みなさん、こんにちは
6月27日の「おはようパーソナリティ道上洋三」にラジオ出演させて頂きました。内容は前回のブログで予告させて頂きましたようにソフトコンタクトレンズのケアの問題点です。実際の放送の様子をアップしましたのでぜひ聞いて下さい。
コンタクトレンズケア クリアケアvsMPS
事前にいくつかの質問事項が決まっておりそれに対してお答えするというインタビュー形式だったのですが、生放送で実際はその場のノリで話が進んでいくような感じでした。思わぬ質問もありちょっと返答につまってしまったところもありましたが無事に終了しほっとしました
前日にどんな話をしようかな?と思いつくままにシュミレーションをして予習してました。せっかくまとめた内容ですのでブログにアップしておきます。実際の放送の内容とは違ってますが
●コンタクトレンズを使っている人はよくご存じだと思いますが、まず、ソフトコンタクトレンズとはどんな特徴のものでしょうか?
大きく分けてハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズに分けられるんですけど、現在は市場の約8割程度がソフトコンタクトレンズになっています。ソフトコンタクトレンズは水を含んだ柔らかい素材のレンズで今では乱視用、遠近両用など多くの方に対応できるようになっています。しかしハードコンタクトレンズと違って消毒しながら使わないといけないんですね。
◎コンタクトレンズの感染症も夏場に多いのですか?
夏場は室温が高いため細菌感染が起こりやすい時期です。今日のお話で少しでもソフトコンタクトレンズの消毒について見直してもらえたらと思っています。
●先生はソフトコンタクトレンズに関して、多くの人に誤解があるということですが、どういうことでしょう。
1日使い捨てレンズ以外のソフトコンタクトレンズは毎回消毒が必要です。清潔に使わないといけない!という意識を持っている人は多いんですけど消毒しないといけない!という意識は希薄なような印象を受けますね。
◎どういった消毒液がよく使われているんですか?
はい、一番良く使われているのは、一液タイプのケア用品(多目的溶剤Multi purpose solutionと呼ばれるもの)です。
◎1液タイプというのは全部それでできるってことですか?
そうなんです。洗浄・すすぎ・保存と1液でできるので非常に便利なんですけど、落とし穴があって洗浄の時にこすり洗いを20回をしてからつけおきしなければ十分な消毒効果が得られないんですよ。
◎20回もですか?こすり洗いとは?
はい、20回です。こすり洗いを20回できている人とできていな人では100倍程度効果に差があるって言われてるんです。こすり洗いって汚れを落としているっていうイメージがあるんですが洗浄をしているだけではなくレンズに付着した細菌を振り落とすというようなものです。こすり洗いができていないことがレンズユーザーの眼障害の原因の第3位になっているぐらい大きな問題なんですよ。
●ちゃんとした洗浄消毒ができていないということですが、そうなるとどんなことになるのでしょうか?
汚れが残ってしまうとアレルギー性結膜炎の症状(例えば、かゆみ、めやに、くもり)が起こりますよね。消毒っていうのは、生物学的に清潔な状態をいんですけど、消毒ができていなければ細菌やカビなどが原因となる角膜潰瘍といったこわい感染症を起こすことがあるんですよ。
◎角膜潰瘍ですか?それはどういったものですか?
角膜の深い場所にまで傷ができてしまって細菌感染をおこした状態です。治療しても視力障害を残してしまうこともありますよ。私も多い時は月に10人以上の角膜潰瘍を診ますよ。
●通常消毒はどんな手順が必要なのですか?
当たり前のことなんですが、必ず手を石鹸で洗ってください。レンズをはずした直後にこすり洗いを20回してください。その後十分な量の洗浄液ですすがないといけません。あとは指定の時間レンズケース内でつけおき消毒をします。
◎結構大変ですね
もう1つ問題になっているのが翌朝レンズを装着した後、レンズケースの洗浄・乾燥です。これは水道水で洗ってもらったらいいんですけど完全に乾燥さすことが大切です。レンズケースの汚れによる感染症も多いですね。まとめると、こすり洗い・すすぎ・つけおき・レンズケースの洗浄・乾燥と簡単そうに見えて多くのステップがあるんです。
●手順が多いのですが、ちゃんと洗浄、消毒できない人はどれぐらいいるものですか?
多くのユーザーが手順を知っているはずなんですが、ついつい雑になってしまってますね。チバビジョンの調査によるとなんとユーザーの93.7%がこすり洗いができていないという認識があるそうです。約9割ですから。これはほんとほっておけませんよね。
●もっと簡単な消毒の方法があるのですか?
ありますよ。こすり洗いができていないユーザーが9割近くいるという中で私は、過酸化水素(オキシドール)を使った消毒をおすすめしています。商品名はクリアケアです。過酸化水素を使えばつけおきだけで十分な消毒効果が得られますから。どのユーザーにも一定の消毒効果が期待できます。ただし、過酸化水素ではすすぎができないため汚れがつきやすい方はすすぎ液を別に使わないといけないということがありますけど。
◎1液タイプと過酸化水素でそんなに違うってことですか?
1液タイプのMulti purpose solutionはつけおきだけでは十分な効果がなくこすり洗いっていう除菌の作業が加わって初めて効果があるんです。しかしそのまま目に入っても刺激がないようにという意味合いがあるんですよね。過酸化水素はつけおきだけで消毒が可能なんですけどそのまま目に入れることができず必ず中和という1つのステップが必要になります。安全性を考えると私は消毒効果が高いものを選びたいですけどね。
●使い分けるということが必要だということですか?
ほんとその通りだと思います。まずは消毒剤にはいくつかの選択肢があることを知ってもらうことですよ。これはもっと眼科医が検診のときに伝えていなければならないことなんでしょうけど。自分のレンズケアを改めて見直して、自分に適したケア用品を選択する必要がありますね。今日のお話でぜひとも覚えておいて欲しいことは消毒には「こすり洗い」が必要。できていなければ消毒効果の強い過酸化水素に変更していくということです。
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