木もれ日の降る道

心に残る風景や自然・花など
記録として綴ります

富士登山をしたあの日

2023年08月02日 | 懐かしのあの日

富士登山をした時の事を 記憶とビデオから撮った写真とを頼りに綴ろうと思います
かれこれ30年ほど前 その記憶はいまだに鮮明に残っているのですが・・

家族で登山などした事がなかったので 子供たちにとっては初めての山登り
それが富士山だったとは・・ ただただ 家族で一緒に山頂に立ちたい!
との思いだけで登ったのですが 今考えるとなんと無謀な事だったのかと・・

出発前 息子たちは心配ないけれど 親はというと運動不足なのは確実で
息子たちに後れを取るまい 少しでも体力を付けなければと思い
数週間前より付近を歩いたり走ったりしてから登山に臨みました

実は学生の時に八合目までは登ったけれど登頂は断念したという苦い経験が・・
家族を巻き込んでのリベンジとも云うべき チャンスが この時だったのです



忍野八海の清らかな湧水に触れあった後


息子たちにも しっかり登山靴や防寒着などを用意し
午後 身支度を整え五合目 富士吉田口から出発しました


六合目・七合目・・と到着の度に金剛杖にその合目の焼き印を入れてもらいながら♪
雷雨に遭い怖い思いをしながらも八合目の山小屋(東洋館)へ到着 そして一泊・・


晴れると甲府の街や青木樹海、山中湖などが眼下に見え
目にするもの全てが新鮮で感激したものでした
山小屋ではすし詰め状態で 寝返りをすると直ぐ脇に他人の足が見え
殆ど眠れずに時間が過ぎるのを待ち 夜明け前の3時頃に起床・・


朝食もそこそこに 身支度を整え 九合目あたりの登山道で感動のご来光を迎えます


ゴツゴツした岩の登山道 標高が上がると家族みんな高山病気味に・・
山頂に近づくと たった5m歩くだけで 息が上がり足がとてつもなく重くなり
携帯用酸素を吸入しながらも一歩一歩が必死・・


改めて富士登山の厳しさを思い知らされたのでした


それでも数時間を掛け 全員で山頂に立てた時の喜びは相当なもので
眼下に相模湾の形がクッキリ見えただけで大喜びしたものでした


山頂の本宮浅間大社頂上奥宮では焼き印ではなく コンコンコンと朱印を打って頂きました


そして噴火口を覘く事も忘れませんでした
 体力消耗の為 お鉢巡りや剣ヶ峰へ行けなかったのは残念でしたが・・
(当時はまだ気象レーダードームがありました)
あまりゆっくりもしていられず 砂交じりの下山道をひたすら歩き
無事に五合目までたどり着いたのでした


当時の事を思い出しながら金剛杖を懐かしく眺めてしまい
この時の想い出は 家族全員の宝物となりました

現在 世界遺産となった富士山に一泊せずに登ってしまおうとする
「弾丸登山」なるものが増えていてとても危険なのだそう・・
決して甘くない富士登山 準備と覚悟を持ち愉しんでほしいものです
しかしながら 富士山は遠くから眺めてこそ美しいと つくづく感じたものです