こんにちは、サニーです。
乙女ゲーム感想用に立ち上げたブログだけど、最近はすっかり読書感想ブログになりつつある😇
今回も読書感想あげます!
今回の本は
「逆転美人」
著:藤崎翔
とある事件の被害者である香織(仮名)が出した手記という形で、
内容は「美人の不幸な半生記」
ジャンルはミステリーで、
「紙の本でしかできない驚きのトリック!」
という煽りに惹かれ読むことにしました。
面白かったし、トリックも斬新だった。
ただ見破るのはかなり難しい。ヒントも分かりにくいし、とある分野の知識があるか、めちゃくちゃ勘が良くないと無理かも😇
今回の感想はミステリーやトリック部分には一切触れず、
「美人の不幸な半生記」を書いた手記部分の感想を書いていきます。
帯に「読み終わってからネタバレ厳禁!」って書いてあったし。
あと、最後に肝心要の部分には触れずに「解答箇所」についてもやんわり感想を書きます。
ちなみに、前回「方舟」「十戒」の感想を書いたときにミステリー部分は反転で読めるようにしたけど、
編集作業が大変だった&かなり見辛くなった
ので、
今回はナシです!
参考
⚠ネタバレ注意(ミステリー・トリックはなし)⚠
【手記感想】
これを読み進めながら真っ先に思ったのは、
「何これ自分の生い立ち語るふりした周囲の人間の所業の暴露?こわっ」
です。
香織(仮名)は性犯罪の被害者でありながら殺人等のあらぬ疑いをかけられて連日マスコミやSNSを騒がせている人物。
読者視点だとピンとこないけど、現実にいたら個人情報がネットに出回ってるだろうし、地上波のニュースでも所在地はわかりそう。
そんな人物が過去を丁寧に振り返り、周囲の人間の所業を事細かにあげつらった読み物を大々的に出版したら…
本に書かれた人は、少なくとも周囲の友人知人地元の人間には何やったかがバレそう。
覗き現行犯で香織の親父に捕まって泣きべそかいてた人気者の少年Eくんとか、
香織をイジメた原因がEくんに振られたことだった元親友のA子ちゃんとか、
セクハラおぢの魂胆に気づいていたのに香織がおぢの元に行くように仕向け、逃げ出してきた香織を追い返したバイト先の先輩美希とか(当時の彼氏と別れてるんならまだしも結婚してたら手記のせいで気まずくなりそう)
知り合いの知り合いは知り合いっていう地方都市特有の人間関係の狭さに香織は子供の頃苦しめられたけど、今度はイジメてたやつらが煩わしい思いをする番だね!
実際手記の初版が出たあとに色々あって香織の生い立ちに関わる人たちに取材が入ったみたいだし。
あと、香織が勤めてたキャバクラも反社バレして打撃すごそう。キャバクラ自体がなくなっててたり特定されなくても繁華街自体に反社のイメージついて打撃受けそう。手記が出版されたのはコロナ禍真っ只中だからただでさえ客足悪いのにやばいよね。
香織が一瞬だけ在籍してたセクハラ会社J工業も、規模が小さくて仮名だから難しそうだけど場所から特定は出来そう。香織は何度か引っ越しているけど、ネットにもし昔住んでいた土地など具体的な個人情報が晒されていたら手記をよく読めば特定出来てしまうかも。
そして極めつけがB県警。手記を出版するきっかけになった事件の捜査をしているんだけど、香織は若い頃に警察官とも因縁があったそう。
他と比べるとそこまで悪辣なことをされたわけでもないけど(十分ドン引きものだけど)、香織はB県警だけほぼ名指しで批判してるのよね。なんせ連日のニュースでどの都道府県で起きた事件かは日本中の人の周知の事実だし、「B県警」って仮名にしたところですぐわかる。
最初は警察のズレた捜査のせいで誹謗中傷浴びたから不満があったのかなぁと思ったけど、多分あれは挑発というか発破をかけるためだったんだろうな。
その後は結婚して家庭に落ち着くも、旦那や父を失い娘が障害を負い、不幸がまだまだ続く中行き着いたのが今回の事件…
全く救いのない展開に読むだけでぐったり疲れる
本の感想サイトでもこの手記の部分は「冗長」「読んでいてダルい」等結構不評。
ただ、これはフィクションとして読んでいる私たち読者サイドの感想。
もしも現実にこんな感じの手記が出て、著者も事件も関係者も実在するとしたら、あまりの救いのなさに心を打たれて著者を苦しめた奴らに許しがたい感情を持つかもしれない。
そう思ったから香織の手記も爆弾だと思ったのかもしれない。
ちなみに手記の主題である
「美人は損である」
という主張や手記内での意見については、概ね賛同。
結構前にコラムニスト・犬山紙子と漫画家・峰なゆかの対談モテ本「邪道モテ」を読んだときに、まさに香織のような美人についての記述があった。
邪道モテは「どんな女の子かモテるか」というテーマの本なんだけど、「正統派美人」については
「生まれ持った美しさのせいで気苦労が絶えず意外と薄幸。男にはストーカー等で狙われ女からは嫉妬を買い、最早芸能界に入るしかない人たち。気が強いタイプならまだしも子鹿みたいに繊細な子はメンタルやられがち」
という評価。
まんま香織じゃん。
作者は邪道モテ読んだことがあるのかもしれない🤔
そして私のリアル知り合いにも大人しめの美人がいるんだけど、香織ほどじゃないけど話聞いてると色々嫌な目にあってきたっぽい。
過ぎたるは及ばざるが如しというか、容姿に限らずだけど優れすぎた才能や資質はそれを活かせる整った環境か強靭なメンタルがないと宝の持ち腐れになるんだなぁと。というか美人すぎるのに中身が普通だと周囲が勝手に落胆したり舐めてきたりする。
この辺は嶽本野ばらの「変身」に通ずるものがある。イタイ性格をした冴えない不細工男がある日突然絶世のイケメンになったけど…という小説。
「ただしイケメン・美人に限る」なんていうけど、それだけで良い事がなんでもかんでも舞い込むわけじゃない。
むしろ普通の人より無駄に期待値があがってハードルが高くなりそう。
【解答箇所ふわっと感想】
本の終盤が解答箇所になるんだけど、ここでミステリーのトリック等解説が入ります。
ヒントいっぱいあったし確かに読んでて「ん?」ってなったけど
これで真相にたどり着くの無理だろ
1番の目玉である「紙の本でしかできないトリック」についてはわかったとき鳥肌ものだけど、
専門知識があるかよっぽど勘が良くないと気づかんやろ😇
話全体としては面白いし解答編のカタルシスもあったけど、
謎解き部分は難易度高いというよりフェアじゃない
今回は以上!
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