そらんぢ堂

『そらんぢ』の【墓標】

言の葉供養0222

2023年06月28日 12時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『蒼き記憶と苦笑い』

ボーリングシャツ
ドクロマークの長財布

ポマード匂わす
マセたガキんちょ

酔った先輩のウチ
互いに止まない衝動

当時EPOが歌った
白い時間の
意味を知った気がした

大したことないと感じた
果てる為の繋がりは

大人になった
今だからこそ

その重さと憂いと
本当の意味を知る

嗚呼青春の蒼き苦き
記憶の断片たちよ

近付く走馬燈に乗り
出てくる必要はないんだ

ほらごらんよ
苦笑いしか出来ないから

でもなんだろう
優しい苦笑いみたいなんだ

※書き下ろ詩。

言の葉供養0220

2023年06月27日 16時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『上書きされない恋』

上書きされない
恋の残骸

あちらこちらに
散らばったまま

陽の光すら
浴びることなく

切ない程に
埃りまみれ

上書きされない
恋の残骸は

もう二度とは
訪れないかもしれない

書き換えられる時を
ただじっと待っている

翳る部屋の
片隅で

※書き下ろ詩

言の葉供養0218

2023年06月27日 09時30分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『我は神鳴りの子』

別雷〈ワケイカヅチ〉は
若い元気な雷様〈ライサマ〉の事と言う

その足許で生まれ
育った私

気付けば雷に
異常な程の興味を示し

ひとたび嵐が来れば
心奪われて止まない

近頃はいくぶん
雷様の鳴り様も変わったけれど

変わらず
今日も

神鳴りの街に
神鳴りの子在り

雷様があと何度か
季節変えの太鼓を叩けば

ほんとの夏が
やって来るね

※某アプリ内に書き下ろしたもの。