『早春海賦』
まだ風も冷たい
片瀬の海
珍しく人もまばら
鉛色に乱反射する海面
烏帽子岩も金時山も
きれいに見えているのに
富士の山だけ
顔を隠す
君が用意した舞台
完璧過ぎて苦笑い
二人でいることからの
『卒業』
君が決めたこと
理由を問う僕に
「成長したいから」
と説いた君
穏やかに受け入れて
応援する側へ導かれ
自然に一つの
選択肢だけ残す
君の手腕に
脱帽しか出来ない僕さ
確かに涙は
似合わないけど
この塩辛さは
海風のせいだけだろうか
片瀬の海は
未だ輝くことを忘れない
うたを
この海と新たな君に
3/5某アプリにて『お題』に対して書下ろしたもの。