みなさん、こんにちは
カラコンについては、このブログでも何回も取り上げていますね。2013年7月13日、14日にコンタクトレンズ学会が大阪国際会議場で開かれました。
学会の中でもカラコンによる眼障害が多くとりあげられていました。社会問題となってますよね。
で、簡潔に書けば安全で眼科専門医でもおススメできるレンズもあれば眼科専門医が勧められないレンズもあるということです。
結論的にいうとチバビジョンのイルミネートとJ&Jのディファインは安心だがそれ以外はおすすめできないといった内容でした。
では、その理由について書きます
コンタクトレンズを装用すると角膜に対する酸素透過性が悪くなるため眼障害を起こします。(角膜も呼吸しているのです)
どの程度の酸素が必要かというと
ワリと有名で広く知られているのが1984年の Holden and Mertz の
・終日装用なら DK/t値は 24
・連続装用なら DK/t値は 87
で、これが acceptable(受け入れることができる)酸素透過性と言うことになっています。
Dk/t値が24.1以上あることが、安全なレンズの基準となります。また良好なフィッティングでしっかり涙液交換がされていること。
酸素透過性は素材固有の物ですが、フィッティングはみなさんが実際にレンズを装着してみなければわかりませんけどね
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安心
ジョンソンエンドジョンソン社 1day Acuvue define Dk/t 33.3
チバビジョン社 フレッシュルックイルミネート Dk/t 26
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ちょっと心配
シード社 アイコフレワンデー Dk/t 24
ボシュロム社 ナチュレール Dk/t 24.4
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おススメしません。装用するならば1日10時間以内
ワンデーアイレリアル(リアルブラック) Dk/t 9.5
他、上記以外のレンズ
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もうひとつ、最近のはやりは「デカ目」ですね。これは私も知らなかったのですが、デカ目ほどおススメできません。
なぜならば、デカ目ほどレンズの直径が大きいこと、レンズの周辺部に色素がつくことでどうしてもレンズの動きが制限されてしまう。その結果、角膜や結膜にレンズが吸着して酸素不足を起こしやすいということです。これはgroupIの素材の場合です。レンズの直径を大きくするとgroupI素材の場合レンズのフィッティングがはりつきやすくなります。そのため本来は2つ以上のBC(ベースカーブ)があることが望ましいとのことです。
最近のカラコンの広告を見ると「デカ目」とか「13.2mm」とかを宣伝文句にしていることが多いのですが、逆に模様の大きさだけを宣伝しているような商品はやめておいた方がいいですね。
また大きさだけを宣伝している商品の中には国内未承認のコンタクトレンズを個人輸入という形で販売している業者もみます。自宅にしか送れませんとか1回に少量しか送れませんという商品はそうだと思ってもらったらいいと思います。
最後に、シンポジウムで今後のコンタクトレンズの販売についてコンタクトレンズ処方せんが法制化されるのか?
そういった議論がなされました。
処方せん化は規制緩和の世の中の流れには逆行していくような感じにもとれますが、中には粗悪な商品が流通していること、年々粗悪なカラコンによる眼障害が増えていっていることを考えると処方せん化の方向は避けられないかもしれません。処方せん化されると評判の悪いレンズは間違いなく売れなくなりますからね。
今でも評判が悪いとされているレンズのメーカーさんはより安全に使用できるように酸素透過性の改善などを検討しているか?というとそうでもないようですしね
眼科医がおススメできるカラコンについてまとめると
ある程度の酸素透過性が必要Dk/t 24.1以上
商品について(素材、酸素透過性など)の情報提供されているもの
トライアルレンズの供給があり、実際に試してみてから購入できるもの です
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