京都が好き 写真が大好き by たにんこ

長く写真をやってると 
聞こえないものまで 
聞こえてくるんだな

光と影~東寺で生きていた猫たち ニャンコ達の人生

2022年08月28日 05時32分51秒 | Weblog


カリカリのおじちゃんや缶詰のおばちゃんは 毎日来れるわけじゃない。
用が有り 来れない日だってどっちかには有るんだ。
両人来る日も どっちか一人だけ来る日も。
悲惨なのは 両人来れないどころか その他の人達も来ない日だ。
つまり 丸一日半食べられない日が有った。
おれはその日に 偶然にも出くわした。
写真を見てくれ。
寝ている訳じゃあ無いんだよ。
体力を温存して 来るのを待ってる姿なんだ。
夕方の写真だ。
もう閉門が近い。
南門に近い場所に ニャンコ達は最後の望みをかけて待ってるんだ。
誰かの足音が ちゃりちゃり鳴る度 皆一斉に起き上がるんだ。
「あっやっと来たんだ!」と言う風に 起き上がる。
「これでやっと御飯が食べられる」そんな風に起き上がる。
人の足音がする度に 同じ事を繰り返す。
おれは ファインダーを覗けなくなった。
家に帰って 御飯を持って来てやりたかった。
警備員に「カメラマンさん もう閉めますよ」と言われ ニャンコ達にさよならした。
帰り道 目からの大雨で どうしようもなかった。
いくら約束したからって…葛藤が。
おれの撮影スタイルは 撮影中にはものを食べない事なんだ。
ただし水分は取る事にしている。
缶コーヒー2本有れば 一日中撮影できる。
ただし この東寺での撮影は ジュース類じゃあなく 水だ。
何故なら ジュースの匂いが分かっただけでも 頂戴するからだ。
次の朝に カリカリのおじちゃんに写真を見せた。
その足元では 物凄い勢いで御飯を食べてるニャンコ達で一杯だ。
おじちゃんは写真を見ながら「あんたも切なかっただろう」と言ってくれた。
「うん」とだけしか 返せなかった。
偉そうに言うつもりはない。
ニャンコを育てている人達へ。
本当にニャンコの気持ち 分かってるのか?

追記&写真

閉門を告げられた後 南門から出ようとしたら…
南門のボスと№2が この姿で居た。
門を出て直ぐに この二人を見たんだ。
おれをじっと見つめて 警備員のおじさんに「ほら閉めるぞ」
と言われるまで おれを見つめていた。
この二人の顔が 目に焼き付いてしまった。


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