『源氏物語』3帖 空蝉(うつせみ)
人違いで空蝉の義理の娘と関係する
光源氏17歳夏
[光源氏、空蝉に会えず]
光源氏は小君(空蝉の弟)の案内で紀伊守邸宅を訪れ、空蝉が軒端荻(のきばのおぎ)(空蝉の継娘)と碁をしている様子をかいま見た。
その夜、光源氏は空蝉の部屋に忍び込んだが空蝉は薄衣を残して逃げ、光源氏は軒端荻と一夜を明かした。
光源氏は空蝉の残した薄衣(小袿)を持ち帰り、空蝉に歌を贈った。
巻名は光源氏と空蝉の歌による。
「空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな」
「空蝉の羽におく露の木がくれてしのびしのびにぬるる袖かな」
※上の写真は、「蝉の抜け殻/12単衣の抜け殻)」/無料(フリー)写真素材を使用
空蝉は光源氏との境遇の差を痛感して、悩み苦しんだ。
※上の写真は、「蝉の抜け殻/12単衣の抜け殻)」/無料(フリー)写真素材を使用
【源氏物語3帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
空蝉(うつせみ)
伊予の介の後妻(再婚相手)。軒端の荻は義理の娘であるが、同世代。
光源氏とは一度だけ関係を持つが、人妻の身ゆえに後は拒否し続ける。やがて夫について京を離れる。光源氏が寝所に忍び込んだ時に、着物を一枚残して逃げたので、「空蝉」(セミの抜け殻)という名前で呼ばれるようになった。
軒端の荻(のきばのおぎ)
空蝉の義理の娘。伊予の介と先妻との子ども。空蝉と勘違いされた結果、光源氏と一度だけ契る。その後、軒端の荻は光源氏を慕うが空蝉を想う光源氏は本気にならなかった。グラマラスな美人だが、あまり品が良くない。
小君(こぎみ)
空蝉の弟。
空蝉に近づきたい光源氏は、小君に使い走りをさせ手紙を送る。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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