前回、お邪魔した都内の素敵な工房。
そこで、弓のトリートメントのことをおっしゃってました。
そこの弓のトリートメントは、門外不出の技術だと思いますが、
私が1年間(とても短い期間ですが)ある工房でいろいろな弓を見させて
もらって、さわって感じたのが、
これまた、「木は生きている」ということ。
ちょっとしたことでしなりが変わったりします。
師匠がよく熱をあてて弓のそりを調節するのを見ていました。
髪の毛もそうですが、熱を与え形をまっすぐにして急に冷やすと
キューティクルが光ったりします。
この木の竿。細いがゆえに自在に変化するんですよね。
そういえば、あのサルトリの弓もある年代からは、急にがくんと質が
落ちるそうです。
それって木材をどこから仕入れていたこととかもあると
思いますが、職人にとっては辛いことですね。
きっとサルトリさんも悩んだだろうと思います。
話しは変わって、フェルナンブーコは貴重な木材ですが、
こう自然破壊が続いては、ヴァイオリン業界にとってもいいヴァイオリンが
作れなくなる。または補修できなくなる事態が予測されます。
きっと中国では、高度成長期で、かつ文化的にもあがってきて
ヴァイオリン人口も多いでしょうが、ばかすかと工場で作られた
1台1万円、いや数千円のヴァイオリン達、その中で生き残るのは
わずかな台数だと思います。
中国のメーカーの皆さんも、もっと1台1台気持ちをこめて
作ってくれないと、木材に申し訳ないと思います。
そして、あの工房のご主人が教えてくれたことで、すごく納得したのが
「中国製の安いヴァイオリン10台あって、その中でもとてもいい音が
するヴァイオリンが1台あるのは何故?」
「同じ材質で、同じ設定のはずなのに・・・」
「それは、ネックのつけ方が微妙にうねっているからだよ。いい音のする
ヴァイオリンは必ず、どちらかに曲がっているよ。」
そう、そうなんです。ついつい、ヴァイオリンはまっすぐネックがついたのを
曲がっているねえ・・・なんて言ってましたが、そればわざとだったんです。
侮れない中国製ヴァイオリン。
ところで、工房猫は、以前ヴァイオリンを習っていたのですが、
あまりにも他の猫からのブーイングがひどく。
やめてしまったのです。
昨日、フジテレビのドラマで「
風のガーデン」で中井喜一が多忙な医師生活の
糧として、夜中ひとり、チェロを弾くシーンがありました。
こういうシーンにあこがれて、チェロをはじまちゃったりするおじさまが
増えるといいなあ。なんてついつい楽器業界の人みたいに思ったりしています。
私も、チェロ始めようかな。きっとチェロなら、他の猫からのブーイングは
ないかも。猫達は低音域の音が好きみたいですね。
そんなチェロ弾きの方たちにも、江川工房の弓のグリース「
ヴァイオリン・グリース」は試してもらいたいですね。
本当に発音がしやすく、音も繊細に澄んできます。
価格もお手ごろなものです。
江川工房まで遊びに来て下さいね。
近々、江川工房の実験室を都内でやろうかと思索中。
http://www.egawakobo.jp/