楽な下り坂より苦しい上り坂を選ぼう

”人の為に、皆の為に ”

門松のこだわり

2006-12-28 15:01:05 | Weblog
門松にも洗練された気品ある物と、そうでないガサツな物とがあり、作るからにはより美しい物をと思い当然いろいろ研究する。材料選びから始め先ずはある程度の太さ(周囲が30cm)で、節間の33cm以上の孟宗竹を探す。曲がりの無いもの、傷の無いもの、2~3年生のもの・・・こんな条件の竹は竹薮に1000本の竹が在っても10本程あればいい方だ。
京都の鈴虫寺に近くに美しい竹薮の寺があったが、あれくらい手入れをすれば希望する竹も沢山出るだろうが、清酒券2枚で好きなだけ切らせてもらう竹薮にはそんな一級品は1%もあれば上等。

門松に使う一番長い竹で1.5m一番短い竹で1.2m中間ので1.3m。合計で4mだから、5mの竹一本あれば一組できそうなものだが、そうは行かない。
元は節間が狭くなるし、先は胴が細くなる。
上手くいって1本の竹から中と小の2本取れるかどうか?切り出し、運搬、洗いなどの作業中に傷が付かないように細心の注意を払う。

それから例の斜め切りが始まるが、これがナカナカ厄介。均一な角度、ササクレ防止、笑い口の大きさとバランス。竹ノコはさすがに新品の歯に取り替える。
均一な角度は型を作り、ササクレは竹の先の方に体を置き捨てる側へノコ目を引けばササクレは絶対に起きない。

切り口付近の皮がささくれを起こしやすいので、やれテープを巻くの紙を貼るのと騒ぐ人が多いのに実は呆れている。
そういう人は切り捨てる側の竹がササクレの無い美しい切り口になっている事に気が付かないのだろうか?

斜め切りで一番問題になるのは、丸い竹を斜めに引くので薄い竹ノコの歯が外に逃げようとすることである。この原理を無視してノコを引くとよじれた切り口になる。高速回転の電動竹用丸ノコならゆがみは無いが、慎重に切らないとササクレが恐い。

そんな便利な機械が無いので、オール手仕事製作はいろいろの工夫と研究を繰り返しながらの作業となる。
黒、赤松・紅白梅・赤、白実ナンテン・ユズリハ・クマザサ・これ等を集めるのも難題といえば難題。特にクマザサは水揚げが悪く、葉が巻いてしまうからこれの防止が課題・・・・(試験・研究中)。どなたか教えてください<(_ _;)>。

台となる箱も周りを竹で釘留めし、化粧縄で結ぶなどこれが案外手間の掛かる作業で、材料も意外に沢山必要である。今日は強風が吹き荒れているから、飾り付けの終わった物からトラックの荷台に載せ、30日の配達を待つ。クマザサはその時に付け加えます。

しかしこういった趣味の仕事は楽しい!一年に感謝し、新年が良い年でありますように!





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