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ポジティブな私 ポジ人

小雨の中の散歩

朝から雨。
発送する荷物があったので、午後から近くのコンビニへ向かった。
雨は小雨。
用件を終えコンビニを出た後、近くの歩道から下へ通じる丸太階段を降り、精進の滝へ向かった。

落差わずか2メートルのちいさな滝の滝つぼに、釣り糸を垂れる二人の少年がいた。小学6年生か、中学1年生か、そのくらいの年頃の男の子たちだ。
こんな景色は初めてだった。釣れるのだろうか?
そんな事を思いながら歩いていると、小さな歓声があがり、釣り糸の先端に小魚が見えた。
釣れるんだな。

精進川沿いの散策路はしっとりと濡れて、樹木の緑もその濃さを増している。小気味の良い小川のせせらぎが、耳に心地良く心を落ち着かせる。

国道から一段下がったこの場所は、片側に崖のような傾斜面がある。その傾斜面は法面(のりめん)と呼ぶらしい。その法面補強工事が現在行われている。作業員の方たちが、上から命綱を付けてぶら下がりながら、壁面に穴を開けたり削ったり作業を続けていた。

こんな日はカラスばかりが元気だ。辺りはカラスの声ばかりが聞こえる。

先日、カラスの面白い光景を目にした。
夫と澄川用水の遊歩道を歩いていると、太い幹の木に「カラスの巣があります」と注意書きが貼ってあった。
頭上から攻撃されないかとビクビクしながら通り過ぎると、偶然にもその巣に住んでいると思われる親子ガラスが直ぐそばに現れたのだった。
子ガラスのねだるような鳴き声に私達が気づいた瞬間、体の大きな親ガラスが口をパカッと開けた。すると噴水のように口から飛び出したのは、大量の大豆のような粒。ボロボロボロと地面に広がるや否や、そばにいた子ガラスがそれを食べ始めた。どこから運んできたのだろう。親ガラスも再びそれを食べて体に収めた。
あまり見かける機会のない出来事だった。今もカラスの口から大量の大豆?が吹き出てきた時の驚きが忘れられない。

本日の散歩の続き。
雨の日はあまり人も通らず静かだ。鬱蒼とした樹木が何かを感じさせる。畏れだろうか。
すっかり花を終えた藤棚のツルが、触手を伸ばすように伸びている。
藤棚の下をくぐって見ると、ちょっと怖くなってきた。

藤の木のギュウーっとねじれた幹さえ今日は何故か怖い。左側にぽつんとある椅子がいわくありげでまた怖い。

見上げると、藤の実が沢山成っていた。サヤエンドウみたいだ。


調べたら、藤の実は加熱して食べることが出来るらしい。ただ、食べすぎると、お腹を下すらしい。

ここまでは見晴らしの良い散策路なのだが、この先ササヤブのある辺りから急に狭くなる。

奥に行くほど薄暗くなる。いずれは開けた場所に出るのは知っているのだが、ササヤブが何か怖いんだよなあ。

耳を澄まし、ビクビクしながら進んでいくと、ほんのかすかに唸り声のようなものが聞こえ、傘の内側に小さく響いたのだった。唸り声はササヤブからだろうか?

昨年、札幌の東区の市街地でヒグマに後ろから襲われた男性のニュース映像が脳裏をよぎる。男性を襲ったヒグマの体長は160センチ体重158キロ。ヒグマの一撃で肋骨6本を骨折した。凄い力だ。その他にもあちこち噛まれたりして、合計100針も縫ったという。

つい先日も隣町の真駒内で、クマらしきものを目撃したという通報がニュースになっていた。
そんなこともあり、いつどこにクマが出てきてもおかしくない状況(と勝手に思い込んでいる)。結局引き返すことにした。踵を返して恐る恐る歩き始めると、傘をまとめる金具が風でパシッと傘を叩いた。その音だけでビクッとした自分がおかしかった。

唸り声はきっと気のせいだ。
何気ない景色の中に、恐怖要素を探してビビる自分をちょっと楽しむ傾向がある変な私。

小さな橋を渡って、来た時とは反対側の川沿いを歩いて引き返した。
途中に立つ看板をあれこれ見ていると、「精進川での釣りを禁止します」という立て看板が狭い川の対岸にあった。
遠目から読んでみると、(間違っていなければ)平成10年にヤマベの稚魚を放流し、魚も住める清流となった為、釣ってしまうと生態系が変わってしまうので釣らないでと、およそこんな事が書かれていた。

ヤマベは北海道ではヤマメとも呼ばれ、サクラマスの稚魚だ。

来る途中で滝つぼに釣り糸を垂れていた子供たちは、禁を犯しているということになる。注意するべきだろうか。

そんな事を考えながら、滝にさしかかった。
少年が二人いたが、先ほどとは違う子供達のようだ。釣り竿は無く、二人ともタモ網を手にして浅い川の中にいた。足首まで水に浸からない、タモ網を浸すことがやっとの水深だ。
彼らから少し離れた大木の根本に大きなタライがあった。もし、その中に大量の魚が泳いでいたら、注意しようと心に決めてのぞきに行った。
タライの中をのぞくと、5~6センチの小魚一匹がすでに絶命し、お腹を上にしてプカリと浮かんでいた。タライの中にはその一匹だけだった。
これなら注意するまでもないかと思った。

国道沿いの歩道へ戻りかけた時、ここへ来た時と同じ様に、背後から小さな歓声があがった。
どうやらタモ網で浅瀬をすくっているうちに、不運な小魚一匹が入ってしまったようだった。
2匹目だ。大目に見よう。

学校や塾、習い事に通い、いずれは受験戦争に臨む彼らの夏休み。自然に親しむ機会もそんなに無い彼らのひとときの休息。そんな大切な彼らの時間を、見知らぬお婆さんからの小言で台無しにしたくはない。
昭和の時代なら、川で魚を釣ったところでとがめられる事はなかったのに。
令和時代の子供たちの大切な思い出に、水をさすようなことはやめて、帰途についた。




コメント一覧

ポジ人
@nognogblack 今晩は
ノグブラックさんは、色々な所で釣ってますよね。穴場をいっぱい知っていらっしゃるみたいで、羨ましいです。クマには気を付けてくださいね。
毎回ちゃんと釣った魚を食べていらっしゃるので、釣られたお魚たちも本望だと思います。
nognogblack
ボクも釣りを始めてから、釣ってはいけない時期や川、遊魚券なるモノを買わなければならない地域がある事を知りました。

本来は誰のモノでも無い海や川、空と大地を金や権力で独占出来るようにしたのは現代人の傲慢さなのだと思います。

魚の住めない遡上出来ない川が増え、
罪滅ぼしのように制限が設けられたのは仕方ないと思いますが、子供達の楽しみまで奪うような事にはなって欲しくありません。

先住民の方々のように、自然に神に感謝し『足りるを知る』事が必要なのだと思います。

精進川でヤマメを釣っている子供を見掛けたら、ボクならどうだろう?
やはり何も言わないかな…
『本当はダメなんだよ』とか言ってしまった時点で、楽しみを奪ってしまいますよね。

『🎣中学生まで』位で良いと思います。
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