みなさん、こんにちは
今日は、うっ血乳頭についてお話しします。コトバンクにはリンクの通りの記載があります。
その文章を引用させて頂きますと、
[どんな病気か]
脳圧亢進(のうあつこうしん)(脳の中の圧が高くなる)のため、眼底検査で視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)に強い浮腫(ふしゅ)(むくみ)がみられる状態をいいます。脳腫瘍(のうしゅよう)や脳出血などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)の診断の重要な所見の1つです。
両眼にみられ、初めは視力低下はありません。頭痛、吐(は)き気(け)、めまいなどの自覚症状があるため、神経内科や脳外科を受診し、眼底検査で発見されることも少なくありません。
[治療]
うっ血乳頭が発見されれば、頭部のCTやMRI検査が行なわれ、頭蓋内病変の発見に努めます。脳圧が下がると乳頭の浮腫はとれます。
浮腫が長く続くと視神経が萎縮(いしゅく)して視力低下をおこし、治らないことがあるので、できるだけ早く頭蓋内疾患の治療を行なって脳圧を下げます。
なぜ?今回取り上げたかといいますと、眼底検査とは人間ドックなどでもよく検査される項目ですが、眼底検査をすることによって体の病気が見つかることもあるということです。わりと頻繁にみられるのは糖尿病や高血圧・高脂血症に伴う眼底出血や、網膜動脈硬化症です。
眼科の病気としては、加齢黄斑変性(AMD)をはじめとした黄斑疾患、視神経乳頭陥凹(緑内障の疑い)などが見つかることが多いです。
さて、下の眼底写真をご覧ください。これは正常な眼底所見です。右の方に見える丸いのが視神経といいます。
下の写真を見ると、視神経乳頭周囲の腫脹と出血が見られますね。この状態がうっ血乳頭と呼ばれる状態です。
これだけ眼底に出血していても視力低下というような自覚症状はほとんどありません。
この方は飛蚊症の症状のため受診されました。
通常は両眼性です。高血圧症でも同様な症状を呈することがありますがいずれにしても頭蓋内病変の確認・全身精査が必要となります。
今回の例では黄斑部に網膜剥離も合併しておりました。
眼科の検診で、思わぬ身体の病気が見つかることも少なくありません。
詳細は書きませんが、この方は脳神経外科に入院治療が必要な病気が見つかりました。
何か心配なことがあればなるべく早めに眼科受診するようにしてくださいね。
眼科のHPはこちらまで http://www.iwasaki.or.jp/