筑紫の国から『花つくし日記』

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●『源氏物語』2帖 帚木(ははきぎ) 雨夜の品定めと、人妻・空蝉との一夜

2024年04月21日 | xx源氏物語

『源氏物語』2帖 帚木(ははきぎ)
雨夜の品定めと、人妻・空蝉との一夜
光源氏17歳の夏

五月雨の夜、17歳になった光源氏のもとに、頭中将が訪ねてきた。さらに左馬頭(さまのかみ)と藤式部丞(とうしきぶのじょう)も交えて、4人で女性談義をすることになる。この場面は慣例的に『雨夜の品定め』(あまよのしなさだめ)と呼ばれる。

※上の写真は、「雨」/無料(フリー)写真素材を使用

頭中将は、女性と付き合うなら「中の品」(中流)の女性が一番よいと前置きし、子までもうけた内縁の妻の話をする。その女は頭中将の正妻(弘徽殿女御の妹)の嫌がらせにあい、現在も行方がわからない、女児がいたため今も忘れられず、思い出すと悲しいと語る(後に内縁の妻が夕顔、子供が玉鬘だということがわかる)。

翌日、紀伊守の屋敷に方違えのために訪れた光源氏は、前日話題となった中流階級の女性である空蝉(伊予介の後妻)のことを聞き、かいま見て、興味を持ち、深夜にその部屋に忍び込み、強引に一夜を共にする。

あの一夜以来、空蝉を忘れられない光源氏。そこで光源氏は、紀伊守に計って彼女の弟・小君を近侍として自分の元で仕えさせることにする。光源氏から文を託された小君は、空蝉に文を届けるが「お断り申し上げなさい。」と叱られる。姉の返事を光源氏に伝えると、(何故ここまでつれなくされるのか?)と自分になびかない空蝉を、『竹取物語』の「なよ竹(かぐや姫)」になぞらえる光源氏だった。光源氏はふたたび中河の家に行き、空蝉は光源氏をさけて会わない。


 

巻名は光源氏と空蝉が交わした和歌にちなむ。
帚木の心をしらでその原の道にあやなくまどひぬるかな」
「数ならぬ伏屋に生ふる名のうさにあるにもあらず消ゆる帚木

※写真は、「帚木(ははきぎ)晩夏」/無料(フリー)写真素材を使用


【源氏物語2帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

頭中将(とうのちゅうじょう)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

空蝉(うつせみ)
伊予の介の後妻(再婚相手)。軒端の荻は義理の娘であるが、同世代。
光源氏とは一度だけ関係を持つが、人妻の身ゆえに後は拒否し続ける。やがて夫について京を離れる。光源氏が寝所に忍び込んだ時に、着物を一枚残して逃げたので、「空蝉」(セミの抜け殻)という名前で呼ばれるようになった。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。


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