この間まで「電子書籍」をめぐる話題が沸騰していたのに、最近はすっかり下火になった感がある。
知り合いの出版関係者によると、読むほうの端末製造工場が被災して、量産計画がストップしてしまったからだそうな。
みんな儲けることしか考えていないから、ちょっとしたことでそれを障害と感じるようだが、
私自身は電子書籍のイメージをもっと別のものとしてとらえている。
紙の本は採算の壁があるから、たとえば初版3000部とかある程度の需要の計算のたつものしか出版できないわけだが、
電子本はなにしろ固定的なコストが極端に低く、誰でも著者になれてしまう。
100部売れたら黒字になったり、1000冊なら大もうけという可能性すらありうるのだ。
趣味の世界では、3000は無理でも500は確実にいけそうなコンテンツが山ほどある。
これまで誰も手を出していない分野の第一人者なら、著作は大歓迎されるだろう。
本当のマニア向け。
再版でも、200部だけ作りたいなどといえば、市販は無理、自費出版にしてくれと言われるのが
オチだったが、今後はおお威張りでマーケットに出せる。
自費出版も急増するかも。
予算は10万なんて案件でも対応は可能なのだから。
なにより、この商売は失敗したときのリスクが低い。
設備投資にカネがほとんどかからない。
超安全なビジネスなのだが、大手企業がわざわざやるほどのメリットはなさそう。
個人の起業向け。
ただし出版・販売の細部に精通し、著者をかき集める人脈に富み、さらにコンテンツの評価能力が問われる、
となると、見た目ほど簡単ではないなとすぐわかる。
向いている人は限られる。とはいえ、当たればでかい。数少ない成長分野となる可能性を秘めている。
やっぱり自分でやるしかないか。早く規格を統一化してね。
作ったはいいが、Aでは読めるのにBではだめ、となったら悲しいので。
(2011.7.30記)
退職してひまになったらやろうと思っていたのに、今は現役の時より忙しい。こりゃダメだ。
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