☆K'sコンタクト☆ 大阪府茨木市 ”くぼた眼科” 併設のコンタクトレンズ販売店

取り扱いコンタクトレンズの紹介、眼科のトピックスをアップしています。
http://kubotaganka.com/

近視進行抑制治療最前線2024

2024年11月12日 11時54分50秒 | コンタクトレンズ

この記事は2024.11に書いています。

多焦点ソフトコンタクトである商品X(MiSight1day) は日本では現時点では臨床治験は終了していますが、未承認の商品です。日本国内で未承認の内容が含まれています。そのため商品名は黒塗りにしています。

ただし、日本以外の国ではすでに承認されていて販売されています。今回、韓国で行われたAsiaPacificMyopiaMnagementに出席する機会がありましたので諸外国での「近視抑制の治療」について勉強できましたので内容を共有します。

 





 

近視抑制の治療には大きくわけて薬剤による治療(低濃度アトロピン点眼)と光学的な治療(オルソケラトロジー、商品X    MiSight1day、DIMS)があります。

低濃度アトロピン点眼はマイオピン点眼として海外ではすでに承認済みであり日本では参天製薬が治験を行い承認申請中です。私自身も治験責任医師として3年間にわたる治験にたずさわってきました。

商品X MiSight1day はアメリカFDAでの承認を受けておりシンガポール.台湾.中国.韓国などのアジア諸国をはじめカナダ、スペイン、オーストラリアでも発売されています。日本での早期承認が望まれているのですが現時点では承認申請中とのことです。この臨床試験にも治験責任医師として2年間たずさわってきました。

海外での商品X(多焦点ソフトコンタクト 以下多焦点SCL)の状況はいかがでしょうか?

これは臨床試験の結果の一部ですが、商品X とプロクリア1dayを二重盲検した結果ですが眼軸長の伸展が有意に抑制されました。効果としてはオルソケラトロジーと同等程度と考えられます。

 



 

 

オルソケラトロジーを選択するか?多焦点SCLを選択するのか?は難しい選択ではありますがそれぞれの利点と欠点が考えられます

オルソケラトロジーの利点は日中は裸眼で生活ができること。視力改善が実感できること 慣れれば取り扱いも難しくなく継続利用できること

一回の購入で長期間使用できるのであれば初期費用は高額になるものの割安感があるようです。

ただし、軽度の近視でしか矯正効果が少ないこと、軽度の近視であってもフラットな角膜曲率半径を有する目では視力の改善が難しいので

強度の近視の場合は多焦点SCL(商品X) が選択されると思います。多焦点SCL(商品X)の利点としては通常の使用では点状表層角膜症などの角膜に対する機械的な障害が少ないと思われます。オルソケラトロジーをして良好なフィッティングであるにも関わらず角膜中央部に点状表層角膜症(SPK)を繰りかえす例では多焦点SCLの方が有利です。

オルソケラトロジーでも多焦点SCL でも一定程度のアレルギー性結膜炎の可能性がありますが同程度の頻度と思われます。

私の個人の印象としては小学校の低学年であればソフトコンタクトの装用練習よりもよりレンズの直径の小さいオルソケラトロジーの方がうまくできるようです。

すでに発売されている韓国でのリーフレットの写真です。

日本の眼科医としては、承認が遅れていて治療の選択肢が少ないこと。近視抑制治療の領域では東アジアの諸外国に対して遅れていることを残念に思います。ハングルは読めないので(笑)内容はわかりません

 







 

 

DIMS(Defocus Incorporated Multiple Segments)とは日本のHOYAが製造した特殊なメガネであり通常のメガネを装用するのに比較して62%の近視抑制効果が認められたものです。韓国でもすでに販売されています。コンタクトレンズに比べて有害事象が全くないことが最大のメリットですが、「近視進行抑制効果」の承認を得るには諸外国で実績があったとしても臨床治験が必要でありこれもまた日本が他の東アジアから遅れています。臨床試験には莫大な費用と時間がかかります。

海外では様々な治療がありますが、日本ではまだ承認された治療はないのです。

 





こちらのスライドは近視進行抑制治療とすすめられるのは0.025%以上のアトロピン点眼、オルソケラトロジー、多焦点SCL、DIMS、屋外活動が推奨される。といった内容でした

 

 

 

今回、韓国の眼科医と多くの議論をしてきましたが、韓国では多くの近視抑制治療のツールがあるにも関わらず日本では未だに未承認との現実を実感しました。

最後になりましたが、日本の近視治療の第一人者と呼ばれる先生ともお話ができましたが今後日本で近視治療が始まったとしても

学童近視と遺伝的な病的近視とわけて考える必要があるという問題があります。どんな近視でも効果が一定程度あるとは限りませんので眼科医院できっちりと検査を受けて治療効果と有害事象を確認してもらう必要があると思います。

長文のブログとなりましたが最後まで読んでくださってありがとうございました。

 





 

大阪府茨木市 医療法人かがやき くぼた眼科

院長 久保田泰隆

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MARLÖ 始まりました!

2024年07月01日 16時27分16秒 | コンタクトレンズ

日本アルコンのコンタクトレンズをオンラインで注文できるMARLÖが当院で取扱いできるようになりました。

 



 

医療機関のDX化とともにユーザー側にもメリットのあるシステムです。

眼科で検査を受ける(安心)→公式サイトより直送(安全)→オンラインで注文可能(便利)

なシステムです。詳細はこちらからご確認できます。

当店は日本で一号店です!

2024.615(リッツカールトン大阪)2024.6.29(帝国ホテル東京)で講演会があり

そこでパネリストとして登壇してまいりました。

 









 

情報交換会では参加者のみなさまと色々お話ができて有意義な日となりました。

新製品の開発には数年単位がかかるのですが、IT技術の進歩は日進月歩

MARLÖは今後ますます進化していきます。

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワンデーアキュビューオアシスMAX日本上陸

2024年05月14日 14時29分31秒 | コンタクトレンズ

ジョンソンエンドジョンソンから1日使い捨てソフトコンタクトレンズの新商品が発売されます

ワンデーアキュビューオアシスMAX

通常の1日使い捨てレンズだけでなく遠近両用まででます

 



 

すでに米国では発売されており、「オアシスを越えたオアシス」と大変好評なレンズです。

何が好評かというと、乾燥感が軽減され疲れにくく快適なつけ心地、コンタクトレンズ上の涙液層の安定によりさらにクリアで快適な見え方が実現されました。

最近のコンタクトレンズでの話題はCLDと言われています。

CLDとはcontactlens Discomfort といわれコンタクトレンズ装用に伴う不快感を指します。

CLD軽減のためにはコンタクトレンズ上の涙液層の安定コンタクトレンズの素材の柔らかさ、コンタクトレンズと角膜・コンタクトレンズとまぶたとの間の摩擦が少ないレンズほど有益だとされています。

発売は2024.7と聞いておりますが、一部のクリニックでは先行販売もあるそうです。

当院での取り扱いは2024.4を予定しております。

新商品の発売によりユーザーからは選択肢が増えることが最大のメリットです。

お楽しみにして下さい

 



 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1day Acuvue OASYS MAX will be launched in Japan soon

2024年05月14日 14時28分01秒 | コンタクトレンズ

Johnson & Johnson launches new daily disposable soft contact lenses

ONE DAY ACUVUE OASYS MAX

Not only regular daily disposable lenses but also bifocals are available.

 



 

It has already been released in the United States, and is a very popular lens that has been described as `` new oasys better than the  oasys.''

What has been well received is that it reduces dryness and is comfortable to wear without causing fatigue , and the stabilization of the tear film on the contact lens provides clearer and more comfortable vision .

The latest hot topic in contact lenses is called CLD .

CLD is called contactlens discomfort and refers to the discomfort associated with wearing contact lenses.

In order to reduce CLD , it is said that the stability of the tear film on the contact lens , the softness of the contact lens material , and the less friction between the contact lens and the cornea, and between the contact lens and the eyelid, are more beneficial.

I hear that it will be released in July 2024, but some clinics are also selling it in advance.

Our hospital is scheduled to begin handling the product in April 2024.

The biggest advantage of new product launches is that users have more options.

Please look forward to it

 



 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生感覚レンズから2week乱視用が新登場

2024年01月23日 14時20分21秒 | コンタクトレンズ

とうとう!

生感覚レンズから2週間交換型の乱視用レンズが発売されます!

トータルフォーティーン乱視用

total14乱視用

2024.6発売です。視力のでやすかったエアオプティクスの乱視用のデザインを引き継ぎ、レンズの素材が一新されました。

装用感のよい生感覚シリーズですので、これはかなり期待できそうです。

当院では、2024.3上旬より先行販売いたします。どうぞよろしくお願いします。

パラメーターは写真の通りです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする