いやぁ~寒い、寒い。。。
来週、誕生日を迎える私ですが寒いのは苦手です(涙・・・)。
丁度この季節になると、思い出すのは10年以上前のこと。
「The VISITOR」というバンド(元「横道坊主」梅本氏がリーダー)のマネージャのとき。
この季節に東名阪・中国・九州のツアーが組まれちゃったんですね、事務所のN社長に。
神戸、寝屋川、大阪、熊本、博多、大分、広島、岡山、名古屋の9ヶ所。
全てのブッキングと宿の手配は、
同行させて頂いた「インテンゲレメンツ」さんをマネジメントされておられた
MAT黒田さん(「VOGUE」:現「HEAVEN'S ROCK」プレジデント)にお願いして。
黒田さんにはその後も借りばかりで・・・(冷汗)。
機材車で新高円寺を出発したのは快晴の土曜日の午後。
静岡西部に差しかかったところ、遠く西の空に不気味などす黒い雲。
「あの雲の下に行くんか・・・」とゾッとして、夜の名古屋は吹雪。
関ヶ原の大雪のため、大垣インターで東名から降ろされる。
アイスバーン化した一般道をノーマルタイヤのまま恐る恐るチビチビ走り、
国道での関ヶ原越えを諦め、大垣駅近くのビジネスホテルに飛び込み宿泊。
関ヶ原の戦の前、石田治部が逗留したという大垣城は、雪化粧のライトアップで奇麗でした。
土曜日の午前中、英会話スクールのレッスンを受けたくて、
出発時間を早めに設定しなかった私の失敗でした。
(早めに埼玉を出られた「インテンゲレメンツ」さんは三重県経由で神戸の宿に無事到着)
1999年1月のことでした。
--------------------------------------------------------------------------
本題に入ります。
今回、取り上げるのは、この書籍(↓)です。
著者は、株式会社感性リサーチ研究所の黒川伊保子さんと岡田耕一さん。
語感研究者である黒川さんは、1999年、各商品のネーミング変化に気付かれたそうです。
英語造語から日本語、イタリア語へ。
子音(機械音)から母音(自然音)、デジタル音からアナログ音への嗜好の変化。
1999年を「大衆の共通感性の分岐点」と名付けた黒川氏は、
元MIT医療研究所の脳生理学者、トニー・ネイダー博士の「人間の生理」という論文に出合われます。
そして、1999年の市場全体で起こった子音から母音への嗜好変化を、
大衆の脳が「短い軸索が活性化しやすい脳状態」から、
「長い軸索が活性化しやすい脳状態」へ変化したことに起因する、
という仮説に辿り着きました。
この10年間、よく「男性脳」「女性脳」ということをよく聞きますが、
「短軸索活性系」=「男性脳」:デジタル系
「長軸索活性系」=「女性脳」:アナログ系
ということになります。
*男性の右脳と左脳を結ぶ長軸が短軸に「改造」されるのは、
胎児の脳内で分泌される男性ホルモン「テストステロン」の仕業。
で、「時代の中の気分」というものにも、
「デジタル気分」「アナログ気分」の周期性があるのではないか?
という仮説も導き出されました。
「飽きる」ということは人間の才能である、
というのが黒川氏のご持論で、私も説得力があると考えます。
でなければ、文明の進歩なんてないんじゃないかと。
「デジタルとアナログの2つの気分は、正弦波のような傾向を描くのでは?」
と考えた黒川氏は、自動車デザイントレンドから「アナログ/デジタル周期説」を
導出された菅原健二氏と出会われたそうです。
丸いティアドロップ型のグラマラスラインと、四角い楔形のシェイプラインの流行。
最も丸くなる、四角くなる周期は28年。
28年の変化は、7年ごとの変化ブロックで構成される。
自動車、ファッショントレンドの膨大なデータの裏付けによる「28年周期説」。
この菅原氏の説を黒川氏は取り入れました。
「アナログ気分」28年、「デジタル気分」28年の56年周期説です。
因みに認知科学で「マジカルナンバー」と呼ばれる「7」は、
容易に短期記憶に収められる最大数。
太陽暦の1週間の単位で、4倍すれば月の公転周期に近い。
女性の月経の周期にも近く、人の脳と身体の周期にもなる。
人の骨髄液の入れ替わり単位も7年。
よって免疫システムも7年で変化するそうです。
(「7年目の浮気」も理にかなっている?)
黒川氏は、この「デジタル気分」と「アナログ気分」の56年サイクルを、
「ブレイン・サイクル」と名付けました。
下図は、『なぜ、人は7年で飽きるのか』の「A/Dビュー」を、
Excelを使って自分で作っちゃったものです。
(小さくて見づらいですが、一番下に引用元の注釈を入れました)
*大衆の脳は、28年のデジタル気分と28年のアナログ気分を56年周期で繰り返している。
*1999年、時代はアナログ気分(女性脳期)に突入、産業構造は、「大量、画一、マス」から「適量、多様、パーソナリティ」(口コミ、通販)」へ。
(同書61ページより)
≪アナログ期に好感度が上がるもの≫
◆ドラマティック
多様、例外・特別、紆余曲折、意外性
◆共感、情報交換
口コミ
◆複雑系
アナログ、自然、人間性
◆デコラティブ
グラマラスライン、模様、多色使い、異素材ミックス、
リボン、フリル、エッジ、包む・重ねる
(同書、74、75ページより)
≪デジタル期に好感度が上がるもの≫
◇論理的
答えがひとつ、だれもが納得する、最小コスト、最短パス、必然性
◇競争
サバイバル気分、情報収集
◇合理性
デジタル、人工、論理性
◇シンプル
直線的なシェイプライン、モノトーン、統一感
(同書、80、81ページより)
いかがですか?
2010年現在は、99年に始まった「アナログ期」の第2周期である「ブレイク期」。
3年後の2013年に、「アナログ期」は絶頂を迎えます。
日産マーチの円めのフォルム。
新幹線N700系の流線形。
「今だけ限定」「貴方だけ限定」の商品群。
紆余曲折と意外性だらけの韓流ドラマ。
口コミなんてのは今さら言うまでもありませんよね。
「癒し」はもううんざりするぐらい。
「エロカッコイイ」「キモカワイイ」など通常では結び付かない概念の組み合わせは、
長軸索活性系の女性脳の特徴だそうです。
絢香あたりで一般化した「等身大」。
「○○ちゃんは等身大で、若い女の子の気持ちが云々♪」
なんて胸クソの悪くなるようなコメント溢れる芸能系音楽雑誌。
このところ騒動となっている角界。
「モーニング・ブルー・ドラゴン」は引退しました。
これがもし「デジタル期」の出来事だったとしたら、
「モラルがなくても、伝統を軽んじても、とにかく強けりゃいい」
ということで、引退には至らなかったんじゃないか? と思います。
「MBD」引退による不経済効果よりも、各界の伝統を重んじたのが今。
(私の個人的な気分としても、引退に賛成です)
対して、「デジタル期」の特徴である「論理性」。
ITの進歩で一見、世の中を席捲しているかのようです。
私もビジネスパーソンですので、
「ロジカル・シンキング」「クリティカル・シンキング」の本は沢山読んできました。
しかし、ビジネスの世界限定じゃないですかね? こういう「ブーム」は。
勝間和代さんのブームもマスコミで盛り上がった反動(=消費されたこと)で、今や食傷感も出ています。
もちろん、勝間さんご自身が悪いわけじゃありませんよ。
むしろ、これからの「デジタル期」を先取りし過ぎている、という見方もできます。
そりゃ、勝間さんのようにシングル・マザーで激務をこなす、となれば、
「アナログ期」だろうが関係ないでしょうけど、フツーの女性は壊れますって。
彼女のフォロワーである所謂“カツマ-”と呼ばれる人達の絶対数は、
女性より男性のほうが多いんじゃないかな? と私は推測します。
違ってたらゴメンなさい。
(今年は「ほぼ日手帳」を使ってる私、昨年は勝間さんの手帳を使ってました)
そして何よりも、米国MBA流とやらの結果はどうなったのか?
お粗末な「リーマンショック」「サブプライム問題」の露呈じゃないでしょうかね(苦笑)。
(私はMBA流を否定はしませんし、勉強はしてますよ。“短軸的な誤解”はしないでね)
「同じ事象も、大衆の気分が違えば、まったく違う見方になる」(同書85ページ)
最近はマスコミから姿を消した細木和子氏。
(私は、山本圭一扮する“太木数子”が大好きでしたが・・・)
「デジタル期」に突入した1970年代の「第一次ブーム」の時は、
「大殺界で死を予言する」恐ろしい占い師。
「アナログ期」の2000年代の「第二次ブーム」では、
「大殺界の乗り切り方を教えてくれる」ありがたい伝道師。
表現方法も、髪型も服装も、本の内容もほぼ同じなのに、
受け取る大衆(と取り上げるマスコミ)のほうが、
勝手に怖がったり、勝手にあがめたり。
そしてあがめて飽きたら貶めて捨てる。
2000年代は「スピリチュアル」もブームでしたね。
これも「デジタル期」だったらブームにならないか、
逆に怖いものとしてマスコミが取り上げたことでしょう。
そういえば、私の身の回りの人達を見回してみても、
江原啓之氏とかを目の敵のように嫌っていたのは、
男性の中でも“超短軸系”の人でした。
こんなもんなんでしょうね。
そう考えると、30、40年もブランドとしての価値を保っているアーティストは驚異的ですね。
(日本では「サザン」の桑田佳祐氏とか「E・YAZAWA」とか)
勿論、“売れた”ことによる有形・無形の資産があるからですし、
当人達もステークホルダー達も、勘と経験と度胸で、
こういうサイクルとかは意識はしていなかったとは思いますが。
(だから偶然の産物、なんですけどね)
またまた長くなってしまいました。
復習してみます。
同書による「流行」「トレンド」の定義とは、
「流行を生み出すのは大衆の意識傾向(トレンド)であり、
トレンドを生み出しているのは脳の中に脈打つ意識サイクルである」(10ページ)
◆個体の脳の意識サイクル=ブレイン・サイクル
◆ブレイン・サイクルによって生み出される大衆の意識傾向=感性トレンド
◆感性トレンドによって生み出される社会現象=流行
この定義は構造的で実にすっきりしています。
「○○ちゃんは等身大で、若い女の子の気持ちが云々♪」
なんて言ってるような“芸能”チックな人達は、(俺もしつこいね・・・笑)
現象である「流行」に振り回され続けます。
さらに、その人達に振り回される「制作者」たちは、
「そりゃ、“2匹目のドジョウ”を狙え! ヒットじゃ、ヒットじゃ!」と、
同質化のスパイラル地獄にのめり込んでいきます。
まあ、現象である「流行」は大切なんですけどね。
販売結果のランキングも大切です。
しかし、その土台となる「ブレイン・サイクル」「感性トレンド」の分析を疎かにするな、
というのが私のスタンスです。
だから、認知心理学や脳科学は大切にしていきたいなと。
昨今、ブームになっている行動経済学も大切ですが、
騒ぐにはちょっと古いかな? その「先」のステップがあることをお忘れなく。
下図は、「ブレイン・サイクル」の正弦波を移行の視点から、
つまり、トップからボトム、ボトムからトップの28年で区切ったビューです。
(「S/Hビュー」)
「アナログ期」の第2周期である「ブレイク期」にあたる2010年は、
「ソフト期」の第4の四半期。
「市場ニーズ優先の時代」「ハードよりソフト、ブツよりコンテンツの時代」は、
あと3年で絶頂期を迎えた後、「デジタル期」への移行により、衰退へと向かいます。
第6回に続きます。
**************************************************************************
お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
来週、誕生日を迎える私ですが寒いのは苦手です(涙・・・)。
丁度この季節になると、思い出すのは10年以上前のこと。
「The VISITOR」というバンド(元「横道坊主」梅本氏がリーダー)のマネージャのとき。
この季節に東名阪・中国・九州のツアーが組まれちゃったんですね、事務所のN社長に。
神戸、寝屋川、大阪、熊本、博多、大分、広島、岡山、名古屋の9ヶ所。
全てのブッキングと宿の手配は、
同行させて頂いた「インテンゲレメンツ」さんをマネジメントされておられた
MAT黒田さん(「VOGUE」:現「HEAVEN'S ROCK」プレジデント)にお願いして。
黒田さんにはその後も借りばかりで・・・(冷汗)。
機材車で新高円寺を出発したのは快晴の土曜日の午後。
静岡西部に差しかかったところ、遠く西の空に不気味などす黒い雲。
「あの雲の下に行くんか・・・」とゾッとして、夜の名古屋は吹雪。
関ヶ原の大雪のため、大垣インターで東名から降ろされる。
アイスバーン化した一般道をノーマルタイヤのまま恐る恐るチビチビ走り、
国道での関ヶ原越えを諦め、大垣駅近くのビジネスホテルに飛び込み宿泊。
関ヶ原の戦の前、石田治部が逗留したという大垣城は、雪化粧のライトアップで奇麗でした。
土曜日の午前中、英会話スクールのレッスンを受けたくて、
出発時間を早めに設定しなかった私の失敗でした。
(早めに埼玉を出られた「インテンゲレメンツ」さんは三重県経由で神戸の宿に無事到着)
1999年1月のことでした。
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本題に入ります。
今回、取り上げるのは、この書籍(↓)です。
著者は、株式会社感性リサーチ研究所の黒川伊保子さんと岡田耕一さん。
語感研究者である黒川さんは、1999年、各商品のネーミング変化に気付かれたそうです。
英語造語から日本語、イタリア語へ。
子音(機械音)から母音(自然音)、デジタル音からアナログ音への嗜好の変化。
1999年を「大衆の共通感性の分岐点」と名付けた黒川氏は、
元MIT医療研究所の脳生理学者、トニー・ネイダー博士の「人間の生理」という論文に出合われます。
そして、1999年の市場全体で起こった子音から母音への嗜好変化を、
大衆の脳が「短い軸索が活性化しやすい脳状態」から、
「長い軸索が活性化しやすい脳状態」へ変化したことに起因する、
という仮説に辿り着きました。
この10年間、よく「男性脳」「女性脳」ということをよく聞きますが、
「短軸索活性系」=「男性脳」:デジタル系
「長軸索活性系」=「女性脳」:アナログ系
ということになります。
*男性の右脳と左脳を結ぶ長軸が短軸に「改造」されるのは、
胎児の脳内で分泌される男性ホルモン「テストステロン」の仕業。
で、「時代の中の気分」というものにも、
「デジタル気分」「アナログ気分」の周期性があるのではないか?
という仮説も導き出されました。
「飽きる」ということは人間の才能である、
というのが黒川氏のご持論で、私も説得力があると考えます。
でなければ、文明の進歩なんてないんじゃないかと。
「デジタルとアナログの2つの気分は、正弦波のような傾向を描くのでは?」
と考えた黒川氏は、自動車デザイントレンドから「アナログ/デジタル周期説」を
導出された菅原健二氏と出会われたそうです。
丸いティアドロップ型のグラマラスラインと、四角い楔形のシェイプラインの流行。
最も丸くなる、四角くなる周期は28年。
28年の変化は、7年ごとの変化ブロックで構成される。
自動車、ファッショントレンドの膨大なデータの裏付けによる「28年周期説」。
この菅原氏の説を黒川氏は取り入れました。
「アナログ気分」28年、「デジタル気分」28年の56年周期説です。
因みに認知科学で「マジカルナンバー」と呼ばれる「7」は、
容易に短期記憶に収められる最大数。
太陽暦の1週間の単位で、4倍すれば月の公転周期に近い。
女性の月経の周期にも近く、人の脳と身体の周期にもなる。
人の骨髄液の入れ替わり単位も7年。
よって免疫システムも7年で変化するそうです。
(「7年目の浮気」も理にかなっている?)
黒川氏は、この「デジタル気分」と「アナログ気分」の56年サイクルを、
「ブレイン・サイクル」と名付けました。
下図は、『なぜ、人は7年で飽きるのか』の「A/Dビュー」を、
Excelを使って自分で作っちゃったものです。
(小さくて見づらいですが、一番下に引用元の注釈を入れました)
*大衆の脳は、28年のデジタル気分と28年のアナログ気分を56年周期で繰り返している。
*1999年、時代はアナログ気分(女性脳期)に突入、産業構造は、「大量、画一、マス」から「適量、多様、パーソナリティ」(口コミ、通販)」へ。
(同書61ページより)
≪アナログ期に好感度が上がるもの≫
◆ドラマティック
多様、例外・特別、紆余曲折、意外性
◆共感、情報交換
口コミ
◆複雑系
アナログ、自然、人間性
◆デコラティブ
グラマラスライン、模様、多色使い、異素材ミックス、
リボン、フリル、エッジ、包む・重ねる
(同書、74、75ページより)
≪デジタル期に好感度が上がるもの≫
◇論理的
答えがひとつ、だれもが納得する、最小コスト、最短パス、必然性
◇競争
サバイバル気分、情報収集
◇合理性
デジタル、人工、論理性
◇シンプル
直線的なシェイプライン、モノトーン、統一感
(同書、80、81ページより)
いかがですか?
2010年現在は、99年に始まった「アナログ期」の第2周期である「ブレイク期」。
3年後の2013年に、「アナログ期」は絶頂を迎えます。
日産マーチの円めのフォルム。
新幹線N700系の流線形。
「今だけ限定」「貴方だけ限定」の商品群。
紆余曲折と意外性だらけの韓流ドラマ。
口コミなんてのは今さら言うまでもありませんよね。
「癒し」はもううんざりするぐらい。
「エロカッコイイ」「キモカワイイ」など通常では結び付かない概念の組み合わせは、
長軸索活性系の女性脳の特徴だそうです。
絢香あたりで一般化した「等身大」。
「○○ちゃんは等身大で、若い女の子の気持ちが云々♪」
なんて胸クソの悪くなるようなコメント溢れる芸能系音楽雑誌。
このところ騒動となっている角界。
「モーニング・ブルー・ドラゴン」は引退しました。
これがもし「デジタル期」の出来事だったとしたら、
「モラルがなくても、伝統を軽んじても、とにかく強けりゃいい」
ということで、引退には至らなかったんじゃないか? と思います。
「MBD」引退による不経済効果よりも、各界の伝統を重んじたのが今。
(私の個人的な気分としても、引退に賛成です)
対して、「デジタル期」の特徴である「論理性」。
ITの進歩で一見、世の中を席捲しているかのようです。
私もビジネスパーソンですので、
「ロジカル・シンキング」「クリティカル・シンキング」の本は沢山読んできました。
しかし、ビジネスの世界限定じゃないですかね? こういう「ブーム」は。
勝間和代さんのブームもマスコミで盛り上がった反動(=消費されたこと)で、今や食傷感も出ています。
もちろん、勝間さんご自身が悪いわけじゃありませんよ。
むしろ、これからの「デジタル期」を先取りし過ぎている、という見方もできます。
そりゃ、勝間さんのようにシングル・マザーで激務をこなす、となれば、
「アナログ期」だろうが関係ないでしょうけど、フツーの女性は壊れますって。
彼女のフォロワーである所謂“カツマ-”と呼ばれる人達の絶対数は、
女性より男性のほうが多いんじゃないかな? と私は推測します。
違ってたらゴメンなさい。
(今年は「ほぼ日手帳」を使ってる私、昨年は勝間さんの手帳を使ってました)
そして何よりも、米国MBA流とやらの結果はどうなったのか?
お粗末な「リーマンショック」「サブプライム問題」の露呈じゃないでしょうかね(苦笑)。
(私はMBA流を否定はしませんし、勉強はしてますよ。“短軸的な誤解”はしないでね)
「同じ事象も、大衆の気分が違えば、まったく違う見方になる」(同書85ページ)
最近はマスコミから姿を消した細木和子氏。
(私は、山本圭一扮する“太木数子”が大好きでしたが・・・)
「デジタル期」に突入した1970年代の「第一次ブーム」の時は、
「大殺界で死を予言する」恐ろしい占い師。
「アナログ期」の2000年代の「第二次ブーム」では、
「大殺界の乗り切り方を教えてくれる」ありがたい伝道師。
表現方法も、髪型も服装も、本の内容もほぼ同じなのに、
受け取る大衆(と取り上げるマスコミ)のほうが、
勝手に怖がったり、勝手にあがめたり。
そしてあがめて飽きたら貶めて捨てる。
2000年代は「スピリチュアル」もブームでしたね。
これも「デジタル期」だったらブームにならないか、
逆に怖いものとしてマスコミが取り上げたことでしょう。
そういえば、私の身の回りの人達を見回してみても、
江原啓之氏とかを目の敵のように嫌っていたのは、
男性の中でも“超短軸系”の人でした。
こんなもんなんでしょうね。
そう考えると、30、40年もブランドとしての価値を保っているアーティストは驚異的ですね。
(日本では「サザン」の桑田佳祐氏とか「E・YAZAWA」とか)
勿論、“売れた”ことによる有形・無形の資産があるからですし、
当人達もステークホルダー達も、勘と経験と度胸で、
こういうサイクルとかは意識はしていなかったとは思いますが。
(だから偶然の産物、なんですけどね)
またまた長くなってしまいました。
復習してみます。
同書による「流行」「トレンド」の定義とは、
「流行を生み出すのは大衆の意識傾向(トレンド)であり、
トレンドを生み出しているのは脳の中に脈打つ意識サイクルである」(10ページ)
◆個体の脳の意識サイクル=ブレイン・サイクル
◆ブレイン・サイクルによって生み出される大衆の意識傾向=感性トレンド
◆感性トレンドによって生み出される社会現象=流行
この定義は構造的で実にすっきりしています。
「○○ちゃんは等身大で、若い女の子の気持ちが云々♪」
なんて言ってるような“芸能”チックな人達は、(俺もしつこいね・・・笑)
現象である「流行」に振り回され続けます。
さらに、その人達に振り回される「制作者」たちは、
「そりゃ、“2匹目のドジョウ”を狙え! ヒットじゃ、ヒットじゃ!」と、
同質化のスパイラル地獄にのめり込んでいきます。
まあ、現象である「流行」は大切なんですけどね。
販売結果のランキングも大切です。
しかし、その土台となる「ブレイン・サイクル」「感性トレンド」の分析を疎かにするな、
というのが私のスタンスです。
だから、認知心理学や脳科学は大切にしていきたいなと。
昨今、ブームになっている行動経済学も大切ですが、
騒ぐにはちょっと古いかな? その「先」のステップがあることをお忘れなく。
下図は、「ブレイン・サイクル」の正弦波を移行の視点から、
つまり、トップからボトム、ボトムからトップの28年で区切ったビューです。
(「S/Hビュー」)
「アナログ期」の第2周期である「ブレイク期」にあたる2010年は、
「ソフト期」の第4の四半期。
「市場ニーズ優先の時代」「ハードよりソフト、ブツよりコンテンツの時代」は、
あと3年で絶頂期を迎えた後、「デジタル期」への移行により、衰退へと向かいます。
第6回に続きます。
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お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。