しかしとんでもない法律があったものである。
治安維持法!
共産主義や無政府主義など、およそ当時の「国体」に反すると考えられる
思想を根こそぎやっつけるための道具だったが、特高によって拡大解釈され、
綴り方運動から宗教弾圧にまでおよんで、昭和20年GHQにより廃止された。
法は行為を罰するもので、人の内面に土足で踏み込むのは許せない。
(今度の「共謀罪」も怪しいね)
しかも制定当時は反対らしい反対がなかったという。
この「悪法」につき制定当時の政治的社会的背景を適切に解説してくれる
と評判の本がこれだ。
私はまだ読んでいないが、解説だけはあちこちで目にする。
話題性があるのは、著者が「盗用」スキャンダルで東大教授の辞任に追いこま
れるなどの理由によるものだが、内容の信頼性をゆるがすものではなさそう。
昭和52年の発売で、絶版だが中古が高いというほどのものではない。
でもいつか機会があれば読んでみたい本の一つ。
ところが先年これにおもわぬところで遭遇した。
福島で仕事していた時のこと。
ある農家に訪ねていったところ、この本が庭先に捨ててあったのだ。
表現が正確でない。
廃品回収用にひもで縛った束が二つ並んでいて、そのてっぺんがこれ。
よほど持って帰ろうかと思ったが、その日は雨。
無残にドロドロ、断念した。
いかにも場所にそぐわない本の山。
教訓。人は見た目で判断してはいけないということだ。
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