こんにちわ! 私です。
今週はいかにも冬らしい寒~い日が続いております。
「どこぐぅあ~~~ 地球温暖化やねん!!!???」
「こ~~~んなに寒いやんけ!!!」
世界の中心とやらで、思いっきり毒づきたくなる私ですが、
そんな問題じゃありませんよね(^_^;)。
北極じゃ、白い熊さんたちが解けた氷の穴から海に落ちて落命していると聞いてますし・・・。
今回は久々に最近読んだ本について書きます。
(昨年下半期の「読書履歴」もそのうち、気が向いたら書くかもしれません)
『松田聖子と中森明菜』を読んだのは昨年の暮れでした。
著者の中川右介氏は、『クラシックジャーナル』編集長であり、雑誌社の社長。
文筆家として幅広いフィールドに精通しているプロ中のプロです。
中川氏の著作を読んだのは本書が初めてでした。
きちんとデータ(売上枚数・金額、ランキング)を押えた上で、
山口百恵(プロローグ)から松田聖子、中森明菜という
昭和最後期の“3大アイドル”を、作品論・文化論的視点で論じています。
著者は1960年生まれ。私と同学年か1学年上の方です。
はっきり言って“快著”なんですが、
同世代の中でもマイノリティ的な懐かしき親近感を覚える表現(比喩)に、
映画『アマデウス』のモーツアルトのような高笑いを何度も発してしまった私です(^o^)。
(私も歳をとったということか・・・)
「結果としては、蒲池法子にとってこの時点で渡辺プロダクションに断られてよかった。78年の時点で彼女がデビューしても、時代はまだ、山口百恵のものであり、そのアンチテーゼとして、ピンク・レディーが爆走していた。時代はこの二つが対立することこそを求めたのであり、二つを止揚するものを求めてはいない。」(55ページより。赤字装飾は引用者)
「自社のタレントを否定して、そのアンチテーゼを提示してきたことで、CBS・ソニー自体は常にトップアイドルのいるレコード会社としての地位を保っていたのである。自民党の長期政権を可能にしたのと同じ戦略である。山口百恵直系の『後継者』を出そうとした時点で、酒井はすでに時代の感性をつかめていなかった。」(77~78ページより。酒井はCBS・ソニーのプロデューサー)
このあたりはまだ普通なんですけど。
「大人たちはアイドルを商品としてしか捉えられなかった。しかし、松田聖子は違った。彼女にとってアイドルは思想であり、戦略であり、そして体制だった。マルクスとエンゲルスの思想をレーニンが戦略化してロシア革命を成功させ、ソビエト体制を作ったように、松田聖子は、アイドル革命に向かって邁進し、それを成功させ、体制を築くのである。」
「帝国である渡辺プロダクションに袖にされ、<スター誕生!>とも縁のなかった松田聖子-左翼運動にかかわったことのある者ならば、「反帝・反スタ」という言葉を思い出すであろう-だからこそ、既成アイドルの失敗の上にアイドル思想を継承することができた。」
「こうして、アイドル冬の時代かと思われた一九八〇年代に、フリルのついた白いドレスを着てわざとらしく笑う、十八歳の歌手が誕生した。」
(以上、93~94ページより。赤字装飾は引用者)
「反帝・反スタ」を大きく掲げてたのは、
「新左翼」の中でも2派だけだったんですけど。。。
う~ん、早稲田二文のご出身でしたね(^_^;)、著者は。
それにしても「反スタ」を「反スター誕生」と掛け合わせた
オヤジギャグにもやられました。。。
本書の37ページで引用されている『山口百恵は菩薩である』の著者、平岡正明の影響を強く受けているのかもしれませんね、中川氏は。
『プレイバックPart2』の「真っ赤なポルシェ」という歌詞が、
特定企業のブランド名ということで、
「真っ赤なクルマ」と歌うことを強いられた山口百恵。
1978年大晦日の「紅白」、彼女はしっかりと「真っ赤なポルシェ」と歌った。
「芸能が官僚主義を打ち破った瞬間だった」(51ページより)
その一方で、『いい日旅立ち』で国鉄とタイアップ。
この曲は国鉄のCMで流され、
レコードを買わない層、TV歌番組を観ない層への知名度を高めた。
「大企業と歌謡曲が本格的にタイアップする、その先駆けである。」(52ページより)
「ともあれ、私生児として生まれ、けっして豊かな家庭に育ったわけではない少女は、わずか十九歳にして、国家と対等に提携するようになり、国家の放送局とも対等にわたりあったのである。鉄道と電波を制圧するのが、近代における革命の条件だとすれば、山口百恵は日本史上、ただひとり、真に成功した革命家だった。」(52ページより。赤字装飾は引用者)
細かなことを言うと、あと「郵便」だったんですけどね(^_^;)。
レーニンの著作によると。
今現在、民営化された郵便局とタイアップしてるのは、
夏川りみ、か・・・。
全然、「革命家」じゃないっすね。
それも“時代の流れ”ということで。。。
こういった表現に、「アマデウスの高笑い」をする私は、
超マイノリティな存在だと思います。
若い人には理解できないかもしれませんし、
同世代でもマジョリティにとっては、何のことやら・・・でしょうね。。。
でもね、終始、こんな調子じゃありませんよ。
人間の根源的な“欲望”(コミュニケーションの究極形態としての恋愛感情)の
“変わらない深層”と、“変わっていく表層”というものをですね、
“流行歌”の成立と変遷の歴史の中で、掴めるかもしれないなと。
そんな読後感を得られました。
「後編」では、もちょっと真面目に書くつもりです(無理かな・・・)。
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お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
今週はいかにも冬らしい寒~い日が続いております。
「どこぐぅあ~~~ 地球温暖化やねん!!!???」
「こ~~~んなに寒いやんけ!!!」
世界の中心とやらで、思いっきり毒づきたくなる私ですが、
そんな問題じゃありませんよね(^_^;)。
北極じゃ、白い熊さんたちが解けた氷の穴から海に落ちて落命していると聞いてますし・・・。
今回は久々に最近読んだ本について書きます。
(昨年下半期の「読書履歴」もそのうち、気が向いたら書くかもしれません)
『松田聖子と中森明菜』を読んだのは昨年の暮れでした。
著者の中川右介氏は、『クラシックジャーナル』編集長であり、雑誌社の社長。
文筆家として幅広いフィールドに精通しているプロ中のプロです。
中川氏の著作を読んだのは本書が初めてでした。
きちんとデータ(売上枚数・金額、ランキング)を押えた上で、
山口百恵(プロローグ)から松田聖子、中森明菜という
昭和最後期の“3大アイドル”を、作品論・文化論的視点で論じています。
著者は1960年生まれ。私と同学年か1学年上の方です。
はっきり言って“快著”なんですが、
同世代の中でもマイノリティ的な懐かしき親近感を覚える表現(比喩)に、
映画『アマデウス』のモーツアルトのような高笑いを何度も発してしまった私です(^o^)。
(私も歳をとったということか・・・)
「結果としては、蒲池法子にとってこの時点で渡辺プロダクションに断られてよかった。78年の時点で彼女がデビューしても、時代はまだ、山口百恵のものであり、そのアンチテーゼとして、ピンク・レディーが爆走していた。時代はこの二つが対立することこそを求めたのであり、二つを止揚するものを求めてはいない。」(55ページより。赤字装飾は引用者)
「自社のタレントを否定して、そのアンチテーゼを提示してきたことで、CBS・ソニー自体は常にトップアイドルのいるレコード会社としての地位を保っていたのである。自民党の長期政権を可能にしたのと同じ戦略である。山口百恵直系の『後継者』を出そうとした時点で、酒井はすでに時代の感性をつかめていなかった。」(77~78ページより。酒井はCBS・ソニーのプロデューサー)
このあたりはまだ普通なんですけど。
「大人たちはアイドルを商品としてしか捉えられなかった。しかし、松田聖子は違った。彼女にとってアイドルは思想であり、戦略であり、そして体制だった。マルクスとエンゲルスの思想をレーニンが戦略化してロシア革命を成功させ、ソビエト体制を作ったように、松田聖子は、アイドル革命に向かって邁進し、それを成功させ、体制を築くのである。」
「帝国である渡辺プロダクションに袖にされ、<スター誕生!>とも縁のなかった松田聖子-左翼運動にかかわったことのある者ならば、「反帝・反スタ」という言葉を思い出すであろう-だからこそ、既成アイドルの失敗の上にアイドル思想を継承することができた。」
「こうして、アイドル冬の時代かと思われた一九八〇年代に、フリルのついた白いドレスを着てわざとらしく笑う、十八歳の歌手が誕生した。」
(以上、93~94ページより。赤字装飾は引用者)
「反帝・反スタ」を大きく掲げてたのは、
「新左翼」の中でも2派だけだったんですけど。。。
う~ん、早稲田二文のご出身でしたね(^_^;)、著者は。
それにしても「反スタ」を「反スター誕生」と掛け合わせた
オヤジギャグにもやられました。。。
本書の37ページで引用されている『山口百恵は菩薩である』の著者、平岡正明の影響を強く受けているのかもしれませんね、中川氏は。
『プレイバックPart2』の「真っ赤なポルシェ」という歌詞が、
特定企業のブランド名ということで、
「真っ赤なクルマ」と歌うことを強いられた山口百恵。
1978年大晦日の「紅白」、彼女はしっかりと「真っ赤なポルシェ」と歌った。
「芸能が官僚主義を打ち破った瞬間だった」(51ページより)
その一方で、『いい日旅立ち』で国鉄とタイアップ。
この曲は国鉄のCMで流され、
レコードを買わない層、TV歌番組を観ない層への知名度を高めた。
「大企業と歌謡曲が本格的にタイアップする、その先駆けである。」(52ページより)
「ともあれ、私生児として生まれ、けっして豊かな家庭に育ったわけではない少女は、わずか十九歳にして、国家と対等に提携するようになり、国家の放送局とも対等にわたりあったのである。鉄道と電波を制圧するのが、近代における革命の条件だとすれば、山口百恵は日本史上、ただひとり、真に成功した革命家だった。」(52ページより。赤字装飾は引用者)
細かなことを言うと、あと「郵便」だったんですけどね(^_^;)。
レーニンの著作によると。
今現在、民営化された郵便局とタイアップしてるのは、
夏川りみ、か・・・。
全然、「革命家」じゃないっすね。
それも“時代の流れ”ということで。。。
こういった表現に、「アマデウスの高笑い」をする私は、
超マイノリティな存在だと思います。
若い人には理解できないかもしれませんし、
同世代でもマジョリティにとっては、何のことやら・・・でしょうね。。。
でもね、終始、こんな調子じゃありませんよ。
人間の根源的な“欲望”(コミュニケーションの究極形態としての恋愛感情)の
“変わらない深層”と、“変わっていく表層”というものをですね、
“流行歌”の成立と変遷の歴史の中で、掴めるかもしれないなと。
そんな読後感を得られました。
「後編」では、もちょっと真面目に書くつもりです(無理かな・・・)。
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お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
著者ご本人からコメント頂き、恐悦至極でございます。
中川様のエネルギッシュな筆致のまま、この力作を読み進みました。
マニュアックな愉悦に浸ってしまいましたが、やはり同じ時代の空気を吸っていた方の著作ならではの楽しみと、どうかお許しください。
また、あとがきにかわるご挨拶の文面、読ませていただきました。
たしかに、
>あくまで「Seiko & Akina」であり、「Seiko vs Akina」ではありません。
ですね。
後編は我田引水になってしまいますが、アップした折にはご拝読いただければ幸いです。
宜しくお願いいたします。
お読みいただき、ありがとうございます。
普通の人が素通りしている箇所に、注目していただき、うれしいです。
後編、楽しみにしています。
ここにあとがきにかわるものがありますので
よかったら、お読みください。
中川右介
http://www.alphabeta-cj.co.jp/aisatsu.html