ぐんま森林インストラクター会

ぐんま森林インストラクター会(GSI)イベント情報、開催後の報告、その他活動報告などを掲載しています。

風の森 in Sanden Forest 立ち枯れの赤松を伐採しました

2021年10月07日 | 森林整備活動

ぐんま森林インストラクター会では積極的に森林保全活動を行っています。

9月27日にサンデンフォレストの通称「風の森」で立ち枯れた赤松を伐採しました。

現在、赤城山など群馬県に自生する多くの松は瀕死の状態にあります。

【最初にこの「松枯れ」について少々】〜拡散の主犯はマツノマダラカミキリ 〜

松枯れの主犯はセンチュウ(線虫)、このセンチュウ(マツノザイセンチュウ)が発見されたのは、昭和45年のことであり,それ以前においては、松に加害するゾウムシ類やカミキリムシ類の甲虫類を「松くい虫」と総称して、これらの甲虫類が樹皮や材部に孔をあけて食害するのが、松枯れの原因とされていました。

昭和43年、当時の農林省特別研究として松くい虫の研究がスタートし、被害木の病原微生物の分離培養から線虫が発見されました。この線虫を健全な松の木に接種すると、1~2週間で樹脂が止まり,やがて針樹がしおれて変色し、約2ヶ月後には枯れてしまう結果となりました。このセンチュウが「マツノザイセンチュウ」と命名され,松枯れの原因とされました。

松の材に進入する穿孔虫(カミキリムシ等)を調査した結果、松くい虫の被害で枯死した材から羽化脱出したマツノマダラカミキリの成虫が、マツノザイセンチュウをもっていることが判明しました。

↓伐採した赤松で見つかったマツノマダラカミキリの幼虫

マツノマダラカミキリは,1匹あたりで平均15,000頭のマツノザイセンチュウを持っているとされ、媒介虫の役目を果たしています。

この日の伐採は赤松2本です。

まずは1本目、伐倒方向にロープをかけます。

↓続いて伐倒

 

↓クサビを使って慎重に倒します。

↓続いて玉切り

マツノザイセンチュウの運び屋であるマツノマダラカミキリは、6〜7月にかけて枯死木から脱出します。念のため、松枯れ拡散防止のため、長さ40cmほどに切って焼却処分にします。

↓続いて2本目

↓倒れるぞ〜

↓切り口はまだ綺麗です。

↓続いて玉切り

↓最後は搬出

これでこの日の作業はすべて終了です。

美しい森林を後世に残す活動をこれからも続けていきたい思います。

 

 

 

 

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