵を台無しにしてしまったと言うものです。
このセシリア・ヒメネスさん(当時81歳)は凄まじく絵が下手であり、本人曰く「私は風景画が専門で肖像画は得意じゃないのよ」と言う事ですが、そう言うレベルの問題じゃないだろとツッコミを入れたくなる程の酷い修復画が注目を呼び、ネットでは『「この人を見よ」という絵が、一人の老婆のせいで「この猿を見よ」になったったw』と言われ話題騒然となりました。
オリジナルの方のフレスコ画「この人を見よ」はエリアス・ガルシア・マルティネスと言う名の画家が、100年以上も前にこの地で素晴らしい余暇を過ごせたお礼として、ミセリコルディア教会の柱に僅か2時間で書き上げたものです。
柱の上に描かれていますから、冒頭の写真を見てもわかる様に、そんなに大きな絵ではありません。
日本では余り耳にしないエリアス・ガルシア・マルティネスと言う画家ですが、この人は当時のスペイン国内では署名な画家ではありましたが、どちらかと言うと職業画家に徹した人だったようで、そのせいか芸術作品として後世に残るような絵は殆ど描いていません。
同時代を生きた有名な画家にクロード・モネやルノワールがいますが、そう言う天才的なタイプの画家とは、どうやら違うタイプの画家だったみたいです。
上の写真(※PCで閲覧している場合は右の写真)エリアス・ガルシア・マルティネスの代表作とされている「悲しみの聖母(原題:Virgen de los Doloress)」ですが、こう言ってはなんですが、何だかとても平凡な肖像画です。
絵そのものは、かなり上手なんですけどね。
19世紀後半から20世紀半ばまでのエリアス・ガルシア・マルティネスが生きたスペインと隣国のフランスには、クロード・モネやルノワールだけでなくピカソやダリなどの天才画家が次から次へと現れていますから、その陰に隠れてしまったと言えなくもないですが、それらの事を差し引いても天才的と言えるような才能はなかったようです。
それでも多くの画家が絵が売れずに苦しい生活を余儀なくされているのに対して、エリアス・ガルシア・マルティネスはサラゴサ(※スペイン、アラゴン州の州都)にある学校協会の芸術教授の職を得るなど、画家としては成功した部類に入ります。
前述したとおり「この人を見よ」のオリジナルを、エリアス・ガルシア・マルティネスは僅か2時間で書き上げていますから、職業画家としての腕前はかなりものだったようです。
皮肉な事に、エリアス・ガルシア・マルティネスが描いた数多くの絵画の中で最も知名度が高いのが、無茶苦茶な修復作業によって世界中の話題をさらった「この人を見よ」なのです。
もちろん有名になったのは芸術的観点から絵を評価されたわけではなくて、修復後の「この人を見よ」が余りにもオリジナルとはかけ離れた失笑を禁じえない絵になってしまった為で、それを面白がった世界中の各メディアがこぞって報道したからでした。
このブログの見出し画像にもなっている「この人を見よ」のビフォーアフターの画像ですが、ここでもう一度、どんなビフォーアフターだったのかを確認してみましょう。
上の画像(※PCで閲覧している場合は左の写真)はオリジナルの絵を左に、修復後の絵を右に配置した「この人を見よ」の比較画像ですが、こうして見てみると、絵の構図以外は全く似ていない事に改めて気がつきます(汗)。
ここまで似ていないと潔いと言うか、ある意味見事であり、各メディアやネットが騒ぎたくなるのも分かるような気がします。
この残念すぎる修復に、エリアス・ガルシア・マルティネスの孫娘であるテレサ・ガルシア・マルティネスは、祖父の絵を無茶苦茶にされたとして大変ご立腹のようです。
実はこの絵を修復する為に彼女は地元のカトリック文化財団に資金を寄付しており、もう少しでプロの画家による修復作業が行われようとしていた矢先にこんな事になってしまったのでした。
今でも彼女は、1日も早いプロの画家による"ちゃんとした"修復作業を求めているそうです。
しかし、アマチュア画家であるセシリア・ヒメネスさん(当時81歳)の修復画が、万人が想像もしなかったような世界一だとも言える絵の下手さっぷりだった為に、却って世界中の注目を集め人気を呼んでしまい、今ではミセリコルディア教会の貴重な観光資源になってる事から、"ちゃんとした"修復作業をするべきかどうか大変、悩ましい事態になっています。
元々は無料で拝観できたミセリコルディア教会でしたが、この修復画が余りに有名になってしまい世界中から観光客が押し掛けた事から、今では1ユーロ(約120円)の拝観料を観光客からちゃっかり徴収しています。
それだけでなく、この修復画の人気にあやかろうとした各企業によって、今では各種グッズ類までが販売されています。
ここで、どんなグッズ類が販売されているのかを、少し紹介していこうと思います。
まず1点目が人形。上の写真(※PCで閲覧している場合は右の写真)は「この人を見よ」ならぬ「この猿を見よ」人形です。
なんかお祭りの屋台に並んでいそうな、なんともチープな人形ですが、「この猿を見よ」の人気ぶりを窺わせる逸品となっています。
色も赤だけでなく、白、黒、茶など各種カラーを取り揃えており、「この猿を見よ」ファンなら是非とも手に入れたい逸品となっております。
海外のAmazonでも取り扱いがあることから、かなりの人気商品のようです。
価格も日本円で1,500円前後と、大変お買い求めやすい価格設定がなされております。
Tシャツの世界でも「この猿を見よ」の意匠は、大変人気の高いデザインの一つのなっております。
近年、注目を集めているスペインワインですが、その情熱的で深い味わいを「この猿を見よ」の意匠をご覧になりながら、ご賞味いただく事が出来ます。
ワインのラベルには「この人を見よ」ならぬ「この猿を見よ」の意匠を現代的なポップアートに昇華したイラストが描かれており、ワインの方も現代的な味が楽しめる逸品となっております。
他にもマグカップやバッグやぬいぐるみ、クッキーやチョコレートなどその他諸々あり、この絵の人気の高さを窺わせまます。
しかし、こうしてお金が動く所には、必ず訴訟話が巻き起こるのは世の中の常。この「この人を見よ」ならぬ「この猿を見よ」騒動も、その例外ではありませんでした。
セシリア・ヒメネスさん(当時81歳)が「この人を見よ」を修復した当初は、流石に本人も絵が下手すぎてマズイと思ったのか、市の文化事業を担当している市会議員(当時)のファン・マリオ・オヘダ氏(※後でもう一度、この人の名前が出てきますので、よく覚えておいて下さい)に連絡を取ったりして弱気な所を見せていたのですが、「この人を見よ」ならぬ「この猿を見よ」が世界的な人気を博すと一転して強気になり、観光客相手に拝観料を徴収し始めたミセリコルディア教会や各種グッズ類を販売している企業達に対して「私にも分け前をよこせ!」と弁護士を立てて、訴訟も辞さない構えを見せるようになりました。
彼女(とその弁護士)がミセリコルディア教会や企業達に対して何を根拠に訴訟を起こそうとしたのかと言うと、それはズバリ著作権についてでした。
修復後の「この人を見よ」はオリジナルの「この人を見よ」とは全く異なる絵画になってしまっているので、その著作権はセシリア・ヒメネスさん(当時82歳)当人にあると言い出したのです。
ミセリコルディア教会は徹底抗戦の構えを見せたのですが、各種グッズ類を販売している企業達はトラブルになるのを嫌って、なんとセシリア・ヒメネスさん(当時82歳)に著作権収入の49%を支払う約束をして話に決着をつけました。
なんだか思ったよりも穏便に事が進みましたが、この話の陰には、絵の修復に関する騒動が起こった時は市会議員だったファン・マリオ・オヘダ氏が、いつの間にか副市長にまで出世していて、副市長になったオヘダ氏により、事が穏便に済むようにとの取り計いがあったのです。
おそらく市の方も、「この人を見よ」ならぬ「この猿を見よ」のグッズ類の販売が好調だったのを見て、一口乗るつもりでいたのでしょう。
しかしセシリア・ヒメネスさん(当時82歳)が著作権について弁護士を立ててまで騒ぎ出したので、せっかくのビジネスチャンスを潰されてはかなわんと思った副市長が、彼女を黙らせる為に各種グッズ類を販売している地元の企業連中にこっそり手を回して、あまり強欲にならないようにと説得したのだと思います。だから著作権収入について、こんなにもあっさりと話がついたのでしょう。
それともう一つ厄介な事に、セシリア・ヒメネスさん(当時82歳)が、どうした訳か著作権収入を先天性筋ジストロフィーの治療基金団体へ慈善目的で寄付すると言い出したものですから、なんだかとても複雑に話に発展していました。
実は、彼女の息子はこの非常に珍しい難病である先天性筋ジストロフィーを患っていて、著作権収入をその治療基金団体に渡すと彼女が言いだしたのも、この為です。
自分の息子の難病を盾にとってまで…と言えなくもないですが、ここで各グッズ類を販売している企業達が彼女の主張に対して何もせずに手をこまねいていると、世間の人達からは、難病の息子を持つ可哀想な母親に一銭も利益を還元せずに、企業達は彼女の描いた絵を利用してひたすら利益を貪っていると捉えられかねず、企業イメージのダウンを避ける為にも裁判沙汰になる前に、お互いが折り合いを付けれる所で和解する必要がありました。例え彼女の主張や訴えが企業達からすれば不当なものであったとしても…
こうしてセシリア・ヒメネスさん(当時82歳)の懐には、絵を修復した当初、本人も全く予期していなかった著作権収入が転がり込むことになったのです。
なんか、凄い斜め上の展開すぎて言葉もありません。独断で無茶苦茶な修復作業をして失笑と顰蹙を買った人物が、今度は一転して時の人になったのですから。
しかもセシリア・ヒメネスさん(当時82歳)は、一躍して自分が世間の注目を浴びるようになったことから調子に乗るようになり、彼女が今まで描き溜めていた絵の個展を2度も開いています。
彼女の話によると2度の個展とも「とても好評だった」と言うことですが、果たしてどこまで信じられる話なのでしょうか…
ちなみにミセリコルディア教会と和解したと言う話は伝わってきていませんので、もしかしたら今でも係争中なのかもしれません。
物凄い斜め上すぎる話なので、もしかしたら後世に、この話を題材にした『猿になったキリストと老婆』と言う童話が出現するんじゃないかと、そんな予感をさせるような今回のビフォーアフター案件でした。
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ゲームのジャンル的には落ちもの系ゲーム(いわゆる、落ちげー)になります。
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