「混迷の時代を考える」(2025年年頭所感)
(前置き)
2023年5月にこのブログを開始して以来、いろいろと思うことや考えた事を書き連ねてきたが、今年はこのブログの書き方を少し変えてみようかと思っている。
このブログを始めた当初はタイトルを「話の種」としたように、その目的は話題となるような事柄の備忘録と言う事だったが、テーマが政治、経済、社会問題などと広がっていくにつれ、間違ったことは書かないようにいろいろと調べたり考察したりすることが多くなり、また内容については出来るだけ自分なりの考えや結論も書くようにしてきたが、これはこれで自分の頭の中、考えを整理するという意味では良かったのだが、年を取るにつれ段々とその気力がなくなってきた。
従って、テーマによっては問題点や疑問点をとことん突き詰めるのではなく、原点に戻り、人の目を意識することなく、単に自分自身のための問題整理、記録しておくだけで良いのではとの考えに至った。
これ迄の記述で当方の関心事については一応整理、考察出来たという思いもあり、また、ChatGPTなどのAIもかなり進化しており、当初見られたような間違いなどもほとんどなくなってきているので、今後問題整理に関してはこれらを大いに活用しようと思っている。
(本題)
そこで、冒頭に記した「混迷の時代を考える」ということだが、昨年強く感じたのはSNSの影響力ということ。
これは特に選挙活動などで顕著に見られたが、それ以外の分野でも大きな影響をもたらしている。
世界的には米国のトランプ問題をはじめ、欧州でも極右の台頭などの要因となっているが、日本でも東京都知事選、衆院選、兵庫県知事選など、その威力を遺憾なく発揮している。
これらを見ると、今世の中は大きな転換期に差し掛かっているようである。
米国大統領選でのトランプの言動を見てヒットラーの姿が浮かんできたが(動作、口調は異なるが)、最近その理由が分かった。
それは以前NHK教育テレビで放映された「100分de名著」のル・ボンの「群衆心理」という番組を見ていたからで、ここではヒットラーのことについても触れており、これまでのトランプの言動がこのことを思い出させたからである。要は大衆を如何に操るかと言うこと。
この番組の内容については幸いNHKのネット上での記載があったので、別途記しておこうと思う。
また、この本に書かれた理論がヒットラーにどのような影響を与えたか、更にトランプの言動との関連性についてもChatGPTに質問をしてみたので、その回答も別途記しておく。
(*動作、口調ということで言えば、小泉元首相のほうがヒットラーに近いかも知れない。「自民党をぶっ壊す」という主張で、ワンフレーズの多様や、敵を作るなどということもその例だが、ただメディアを利用するという面ではやや異なっていたかと思う。)
ともかくこのことを考えると、この群集心理というのは何も今始まったことではなく以前からあったものだが、ネット社会になってこれらに拍車がかかったというのが正しい様である。
ということで、今後のテーマとしては次のようなものが念頭にあるが、これらは折に触れ、問題を整理していきたいと考えており、ここでは取敢えず米国の調査会社「ユーラシア・グループ」による「今年の10大リスク」を記しておく。
*今後のテーマ候補
「群集心理」(ギュスターヴ・ル・ボン)
「SNS全盛時代の問題点」
「理性喪失社会」
「利己主義の社会」
「民主主義の危機」
「権力の暴走」
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「ユーラシア・グループ」による「今年の10大リスク」(2025/1/6発表)
[Top Risks 2025]
1.The G-Zero wins(Gゼロの勝利)
2.Rule of Don(トランプ支配)
3.US-China breakdown(米中決裂)
4.Trumponomics(トランプノミクス)
5.Russia still rogue(ならず者国家続けるロシア)
6.Iran on the ropes(追い詰められたイラン)
7.Beggar thy world(世界経済の窮乏化)
8.AI unbound(制御不能なAI)
9.Ungoverned spaces(統治なき領域の拡大)
10.Mexican standoff(米国とメキシコの対立)
1 深まるGゼロ世界の混迷
世界的な課題への対応を主導し国際秩序を維持する国家は存在しない状態で地政学的な不安定が常態化する。新たな世界大戦すら起きるリスクはかつてないほど高まっている。1930年代や冷戦初期に匹敵する危険な時代に突入しつつある。(「Gゼロ」とは、国際秩序を主導する国家が存在しない状態を指す用語)
2 トランプの支配
司法省やFBIといった政治的に権力を持つ組織にトランプ氏に忠誠を誓う人物を据えようとしている。行政権力に対する独立したチェック機能が低下し法の支配が弱体化する。また政治的に近い企業家を優遇すれば市場競争ではなく権力への近さが成功を左右するシステムが生まれる可能性がある。
3 米中決裂
トランプ氏の返り咲きにより米中関係の安定は崩れるだろう。経済の混乱や危機のリスクが高まることになる。トランプ氏は、今後、中国製品に高い関税を課すことを実行に移すだろう。
4 トランプノミクス
関税の大幅な引き上げは、サプライチェーンを混乱させ企業と消費者のコストを押し上げる。また不法移民の大量送還などによってアメリカの労働力が減少し賃金や物価が上昇するだろう。インフレ率の上昇と成長の減速で経済の強さを損なうことになるだろう。
5 ならず者国家のままのロシア
ウクライナで停戦が成立する可能性は高いが、ロシアはアメリカ主導の世界秩序を弱体化させる政策をさらに推進するだろう。ロシアは占領した領土を事実上支配したままにするだろう。
6 追い詰められたイラン
おととしのイスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃以降、イランの地政学上の立場は壊滅的な打撃を受けた。イランはここ数十年にないほど弱体化していて、中東は依然として不安定な情勢が続くだろう。
7 世界経済への負の押し付け
トランプ次期大統領が就任するアメリカと経済が低迷している中国の混乱がほかの国々にも波及し世界経済の回復を妨げ地政学的分裂を加速させることになるだろう。
8 制御不能なAI
AIの性能はさらに向上する一方、規制緩和によって大惨事につながる事故や制御不能なAIの「暴走」のリスクが高まるだろう。
9 統治なき領域の拡大
アメリカが世界的なリーダーシップを放棄していて、より深刻な地政学的対立や不安定を引き起こし、ならず者国家や非国家主体を勢いづかせる。
10 アメリカとメキシコの対立
メキシコは財政難が続くなか、トランプ次期大統領の関税措置や不法移民などの取り締まりといった困難な課題に直面することになり、アメリカとメキシコの関係はさらに険悪になるだろう。
(参考)
*「ことしの10大リスク」を発表 トランプ氏の影響も 米調査会社
2025年1月7日(NHK NewsWeb)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250107/k10014686531000.html
*今年の10大リスク、最大は「Gゼロ」の進行…「世界の分裂は深まる」
2025/01/06(読売新聞オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250106-OYT1T50151/
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