「国債、日銀の保有5割超す 金利抑制で広がる矛盾」 日経 220627
「QUICKの20日時点のデータで計算した。日銀は長期金利の上限を0.25%程度に抑える方針に沿って国債を無制限に買い入れている。米欧の長期金利上昇で日本でも金利に上昇圧力がかかっており、日銀は金利を抑え込むために大量の国債買いを余儀なくされている。6月の購入額はすでに14.8兆円と14年11月の11.1兆円を抜いて最大となった。月末には15.9兆円に達する見通しだ」
「6月20日時点の短期国債を除く国債の発行残高は1021.1兆円、日銀の保有額は514.9兆円(額面べース)だった。日銀の保有割合は50.4%と、2021年2~3月の50.0%を超えて最大となった。黒田東彦総裁が大規模緩和を開始した13年の保有割合は1割台だった」
「日銀の買い入れは特定の国債に集中している。長期金利の指標となる新発10年物国債は87.6%を日銀が抱え込む」
「米連邦準備理事会(FRB)は3月末時点の国債の保有割合が2割台で、6月からは国債などの保有資産を減らす量的引き締め(QT)を開始した。欧州中央銀行(ECB)は足元で3割台」
「民間金融機関による保有は減少している。3月末時点で銀行や信金などの預金取扱機関の保有比率は11.4%、保険・年金基金は23.2%だ。長期金利が上昇(国債価格が下落)して損失が発生するリスクを、日銀が一手に引き受けている構図」