みなさん、こんにちは
緑内障治療薬の新薬が発売されましたのでご報告します
緑内障とは、視野障害を生じる疾患であり眼圧を下げることで進行を抑えることができるとされています。
話が長くなりますが一回ここで整理しておきましょう。
眼圧とは眼球の硬さです。眼球の中には房水と呼ばれる水が流れておりある程度一定の硬さを保っております。
一般的には9-21mmHg程度が平均値とされています。
眼圧を下げる治療薬には代表的なものは3種類あります
専門用語になりますが
βブロッカー 房水産生の抑制
PG製剤 房水流出の促進
CAI(炭酸脱水素酵素阻害剤) 房水産生の抑制
その他の機序もありますが、、
で、1つの点眼薬で眼圧を下げる効果が不十分な場合は、(1)+(2) (1)+(3) (2)+(3) (1)+(2)+(3)と組み合わせて使っていきます。
一般的に考えられているのは3種類の眼圧降下剤を使用しても十分な効果が得られない場合は、レーザー治療もしくは外科的手術が選択されます。
今回、発売された「アゾルガ配合懸濁性点眼液」はのチモロールと
のエイゾプトを組み合わせた合剤となります。
上の写真の2剤の効能を1本にしたのが下の点眼薬です。
では合剤になることのメリットを考えてみましょう
点眼回数が減る!
2種類ともに1日2回点眼が必要。2種類以上点眼する場合は点眼の間隔を5分以上開ける必要がありました。
点眼回数が減ることで、点眼をし忘れることがなくなりそうですね。
もう1つ点眼薬には防腐剤が含まれていますので防腐剤に暴露される回数も半減できます。
薬価が安くなった!
今回のアゾルガ配合懸濁性点眼薬の薬価(薬の値段)はエイゾプトと同額です。
2種類分けて処方されると当然2種類ともの値段が必要ですが、今回の薬価の取り決めでは価格が据え置かれてます。
ちなみに薬価は1本あたり2191円 3割負担の方であれば1本あたり660円ぐらいですね。
参天製薬から発売されているコソプト点眼薬も今回発売されたアゾルガ配合懸濁性点眼薬と同種同効薬とされてます。
本日(平成25年11月19日)
より白川分院にて処方可能となりました。
最後に緑内障配合剤点眼の薬価について記載します
βブロッカー+CAI
アゾルガ点眼液 1本5ml 2191円(エイゾプト薬価2191x0.8円+チモロール後発品347.5円)
コソプト点眼液 1本5ml 3340円(トルソプト薬価1445.5円+チモプトール1886.5円)
βブロッカー+PG製剤
デュオトラバ点眼液 1本2.5ml 3386円(トラバタンズ薬価2449円+チモプトール薬価x0.5=943.25円)
ザラカム点眼液 1本2.5ml 3265円(キサラタン薬価1923.25円+チモプトール薬価x0.5=943.25円)
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