そらんぢ堂

アーカイブ図書館として残します。

言の葉供養0190

2023年03月07日 21時40分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『真夜中のサカナ』

都会の夜は
まだまだこれから

秘密の二人は
空を泳ぐサカナ

眠りを忘れた
ソラノサカナ

浜離宮近くを
走り抜ける

新幹線や
ゆりかもめ

まばゆい街明かりさえ
標にかえて

開けない夜を
泳ぎ渡る

※3/7某アプリにて数分前に出されたお題に対して書下ろしたもの。

言の葉供養0189

2023年03月07日 17時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『未練な未恋』

残った想い
未練と言うらしい

成就出来なかった
恋を懐かしんでも

誰に迷惑を
かけるでもない

未練は消えない
生きてる間は

けれど死ねば
その瞬間に消え失せる

なぁんだ
と思うのだ

あともう少しなんだから
それまで未練を

そばに置いて
やろうじゃないか

南の街に
残した未練を

※3/7純粋に書下ろし(他のブログやアプリ関係なしの)。

言の葉供養0188

2023年03月07日 15時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『残り香』

壊れそうな
繊細な器

素材は何か
分からない

だけど真ん中の
芯のところは

硝子のように
きらびやかに輝いて

壊れそうな
繊細な器を

真ん中に
持った女〈ヒト〉は

自ら身を引き
消えていった

※某アプリ内の大人詩部屋に書下ろしたもの。共同開設者に伝えたい想い込みで。

言の葉供養0187

2023年03月07日 14時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『朝なんて知らない』

また一人
この病室から去った

その人の
その先なんて知らない

忙しない看護師たちの
動きで時を知る

沢山の管や線に繋がれて
囚われの身の僕は

窓から小さく見える
空の色の遷り変りだけ

それだけを
いつも見てた

朝なんて知らない
本当の朝なんて

もう何年も
見ていない

夜なら
夜の闇なら

こんなにまでも
近くにあるのに

※3/7某アプリで『お題』に対して書下ろしたもの。