みなさん、こんにちは 2021年のコンタクトレンズ学会で新商品の発表がありました。
その名はワンデーアキュビュー セラビジョン アレルケア
最近の商品はどんどん名前が長くなって複雑で困りますね、、、
ワンデーアキュビューは長年に渡って愛用者のいる人気の1日使い捨てレンズですね。
セラビジョンとはtherapy(治療)+vison(視覚) つまり従来の視力矯正をするだけではなく、アレルギー性結膜炎による”かゆみ”の症状を緩和させる点眼薬の成分が含まれたものです。
より具体的に説明をするとザジテン点眼液の有効成分(ケトチフェンが含まれます)
コンタクトを装用しケトチフェンの成分があたかも点眼をしたあとのように効果が出てくるというものです。
花粉症大国の日本ではかなりのユーザーニーズがありそうで、良い点に目をつけられたなと思いますがいくつか問題点もありそうです。
あくまでも治療用ではなく、症状の緩和を狙ったものであるという商品であること。
「アレルギー性結膜炎の治療用ソフトコンタクト」というものではありません。しかし薬剤が含まれていることにより
厳格に眼科医の処方に基づく購入のみしかできないとのことです。ネット通販で簡単に手に入るっていう商品ではありません。
ケトチフェン含量は
アレルケア1枚に 0.019mg/枚
ザジテン点眼液に 0.05mg/ml(ちなみに点眼1滴は50μlなので点眼1滴に含まれるケトチフェンは0.025mg)
うん?ブリスターにザジテン点眼液が1滴程度入っているだけ?でも、一部の有効成分が含水性レンズの特徴でもありレンズ内に取り込まれることにより装用後12時間後も効果があったという実験データもあります。つまり点眼作用の徐放作用(ゆっくりと効果が持続する)がある可能性も示唆されています。
ザジテン点眼液は酸性のpHをもち点眼時の刺激が指摘されています。
ザジテン点眼液に比較してアレルケアのpH値は中性なのでしみないのかな?でもまだ使ったことないです。
アレルケア pH 6.6-7.1
ザジテン点眼液 pH 4.8-5.8
となると、この新商品はどのような人にいいのか?考えてしまいますね。
痒みがひどくて治療が必要な人には不十分だし、痒みの症状がないのに予防的に使う意味があるのか?不明だし
もしかしたら、例年花粉症の症状があるんだけど眼科で点眼薬を処方してもらうほどでもない人に適応があるのか?
非常に期待されていたレンズだけに、今後の処方動向に注目です。
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大阪府 茨木市の眼科 白内障・緑内障・飛蚊症・コンタクトレンズ・加齢黄斑変性症 OCT
医療法人かがやき くぼた眼科 院長 久保田泰隆
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