24日の金曜日は朝からニュースと株式市場を楽しみに見ていた。
そりゃ、英国の国民投票の結果が早く知りたいから。
世論調査が拮抗しているといっても、ブックメーカーの建てた予想から、
どうせ残留とたかをくくっていた向きが多いのでは。
ところが昼頃から潮目が変わった。
株安と円高が進み始めたのだ。
BBCの公式発表のあとはもうパニック。
こうなった理由は何か。
歴史的には、英国のEU離脱はEU崩壊の引き金になるだろう。
ま、私はもともとEUという存在自体が無理だと思っていたので驚きはしないが。
英国は経済規模で域内2番目の地位を持ちながら、主導権はドイツに握られていた。
そうすると負担ばかり発生する。
英国民から見ると、メリットのない制度や規制が次々できる。
政府には残留する利点がわかっているから妥協を重ねるけれど、国民には理解できない。
それで、このような形で国民の不満が爆発した。
しかしやがて国民にもEU離脱のマイナスがわかる時がくるだろう。
その時には手遅れだろうが。
トヨタや日産、ホンダが欧州拠点を英国に置いた意味が乏しくなって
(つまり英国からEUへの輸出に関税がかかって)
製造拠点を大陸に移動し、英国に数万人規模の人員整理が発生しないと、英国民は
決断の恐るべき結果の意味がわからないのでは。
これではもう英国経済は持たない。
緩慢な自然死を待つだけ。
でも初めからそうなる運命だったのではないか。
EUのおかげで延命しただけともいえる。
製造業が壊滅し、財務とファイナンスで、「シティー」を中心にかろうじて
生き延びてきた大英帝国は、植民地を失って、過去の栄光への追憶だけで
生きる老人ともはや同じということだ。
愚かな選択である。
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