田吾作相談員

田吾作相談員の仕事と趣味の世界
social work,ケアマネジメント,MTB,ツーリング,シネマ

SV

2021年06月19日 | ソーシャルワーク
赤が本人
緑が管理者
双方が思う「不安」と「安心」を可視化
メリットは、一方的な「お説教」よりも、本人の主体性、参加意識が確保される
そして、結果が可視化されることで、自己反省の契機になる
また、管理者サイドも感情的にならずに、客観的な指導が行える
そして、目指すべき希望
希望に向かってとれる解決行動は何か
「お説教」では、一方的な行動の押しつけにしかならないが、
可視化されたツールを介した対話によって自分が起こす解決行動と、その評価を共有する
今回のデメリットとしては、時間が十分に確保できず、十分な対話(平等なコミュニケーション)に至らなかった
また、十分な説明なしに進めると、対話部分の意識が弱くなるという点があった
しかし、SVとしては使えるな


「語りの器」

2021年06月11日 | ソーシャルワーク
入院中のクライエントは、今週末がヤマだと言われている
不安、苦しみ、絶望、やり残した思い
様々な感情を持ちながら、必死に抗った
親父と同い年
高齢、というにはまだまだ若い

最後に家族に示した意思は「苦しい、逝かせてほしい」だったと聞く
そこから昏睡状態に入り、今晩から家族が泊まり込む
コロナ禍と言えど、家族が見送る環境が整っていると良いなぁ

昨夜の講義では、本ケースを元に実存主義を語った
病気にコントロールされることなく、クライエント自らが「私の生」を取り戻す、そんな「語りの鏡」となり得たかどうか

そして、クライエント亡きあと、見送った家族にとっての「私の生」を取り戻す、「語りの器」となり得るのかどうか

対人援助は、アヘンである

2021年06月11日 | ソーシャルワーク
オープンダイアローグ
当事者研究
セルフケア
先日参加した児童福祉の勉強会もこの手法で、どうもこれまで自分にしっくり来なかった、というのが本音
支援者は時に傲慢で、自己満足の領域でクライエントをコントロール、また支援関係という共依存に入り込むリスクが高い
他者の支援関係を間近に見る機会が増えることで、よりそう感じることが多くなった
つまりオープンダイアローグを「当事者」という支援関係者にも当てはめることで、上記のリスクを回避できるのであれば、それはクライエントの利益に繋がる
クライエントにとって一番不利益なのが、支援者の勝手な領域にコントロールされてしまう、それに気づかない支援関係を維持してしまう、ということ
「対人援助は、アヘンである」という側面
なるほどなぁ、そういう予防策としては有効だ、と妙に納得
一度、ケアマネ対象にやってみようかな

僕らの家族支援研究会オンライン

2021年05月29日 | ソーシャルワーク
僕らの家族支援研究会オンライン
「児相って何してくれるところ?」

参加者は近畿圏の児相職員、SSW、児童関係の市職員。内容が児相の課題と展望みたいなことじゃなく、リフレクティング・プロセスを使ったセルフケアだから、児童福祉の当事者感覚が薄い私には実感なし。

結論的には、児相の役割が現場でぼやけてるのは、「福祉行政の歪み」なんじゃないかな。
教育現場や市職員ですら児相って何してくれるの?っていう次元なんだから、分野が違う俺らが分かるはずがない、と。
援助機関の機能分化の弊害も出てる。つまり、専門分化することで、余計に機関の機能について説明しづらくなってるし、福祉行政ってもともと申請主義だから、PRが下手。この感覚は、福祉ビジネスで生きてる俺にはよくわからん感覚かなぁ

児童支援の現場が市町村中心になる一方、児相はどんどん福祉行政っぽい仕事に偏ってる。こういう縦割り化が現場のジレンマを生み、そして、ワーカーの離職率も激しいから、こういうセルフケア手法が流行る

そういえば、ケアマネってこういうセルフケア意識が薄い。おそらく、当事者意識が薄いんだと思う。良くも悪くも、これは福祉ビジネス特有。相手は「クライエント」ではなく、「お客様」だからな

ジェノグラム事例検討会(オンライン6)

2021年04月11日 | ソーシャルワーク


加齢と共に個は変化し、個の変化は身近な環境(家族)に変化をもたらす
家族双方の承認や、サブシステムの機能によっては、家族は個の変化を受容し、上手くやる算段を付けるが、機能不全の傾向がある家族システムだと、うまく個の変化に対応しきれず、ストレスを増大させ、ストレスがストレスを生む結果となる
家族間のストレスは、期待と承認に由来する
期待と承認に対する裏切り、応答不全はやはりストレスと抑圧を生みかねない
このような悪循環の家族は、閉鎖的なシステム傾向を持つ
つまり、家族内でもインプットとアウトプットに対する機能不全が見られるにも関わらず、外部システムに対しても上手く
アウトプットできない
上手くアウトプットできないと、適切にフィードバックを得られないから、上手くインプットに繋げられず、変化のきっかけを見逃し、システムの悪循環を維持してしまう
包括的支援と言われるが、むやみやたらに関係機関が関り、無計画な介入でインプットを増やすことは関心しない
包括的支援とは、包括的なアセスメントであって、そこから導き出されるキーパーソン(決定権を持つ、アクションを起こす、変化しやすい)に計画的介入を行う
機能不全に陥る家族の悪循環に着目したケースでした