京都が好き 写真が大好き by たにんこ

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聞こえないものまで 
聞こえてくるんだな

瀕死の重傷 み~ そして虐待

2008年02月23日 15時54分20秒 | Weblog
火事の有った翌日↓ 朝5時頃から おんちゃんと話をしていた。

み~は 6時頃散歩に出かけた。
いつも通りの屋根に上がり いつも通りのお気に入りの場所で 数時間過ごすんだ。
おんちゃんは8時頃「寝る」と言い 二階に上がった。

11時半頃 み~が屋根から降りる気配がした。
ところが おんちゃんの窓の下で「にゃ~~~ごぉ~~~ にゃぁ~~~ごぉ~~~にゃぁ~~~ごぉ~~~」
と 今まで聞いた事の無いような声で鳴いている。
カーテンを開けて ちょっと様子を見ていたら いつもの屋根の方に来て降りる準備をしている。
が 中々降りて来ない。
やっと降りてきたら 向こうの庭に降りた。
??? 何時もは手前の縁側の所なのに。
ちょっと不思議に思ったけど カーテンを閉め 又PCに向かってた。
み~の気配がしたと思ったら にゃぁ~~~ごぉ~~~と鳴く。
またカーテンを開けたら トイレと台所の境にある ちょっと段差の有る所で 顔だけ出している。
「何だよみ~。入って来い」と言って カーテンを閉めたら… 
数分後 物凄い声がした。
ぎゃぁぁぁぁぁ~~~おぉ~~~~~!!!
ぎゃぁぁぁぁぁ~~~おぉ~~~~~!!!
!!! おかしいと思い 胸騒ぎと同時に み~に駆け寄った。
うずくまって動かない。
「おい…み~ どうした?」と言いながら 抱っこしようとして体に触ったら ぎゃおぉ~~~!という声。
抱き上げた。
足が…右足が真逆に曲がって ぶらぶらしてるんだ。
!!! 大変だと言う事が現実になるまで 時間は掛からなかった。
体中触ると痛がって それこそ断末魔の声を出すんだ。
とにかく 首から下を触れない。
大声でおんちゃんを呼んだ。

動物病院と名の付く所に 片っぱしから電話をした。
「12時から5時までは…」と言う返事ばかりだ。
急患を受け入れる病院に行ったけど やはり答えは同じだった。
地獄の時間が待っていた。
み~は痛がって泣く 暴れる の繰り返しだ。
おれは「み~我慢しろよ。絶対おれが治してやるからな」と言う以外 方法なんか無い。

4時30分頃 タクシーで西本願寺方面の病院に行った。
レントゲンやら何やら…etc
横隔膜ヘルニア 骨盤複雑骨折 肺酵素上昇 右脛骨腓骨骨折…etc
今後の入院について説明を受けた。
治療代 入院費などで 約100万円と言う事だった。
おれは素直に言った。
「先生 今は今日の支払い分の2万6千円しかないんだ。月々ローンにしてもらえないだろうか?」
言った途端に 別な病院を紹介すると言う。
人も動物も 所詮は金か と思ったよ。
お金を払って さっさと病院を後にした。
帰りは…歩いて帰った。
金を払ったら 財布には数円しかなかったからだ。
おんちゃんも悔しかったんだろう。
「金持ちばっかりの 犬や猫ばっかりだった。金が無いせいで…」と言ったところで 
おれは「うるせぇ~!黙って歩け!」と怒鳴っちまった。
5.3キロも有るみ~を 交互に運んだ。
歩いては休み 歩いては休み。
み~の体の重さを感じ 命の重さも感じながら歩き続けた。

家に着いて病院を探したが 全て断られた。
み~は 痛み止めを打っているけど それでも暴れる。
時間だけが過ぎて行く。
み~の頭を おれの腕に乗っけてやった。
何故だかみ~は嫌がり 両手でおれの手のひらを必死で引き寄せ 手の平に頭を乗せて目をつぶる。
数十分毎 腕が痛くなるから 頭をそっと枕に乗せると 嫌がって大声で泣くんだ。
「何で手の平が良いんだろう???………!!!!!」
分かった途端 切なくて切なくて切なくて 涙が溢れ出た。
み~もちびも ちっちゃい頃から おれの手の平で寝ていたからだ。
こんな体になって 小さい頃の事を思い出したんだろう。
そして こんなおれを 親だと思っている。
数分ごとにおれの顔を見て ひゃぁ~ひゃぁ~と 力無く泣く。
夜が明ける頃 電話帳でもう一度探した。
駄目だ 見つからない。
朝から電話を掛け続けた。
何処も断られた。
時間だけが空しく過ぎて行く。
昼になり 夕方になり…
痛み止めも効かないだろうに 必死で痛みと戦っているみ~。
「大丈夫だ。絶対おれが治してやる」………と言いつつ そんな保障など有るわけがなかった。
楽にしてやる…一瞬そんな事も考えた。
み~はじっとおれを見つめている。
再びみ~は暴れ始めた。
もう夕方の5時近くだ。
痛み止めなんか とっくにキレているんだろう。

おれは涙を流しながら「み~おめぇ~男だろう!我慢しろ!!!」と怒鳴るばかり。
み~は見た事もない それこそ断末魔の顔で おれを見つめながら泣き叫んでいる。
み~が奇跡を…いや奇跡じゃあ無い。
自分が行くべき所を み~自身が見つけ出した。
暴れながら電話帳を引っ掻いて 引っ掻いて開いた所のページに 自分の腕を挟んでいる。
ページを開けた。
そこには 西大路駅周辺に有る動物病院が載っていた。
み~を信じて 奇跡を信じて電話をしてみた。
お金が無い事も きちんと話をした。
電話に出た受付の女性は それこそ話を聞いてくれ「今から診ますので 連れて来てください」と言った。
何とか数千円のお金を都合して タクシーで行った。

先生は話を良く聞いてくれ 全ての費用をローンにしてくれると言ってくれた。
そして「これは交通事故で出来る怪我では有りません」とも言う。
それこそ当たり前の話だった。
先生の意見と おれの意見が一致した。
つまり こんな体で壁をよじ登って帰って来る事は不可能だし 交通事故にしては 体が綺麗過ぎる。
み~の行動の事を話したら「虐待…と見て間違い無いですね」との事だ。
今後の治療を 先生が話し始めた。
み~に目をやると 天井が開いているキャリーの中で 横たわっている。
おれと目が合った途端 何を思ったのかみ~は お座りをしようとしているんだ。
先生がレントゲン写真での説明をし おれはレントゲン写真を見ていた…その時だった。
キャリーに乗せていたおれの右の手の甲に み~の重さを感じて 見たら…。
み~は きちんとお座りをし 左手をおれの手の甲に乗せている。
お尻の骨が砕けているのに それなのに きちんとお座りをし おれの手の甲に左手を乗せているんだ。
み~ときたら それこそ断末魔の痛さなのに 何時の間にか穏やかな顔をして おれを優しく見つめている。
また涙が溢れて来た。
涙が嗚咽に変わって どうしようもなくなった。
その間先生は…黙っていた。
再び先生の説明を聞き 先生に全てを委ねた。

み~はまだ入院中で 3度目の手術を受けようとしている。
家に帰って来ても 元通りには歩けないし動けない。
それは覚悟の上だ。
大好きな屋根上の散歩も もう2度と出来ないだろう。
だけど み~は 瀕死の重傷をおっても 家に帰って来た。
おれの元へ帰って来た。
命の尊さは 人間と変わらない。
命の尊さを 今回の事で改めて考えさせられた。
ついこの間 み~の見舞いをしてきた。
み~は おれの顔を見るなり きちんとお座りをした。
じっとおれの顔を見つめて 穏やかな顔をしている。
「ぼく早く良くなるから。良くなったら家に連れて帰ってね」と 言っていたよ。