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(担当S)
※本記事は2016/12/05に投稿した記事に、修正を加えて再投稿したものです。
世の中の発明品の中には、作っている本人は大真面目でも、端から見ると「……」としか言いようの無い発明品が数限りなくあります。
そこで今回は、そう言った発明品の中でも、特にぶっ飛んだ発明品を、担当Sが独断と偏見で選んで紹介していきたいと思います。
■「これはアカンやろぉ…」思わずドン引きする世界のぶっ飛んだ発明品10選 (10回シリーズ 第5回)
●ヴァルター機関(写真はヴァルター機関を搭載した戦闘機、Me163)
その中でもヴァルター機関は、潜水艦からロケット戦闘機などの広い用途に使われた、優れた…
いやいや、とてもではないですが、優れていたとは言えない代物なんですよ、コレが。
本題に入る前に、まずはヴァルター機関について軽く説明したいと思います。
ヴァルター機関とは、ドイツの技術者、ヘルムート・ヴァルターが、第二次世界大戦が始まる前から潜水艦用に開発を行っていた、特殊な構造を持つエンジンの事です。
動作原理を説明すると長くなるので特徴だけ説明しますが、ヴァルター機関は空気が無いところでも動作が可能と言う、普通のエンジンとは異なる非常に大きな特徴を持っていました。
普通のエンジンは、空気の無い所では絶対に動きません。これは何故か言うと、空気中に含まれている酸素と燃料(ガソリンとか経由とかジェット燃料)が結びついて燃焼する時に発生するエネルギーを、普通のエンジンは動力へと変換しているからです。
普通、エンジンと言う名前がついてる物は、自動車用のガソリンエンジンから飛行機に使われているジェットエンジンに至るまで、動かすのには必ず空気を必要とします。
この、動作するのに必ず空気を必要とする特徴は、海の中を潜航する潜水艦でエンジンを使用する場合には、非常に大きなデメリットになります。
通常動力型と呼ばれる潜水艦には、何の変哲も無い空気を必要とするエンジンが使われているのですが、空気のない海の中では当然エンジンを動かせないので、潜水艦が海の中で行動する場合には、まず海面上に浮上している時にエンジンで発電機を回してバッテリーに電気を蓄えられるだけ蓄えて、そして海の中に潜ったらバッテリーに蓄えられた電気でモーターを動かして推進力を得る、と言ったとても複雑で手間のかかる方法を採用しています。
この方法だとバッテリーがカラになったら再び海面上に出てきて、バッテリーに電気を蓄えないといけないのですが、戦場で迂闊に海面上に出てしまうと、待ち伏せしていた敵の船や飛行機の攻撃を受けて敢え無く撃沈、なんて事にもなりかねません。
そこで、空気が無くても動くエンジンと言うものが、長い間、実現を待ち望まれていました。
空気が無くても動くエンジンがあれば長時間、海の中に潜ってもいられるので、敵から攻撃を受ける機会がグンと減り戦場では有利に事を進める事が出来ます。
こう言う軍事上の要望から生まれたのが、ヴァルター機関なのでした。
現れた当初は「潜水艦に革命を起こすのではないか?」と大きな期待を寄せられたヴァルター機関でしたが、実際に使ってみると、燃料である過酸化水素の消費が想像以上に激しく、しかも過酸化水素自体が高い腐食性を持っていた為に取り扱いには細心の注意が必要とされ、その他にも多くの欠点が露呈しました。
こうした多くの欠点を抱えながらも、ヴァルター機関を搭載した潜水艦が、当時としては画期的な水中速度26ノット(時速48km)を発揮した為に、開発が続行されます。
これに気を良くしたヴァルター機関の発明者、ヘルムート・ヴァルターは、よせばいいのに、ドイツ陸軍が主導していたロケット開発部門へヴァルター機関の売り込みを始めます。
ヴァルター機関の空気を必要としない特徴が、ロケットエンジン開発にも非常に有効ではないかと、ヘルムート・ヴァルターは考えていました。
当時のドイツは、世界で最も優れたロケット技術を持っていたロケット開発最先端国だったのですが、新型ロケット(※後の「V2(A4)」ロケット)の開発に難航してました。このヘルムート・ヴァルターの提案に、新型ロケットの総責任者であるフォン・ブラウン(※後にアメリカに移住し、アポロ計画を成功させた立役者)が興味を示します。
こうしてヘルムート・ヴァルターが画策したロケット開発部門への自身の技術の売り込みは上手く行き、ヴァルター機関を搭載したロケット飛行機の試験機が何機か制作されました。そして世界初のロケット戦闘機にもヴァルター機関が使用される事が決定されます。
こうして誕生したのが、冒頭の写真で紹介したMe163と呼ばれる戦闘機でした。
ヴァルター機関を搭載したMe163は当時、世界最速の時速1,011kmを叩き出します。
現在でもジャンボジェットの最高速度が時速988kmくらいですから、それを上回る速度を75年前に達成したと言うのは、非常に画期的な事でした。
しかしヴァルター機関の持つ数々の欠点により、Me163は速度性能以外は殆ど取り柄のない戦闘機と言っていいものでした
最大の問題点は安全性です。
前述した通り、腐食性の高い薬液である過酸化水素をヴァルター機関は燃料にしていました。戦闘機よりも遥かに図体の大きい潜水艦でヴァルター機関を使用した時ですら、過酸化水素の取り扱いには細心の注意を払う必要があったのに、飛行機のような機体を軽く薄く作らなければならない乗り物では、過酸化水素を入れておくタンクも必然的に薄くて軽いものにするしかなく、その高い腐食性を防ぐには、なんとも心許ないものでした。
都市伝説でMe163が腐食性の高い燃料を使っていた為に、パイロットが跡形もなく蒸発してしまった事があると言うのがありますが、あながちこれも都市伝説として笑ってらいられないような重大な欠陥がMe163にはありました。
過酸化水素だけでも危険極まりない代物だったのに、Me163に使われたヴァルター機関はヒドラジンと言う、取り扱いを間違えたら爆発する恐れがある薬液も燃料として使っていたので 何かのキッカケで突然、機体もろとも木っ端微塵に吹っ飛ぶ危険性が常に存在していました。
Me163で最も多くの戦果を残したパイロットであるジーク・フリート・シューベルトは、滑走路でMe163に搭乗して待機してた時に、突然起きた爆発事故で帰らぬ人になっています。
ヴァルター機関には燃料の消費量が大きいという欠点がある事については冒頭の方で述べましたけど、この欠点のせいでMe163がマトモに大空を飛び回れたのは僅か8分ほどでした。
この様に、ヴァルター機関は飛行機のエンジンとして使うには余りに欠点が多かったので、戦後になって航空機用の高性能なジェットエンジンが現れると、あっという間に、その存在自体が忘れ去られてしまいました。
それでも、本来の開発目的であった潜水艦用のエンジンとしては、戦後もアメリカやイギリスで開発が継続されましたが、(ヴァルター機関と同じように空気が無くても動くと言う特徴を持つ)小型で安全な潜水艦用の原子炉が開発されると、危険で取り扱いの難しいヴァルター機関の技術開発を継続して行う意義がなくなり、ひっそりとヴァルター機関は歴史の表舞台から姿を消しました。
その後も、ロケットベルト(※装着するとスーパーマンみたいに空を飛び回れる装置)にヴァルター機関が使われたりしましたが、ここでも作動時間の短さがネックとなって、やはり本格的に実用化される事はありませんでした。
今後もヴァルター機関の仕組みを応用したエンジンや装置が現れるかもしれませんが、数々の欠点を克服できないことには、再び歴史の闇の中へ消え去ってしまう事でしょう。
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[gooブログ] 【なんじゃこりゃ?】世界の大失敗発明品10選【理解できん!】 第5回(10回シリーズ)
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