娘も息子も
僕が家にいることを喜んでくれる
朝起きた時に自分が居ると笑ってくれる
多分これこそが無償の愛なのかもしれない
何というか
居るだけで愛してくれるというかね
本当に嬉しいね
そして
本当に苦しいね
こんな人間を愛してくれていて
存在を喜んでくれる
なぜなんだろう
僕は多分
君たちを不幸にする存在でしかないのに
多分ね、いや間違いなく
君たちの父親は僕じゃない方が良かったんだと
思うよ
いや、妻の見る目がなかったとか
そんなんじゃなくてね
僕はこの命を賭けて
周りを騙し続けているんだと思う。
結果的にね。
そんなつもりは無かったけど
多分そんな感じ。
だってね、どれほど妻を不幸にしていると思う?
冷静に妻が自分自身を省みた時に
多分気付くと思うんだよね。
僕の無意味さに。
僕は真面目な顔をして
悪戯に妻の寿命を縮めているんだよ、多分。
せめて
せめてね
安らかに死にたいな
体に管をぶち込まれるとか
両手足を無くして芋虫になるとか
そんなんじゃなくて
2年後には忘れ去られるような
あっけない死に方をしたい
そこでせめてお金でも残せていたら
とか思うけど
いらないよね、こんな男の残した金とかね。
何か無いかな
僕の生きた意味は
いつも気を引き締めるつもりでいるけど
結局はその日を何となくでやりすごしてしまう
気づいているよな?
周りの人達は気づいているよな?
僕の中身の無さをね。
申し訳ない
本当に申し訳無いと思う
僕が周りを不幸にしていると思うから
せめて何か周りの役に立ちたいと思うけど
それは一瞬。
本当にすぐ終わり。
浅すぎるんだよね。何もかも。
化けの皮が剥がれてきたと最近感じるんだ、本当に。
もう限界かもね。
いや、多分限界。
本当に限界。
今まで誤魔化せてきたのが幸運なのかもね。
本当にありがとうございます。
今まで誤魔化されてくれてありがとうございました。
もう少し、もう少しだけ生きてみますけどね。