「先生、痛い、手を離してください。」
雛美礼が嫌がっていることは、重々承知している。
僕は雛美礼を抱きしめ耳元でゆっくり話し続けた。
「もう、君は、僕のものだよ。
ところで、君は、僕に、何を期待しているのかなぁ。
僕は、君を自分のものにして行く夢の青写真は、完成しているからね。
後は、ゆっくり、計画を進めるだけだよ。
君は、分っているのかなぁ?
本当に、僕を少しづつ知って、その . . . 本文を読む
一之瀬先生のお宅のドアを開けると、昨日と同じように、足の踏み場も無いほどまた散らかっていました。
「またかぁ・・・」
昨日同様の散らかった部屋の意味が分かりませんでした。
「なぜ?どうして欲しいの?」
昨日の告白で、私と付き合いたいといってくださったことに間違いが無いとすれば、これは完全に見て欲しいということだと思いました。
それ以外の理由は思いつきません。
先生は、私に知って欲しいと言っていたの . . . 本文を読む
なぜだか分からないが、雛美礼と話すと、私の心が騒ぐ。
寄り添っていたい心と、激しく波打つ心。
それは、昨年のあの時からそうだったのかもしれない。
彼女の言葉すべてが、私の心をくすぐる。
あの喋り方か?あの声か?はっきりとは分からない。
私は雛美礼と会話の中に、喜びを共有できる何かを感じ惹かれたのだ。
あの時も、私は、雛美礼の声を聞き惹かれたが、彼女が何を話したか、それは覚えていない。
. . . 本文を読む
雛美礼の気持ちが落ち着いいた所で、ゆっくりと時間をかけて部屋の掃除をすることにした。
雛美礼が、食事を作ってくれるといった。
男の部屋だフライパンぐらいしかない。
買ってあった材料で雛美礼が、スパゲッティーを作るのを、眺めていた。
手馴れた手つきで料理を作る。
女性だから料理ぐらいでからだろう?と、考えるのは、偏見かもしれないが料理する女性の姿はやはり良い。
一つ一つの所作に見入ってしまう。
こ . . . 本文を読む
私は、いつしか、心の中で雛美礼と呼んでいることに気が付いた。
自分の家に入った頃からだろうか、やはりここでは、今までのように、雛美礼と呼べる。
肩の力が抜けている。
もう雛美礼に対しては、見えない壁を作る必要が無いのだ。
私という必要はない。自然体で行こう。
それを雛美礼は許してくれるだろう。
腕の中に居る雛美礼は、もう僕のものだ。
雛美礼と声に出したい
だが・・・まだ、そこまで出来ない僕が . . . 本文を読む